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30 幽霊と病院でエッチ

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 って、なんでゆうくんが病院にいるの⁉ 俺は慌てて周囲を見渡して「わっ」と声をあげた。

「ゆうくん⁉ えっ、ほんとうに?」

 薄暗い病室のなかゆうくんはベッドのそばにゆらりと立っていたが、その姿が昨日よりもまたすこしはっきりしていたのだ。学校であんなに怒った影響もおおきいだろうけど、ちょっとエッチが過ぎたのではないだろうか。

 この病院からはじめて家に憑いてきたばかりの彼はまだあどけなくて気配くらいしかなかったというのに、今やスキルだって金縛りだけでなくポルターガイストにまで腕をあげすっかり怨霊化してきている。

 まだつきあいは短いがそれでも彼は俺が風邪を引いたときにはずっとそばについていてくれたし、学校で嫌なことがあったときには慰めてもくれた。昨日だって危機一髪のところを助けてもらってるし、それになんといってもゆうくんは俺の初体験の相手だ。

(あぁ、昨夜ゆうべのエッチも、すっごく気持ちよかったなぁ)
 だから、そんな彼には俺は無事に成仏してもらいたいと思っている。

 こういう場合は、ナンマイダブツって唱えてあげればいいのかな? でもいますぐお別れしちゃうのはちょっとさみしいな。
 哲也くんが目を覚ましたら俺はひとりになってしまう。だからもう少しのあいだだけでもいっしょにいてくれたらよかったんだけども。

「どうしよう……」
 眉をひそめた俺はこちらの苦悩も知らずに尻をなでさすってくるゆうくんに、ちょっとイラッとしてしまった。

「もうっ、 ゆうく――、ひゃんっ」
 たしなめようとした俺は、急所を撫であげられてビクンと身体をすくませた。たったひとナデで、もう俺のそこはビンビンだ。うぬぅっ、お気楽色情霊がっ!

 身体を起こしてコラッと握りこぶしを振りあげた俺は、ゆうくんにふわりと正面から抱きしめられてドキンとして固まった。俺に覆いかぶさる瞬間の彼のシルエットは、俺よりも二回りほどおおきくきれいな八頭身だった。

 顔はわからないが、スタイルがともていい。
(ゆうくん、もしかしてかっこいいひと?)

「あっ、待って、ダメだって」
 首筋にふれる感触に目をこらせば、やはりそこには白い影が顔の形に見えていた。頭ちいさい。そしてそこに頭があるってことは、この触れる感覚はゆうくんのキスってことだ。

「や、あっ」
 彼に口づけられた首筋から、甘い痺れが広がってくる。

(触れかたや、手だけじゃない。ゆうくんは身体つきも哲也くんに似ている……)

 そう思ってしまうと、たちまちに身体が火照ってくる。ただでさえ昨夜のエッチのときに、俺は哲也くんとしてるって想像していたんだ。そのうえ、実際に今俺を抱きしめるゆうくんの身体はかっこいいし、押し倒された俺の背後には本物の哲也くんがいて、幽霊にはない温もりを伝えてくれる。

 身体中が心臓になったみたいにひどくドキドキしてきて、俺はぎゅっと目を瞑った。
(どうしよう。こんなところで)

 首筋にそってたくさんのキスをされ、長い指で背中や脇腹をまさぐられる。服なんて着ていても意味なくて、刺激はすべて素肌に感じた。

「あ……、あんっ……」
 与えられるあまい快楽にぽうっとしてくる。俺は自分の丸めた人差し指の関節を唇で噛みながらちいさい声をだした。

 やがてキスは胸にまで下りてきて、手のひらはお尻を探りだす。蜜を垂らした屹立をぬるぬる擦られ、尻のあいだに指を挿しこまれると、俺の腰はゆるゆると揺らめきだした。

「あ……、あ……、あ……、ふぅんっ」
 気持ちいいよぉ。
 油断していたら右の乳首をくいっと唇で引っ張りあげられた。俺は「ひゃぁっ」と叫んで身を捩ると目の前の哲也くんの腕にしがみつく。ついでにそのまま彼へと身体の向きを変えてしまうと、蜜をトロトロ零しながらピクピク震える先端を哲也くんにこすりつけてくねくねと腰をゆすった。

(乳首、齧られたぁっ)
 理性なんて欠片も残っていない。だって俺、若いんだもん。できるだけたくさんの快感を貪って、そしてはやく出してしまいたいという気持ちでいっぱいだ。
 でもお尻をいじられ屹立を撫で上げられるだけでは足りなくて。眠る哲也くんにこすりつける腰を止められないでいた。

「あんっ、あんっ、あんっ」
 気持ちいい、気持ちいいっ、哲也くん、哲也くんっ。

 身体をずりあげ、彼の胸の上に乗りあげる。腹と腹、胸と胸とぴったり寄せて、うっとりと哲也くんの端正な顔を見つめながら、身体を揺すった。

 無防備になったお尻に侵入した異物が大きくなった気がして振り返れば、ゆうくんの身体がふわりと俺に覆いかぶさるところだった。体内にはいっていたのは、いつのまにか指ではなくてゆうくんのモノだったらしい。

 すぐにそれは俺の臍の下のあの場所にたどりついた。

「あああんっ」
 お尻を突かれてベッドがギシギシ音を立てる。ベッドマットもバウンドして俺の身体は哲也くんごと彼のうえで大きく揺れた。

「ああんっ、ああんっ、いいっ、それ好きッ、哲也くん、哲也くんっ」
 あまりにも強く攻められて、振り落とされないように哲也くんの胸にぎゅっとしがみついた俺は、首をのばして彼の顔を見つめた。

 気分はもう、まんま哲也くんとエッチをしているようだった。



 




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