24 / 39
『白は痛い』
しおりを挟む
ゲーム 命令 景色
題 白は痛い
「――さあ、ゲームを始めよう」
その声は突如として白の空間に響き渡った。
その場には次々に人が送り込まれ皆混乱している様子だった。
俺はこの場にいる人たちに声掛けするように言い放った。
「お前はなんだ! ゲームってなんなんだ!」
俺の声は良く通り、一瞬にして場が静まりかえった。その数秒後喧噪が始まった。
「そうだよ! ここはどこなんだ!」「ここから出してくれ!」「お母さん……」
俺は地面に胡座をかいて座った。
ここは通称『白の空間』その名の通り見渡す限り白の部屋。
なぜ俺がこんなにも詳しいかって……。俺がこの空間の主催者だからだよ!
『おまいらは知ってるか? 白いものを見続けると眩しすぎて目が痛くなるってよ……どうだ? この空間、さいこうだろ』
突然モニター越しにしゃべり出した主催者はそう言った。
『とりあえずおまいらには……失明してもらう』
我ながら話の内容が全く分からん。だがこれでいいだろう、多少は嘆くだろうな。
こんな景色を見せられ、更には失明させられるというな。
「失明だと?!」「しつめいってなに?」「仕事が……」
『――点灯』
その言葉とともに『白の空間』に光が差し込んでいく。天井、壁、床。
「うわっ……え?」
一斉に放たれたライトは、あまりの電圧に一秒も持たずにブレーカーが落ちた。
今度は闇が訪れた。なにも見えない、それどころか自分の手すら見えない。
だが音は聞こえる。
カタ、カタ。
誰かがこの暗闇の中歩いているのか? とも思ったが、さすがに来たばかりのこの空間で照明なしで歩くなどほぼ不可能に近いだろう。
改めて俺のあほさに驚いた。
――明かりが戻った。
俺が真っ先に見たのは壁でも天井でも、ゲームの参加者達ではない。俺の、身体だ。なんてことない、首から上のない俺の身体が胡座をかいて座っているだけだ。
地面に落ちると同時に俺の意識は彼方へ消滅した。
題 白は痛い
「――さあ、ゲームを始めよう」
その声は突如として白の空間に響き渡った。
その場には次々に人が送り込まれ皆混乱している様子だった。
俺はこの場にいる人たちに声掛けするように言い放った。
「お前はなんだ! ゲームってなんなんだ!」
俺の声は良く通り、一瞬にして場が静まりかえった。その数秒後喧噪が始まった。
「そうだよ! ここはどこなんだ!」「ここから出してくれ!」「お母さん……」
俺は地面に胡座をかいて座った。
ここは通称『白の空間』その名の通り見渡す限り白の部屋。
なぜ俺がこんなにも詳しいかって……。俺がこの空間の主催者だからだよ!
『おまいらは知ってるか? 白いものを見続けると眩しすぎて目が痛くなるってよ……どうだ? この空間、さいこうだろ』
突然モニター越しにしゃべり出した主催者はそう言った。
『とりあえずおまいらには……失明してもらう』
我ながら話の内容が全く分からん。だがこれでいいだろう、多少は嘆くだろうな。
こんな景色を見せられ、更には失明させられるというな。
「失明だと?!」「しつめいってなに?」「仕事が……」
『――点灯』
その言葉とともに『白の空間』に光が差し込んでいく。天井、壁、床。
「うわっ……え?」
一斉に放たれたライトは、あまりの電圧に一秒も持たずにブレーカーが落ちた。
今度は闇が訪れた。なにも見えない、それどころか自分の手すら見えない。
だが音は聞こえる。
カタ、カタ。
誰かがこの暗闇の中歩いているのか? とも思ったが、さすがに来たばかりのこの空間で照明なしで歩くなどほぼ不可能に近いだろう。
改めて俺のあほさに驚いた。
――明かりが戻った。
俺が真っ先に見たのは壁でも天井でも、ゲームの参加者達ではない。俺の、身体だ。なんてことない、首から上のない俺の身体が胡座をかいて座っているだけだ。
地面に落ちると同時に俺の意識は彼方へ消滅した。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【短編】怖い話のけいじばん【体験談】
松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。
スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ジャングルジム【意味が分かると怖い話】
怖狩村
ホラー
僕がまだ幼稚園の年少だった頃、同級生で仲良しだったOくんとよく遊んでいた。
僕の家は比較的に裕福で、Oくんの家は貧しそうで、
よく僕のおもちゃを欲しがることがあった。
そんなある日Oくんと幼稚園のジャングルジムで遊んでいた。
一番上までいくと結構な高さで、景色を眺めながら話をしていると、
ちょうど天気も良く温かかったせいか
僕は少しうとうとしてしまった。
近くで「オキロ・・」という声がしたような、、
その時「ドスン」という音が下からした。
見るとO君が下に落ちていて、
腕を押さえながら泣いていた。
O君は先生に、「あいつが押したから落ちた」と言ったらしい。
幸い普段から真面目だった僕のいうことを信じてもらえたが、
いまだにO君がなぜ落ちたのか
なぜ僕のせいにしたのか、、
まったく分からない。
解説ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
近くで「オキロ」と言われたとあるが、本当は「オチロ」だったのでは?
O君は僕を押そうとしてバランスを崩して落ちたのではないか、、、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる