三題噺(ホラー)

『未来は変えられない』

お題　空　城　流星

題『未来は変えられない』
　ここはある国の最高施設、通称『お城』私はこの国の王女様をしている。この国は他の国よりかは、流通が良く治安も良い。城下町には沢山の商店街や、宿屋があってとても賑わっているわ。
　でも……もう飽きてしまったわ、何度もお父様に城下町に行ってみたいと懇願しているのに「ダメだ」の一点張り……はぁー。
　私は思わずため息を漏らしてしまった。私は唯一城下町を見下ろすことが出来る窓に居るのだけれど、それもここから城下町までは遠くてとても見にくいの。
　そんな私でも城下町を見る以外にもう１つ趣味がある。それは……夜になってからのお楽しみですわ。
　【夜】
　私は『お城』の最上階まで行き、ベランダがある階まで行く。
　そこはこの街にとって１番空に近い場所であり、同時に１番地面から離れた場所なのです。
「今日は星が綺麗ですね」
　誰かに言うのでも無く、ただ独り言のようにぼんやりの呟く。しばらく空の夜景を眺めていると一筋の光が堕ちていくのが見えた。
「あ！　流れ星！」
　私ったら思わず子供のようにはしゃいでしまいましたわ。こんな姿お父様に見られていたらと思うと……
　背中をぞくりと寒気が襲う。
　そんなことも他所よそにまた流れ星が右から左下に向かって堕ちていった。今度のは一瞬だったので見逃してしまった。
　私は次は見逃さないようにとずっと空を眺める――が中々流れ星は見えなかった。そろそろ諦め欠けていた所、他の星とは一際大きく、眩しいくらいに光り輝いている星？があった。私は恐る恐るそれを凝視する。その光は次第に大きくなり、気付いた頃には赤い光を発した巨大な岩がこちらに向かってきていた。私は――困惑した。次に城下町を見た。街には明かりが灯っており大勢の人が外に出て、空から降ってくる巨大な岩を見ている。
「王女様！　急いで避難の準備を！」
　いきなり『お城』の警備をしている兵士が息を切らしながらやって来て、私に避難しろと声を掛けた。私はそれでもなおまだ混乱していた。
　なぜこんなにも混乱しているのかというとですね……私には未来を予知する能力があるのですわ。昨日未来(今日)を予知したところ、隕石が降ってくるとは出なかったのですわ。その代わり……
　その直後、いえそれより少し先だった。空から無数の隕石、もとい流星が『お城』にめがけて降りかかってくる。
　そう。これですわ、私の予知が示した物は。さて、ここからは確か……
　私は予知が示した、この後の展開を思い出そうとしたが途中で中断された。いえ中断しなければいけなかった。なぜなら……私の予知はここで終焉おわっているのですから――