コーヒーを頼んだだけなのに。

氷室ゆうり

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コーヒーをたのんだだけなのに

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「あ、あの、マスター?」
「お客様、どうなさいました?コーヒーの味にご不満でも?」
「い、いえ、コーヒーは非常においしかったです。同僚から聞いていた通り、たまの休みの日にわざわざ来たかいがありました。」
「それは良かった。でしたら一体…」
「い、いえ、あの、その…」
私は思ったことを素直に口にしました。


「あの…ではどうして私は女の姿になっているのでしょう…」
その言葉に、マスターは少しだけ目を落とし、

「あちらのお客様からです」
奥の方でタバコをふかしているひとりのダンディな人に目を向けました。
わけがわかりませんでした。


私はこれでもそこそこの企業に勤めるサラリーマンで、課長です。少しばかり腰が低いけれど、それでもこのような女の体ではありません。
仕方がないので、その方の隣に行き。
「ええと、あなたが私をこの姿に?元の姿に戻していただきたいのですが…ひゃっ!」
すると、男の方は、私の質問に答えることはなく、そのまま私を持ち上げ、近くにあったソファーに私を座らせたのです。
そして、一言。
「ああ、やっぱり俺の眼に狂いはなかった。あなたはきっと美女になると思ったんだ。いいよな?」
「えっ、よくわかりませんが、ッ!私は男です!そんなめをむけないでくださっ、んー!」
急に体を抱きしめられてキスをされてしまいます。嫌悪感しかないはずなのに、女の体になっているぶん、何やらぞわぞ羽とした、よくわからない気持ちになりました。
「はあっ、や、やめてください…わ、私は…はあっ…む、胸を揉まないで…」
「いい反応だ。そろそろ入れてもいいかな?」
「イ、嫌です、私は男だし…同性愛者では…はあああんっ」
そのあとは、あまりにも激しい時間でした。

「あんっ、ああんっ、だめですっ、あんっ!かってにこえがっ!わたしはっ、おんなじゃないっ、あんっあああん!」

「お、おかしくなってしまいますっ、ふぁあっ、ああっ、あんっ!」
助けを求めるようにマスターの方に目を向けます。
「ああ、どうぞごゆっくり…」
「ちがっ、たすけてっ、ああんっ、とめてぇっ!ふぁってしてっ、ああああああっ!」
空気を呼んだのか退出したマスターのせいで、私は男と二人っきりで徹底的に犯されました。
完全な未知の感覚に耐え切れず、私の体は絶叫をあげていました。窓ガラスに映る自分の姿は信じられないほど完璧な女で、喘ぎ狂う女そのものでした。
そして。
「だめですっ!ふぁああああああっ!なにかっ、だめっ!ああっ、あああああああっ!」



気が付くと、私は元の姿に戻っていました。どうやらこの喫茶店のコーヒーには女体化効果があるそうです。
不思議な店もあるものだなと、私は自分の姿に安心して、喫茶店を後にしました。
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