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『風景そして景色』
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雪 海 雷
題 風景そして景色
「ここは、どこだ?」
目覚めると同時俺は記憶がなかった。単なる記憶消失、でもなさそうだ。名前も言えれば家族の名前だって、彼女がいることさえ思いだせる。
――青い。下を見てそう思う。いや、むしろ濃い青だ。落ちることはないし、浮くこともない。ただ青の上に立っている。
「無重力? でも地面あるもんな」
つま先でカツカツと青を叩く。
突然辺りの色が変わった。水色だった景色が真っ白に。下はさっきと変わらず濃い青のまま。訳が分からず頭を捻る。そんなことをしたところでここがどこなのかは分からないままだが。
青を覗いてみた。何かがいる。お椀のような頭、身体はほっそりとしていてお尻はハートマークのようなっている。こんな生き物がたくさん青の中であっちへ行ったりこっちへ行ったり世話しなく動いている。
――また景色が変わった。
白い。一面真っ白だ。しかしところどころ色の強弱が違う。これはいわゆる
「白は二百色あんねん、か」
つい最近テレビで見たものだが、そのときは「本当に二百色もあるのか?」とも思ったが今の景色を見たらそんなことは言えない。ただ真っ白なだけじゃない、一つ一つの色が微妙に違う。そして見たものに美しいと、綺麗と思わせるそんなタッチ。
興味本位で白に触ってみた。ふわふわと言うよりかはシャリシャリ。何より冷たい。ずっと触っていたら凍傷になってしまいそうだ。
軽く握ってみる。なんとも言えない触り心地、グッと握るとカチカチになった。
――また景色が変わった。
「うるさっ。なにあれ」
景色が変わった途端ゴロゴロと大きな音がした。今までの明るい景色はどこへやら、黒に支配されている。上を見るとグレーの綿飴のようなものが埋め尽くしていた。
ピカッと眩く何かが光った。一瞬のことで何が何だか分からなかったが、気が付いたら俺は地面に倒れていた。
――この瞬間俺はすべてを思い出した。俺がいったい何を忘れていたのか……
「景色に魚という単語、それ以外にもあったのかも知れない……」
題 風景そして景色
「ここは、どこだ?」
目覚めると同時俺は記憶がなかった。単なる記憶消失、でもなさそうだ。名前も言えれば家族の名前だって、彼女がいることさえ思いだせる。
――青い。下を見てそう思う。いや、むしろ濃い青だ。落ちることはないし、浮くこともない。ただ青の上に立っている。
「無重力? でも地面あるもんな」
つま先でカツカツと青を叩く。
突然辺りの色が変わった。水色だった景色が真っ白に。下はさっきと変わらず濃い青のまま。訳が分からず頭を捻る。そんなことをしたところでここがどこなのかは分からないままだが。
青を覗いてみた。何かがいる。お椀のような頭、身体はほっそりとしていてお尻はハートマークのようなっている。こんな生き物がたくさん青の中であっちへ行ったりこっちへ行ったり世話しなく動いている。
――また景色が変わった。
白い。一面真っ白だ。しかしところどころ色の強弱が違う。これはいわゆる
「白は二百色あんねん、か」
つい最近テレビで見たものだが、そのときは「本当に二百色もあるのか?」とも思ったが今の景色を見たらそんなことは言えない。ただ真っ白なだけじゃない、一つ一つの色が微妙に違う。そして見たものに美しいと、綺麗と思わせるそんなタッチ。
興味本位で白に触ってみた。ふわふわと言うよりかはシャリシャリ。何より冷たい。ずっと触っていたら凍傷になってしまいそうだ。
軽く握ってみる。なんとも言えない触り心地、グッと握るとカチカチになった。
――また景色が変わった。
「うるさっ。なにあれ」
景色が変わった途端ゴロゴロと大きな音がした。今までの明るい景色はどこへやら、黒に支配されている。上を見るとグレーの綿飴のようなものが埋め尽くしていた。
ピカッと眩く何かが光った。一瞬のことで何が何だか分からなかったが、気が付いたら俺は地面に倒れていた。
――この瞬間俺はすべてを思い出した。俺がいったい何を忘れていたのか……
「景色に魚という単語、それ以外にもあったのかも知れない……」
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