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開かない
しおりを挟む連休が明け、早めに出勤したら、日常が変わっていた。
入れない。足が、進まない。
入れない。扉に、触れない。
入れない。心が、うるさい。
どれくらい経っただろう。冷や汗が止まらない。
刻々と、時間が進んでいく。
「おい。大丈夫か? しばらく休みだ、帰っていいぞ」
後ろからの声に振り向くと、別の部署の人が立っていた。
しばらく休み、という意味がわからない。
「連休前に問題があった。傷害だ。警察の実況見分で現場を保存しないといけない」
会社としてはバタバタで、連絡が滞っており、先に帰った者が状況がわからず出勤する可能性があるから、連絡係として来たようだ。
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