悪魔の取引

氷室ゆうり

文字の大きさ
上 下
1 / 1

悪魔の取引

しおりを挟む
魔術で悪魔を呼び出して契約をする。
願いと引き換えに魂を奪われる。世にも恐ろしい有名な話である。
だがそれでも。
「よし、できた。」
悪魔召喚のおまじないを恐れもしない愚かな人間は今日この時もマンションの一室にいた。

今回黒魔術の魔法円に呼び出されたのはどうもそこそこ有名な大悪魔だったらしい。

「お前か、私を呼び出したのは。ははっ、構わないぞ。契約は誰であれ実行される。望みをいえ、どんな願いでもかなえてやろう。その代わり、お前の魂は私がいただくがな。」
あくまでも悪魔として、地獄の権力者として、気品を見せつけているかのようだ。
悪魔は威厳のある声で、
「さあ、お前は何を望む?契約に従い、どのような願いであれ、それは叶えられるだろう。」
「じゃあ、あんた、女体化して俺の彼女になってくれ。」
「…は?」

瞬間、魂の契約に従い、悪魔の周りをまばゆい光が包み込んだ。




「…どうしてこうなった。」
栗色の髪にはウエーブがかかり、若干童顔なその顔はどうしようもなく悲しそうだ。
これが元悪魔などと、誰も思わないだろう。
「悪魔の契約は絶対、なんだろ?」
目の前に彼氏が現れると、悪魔はぱあっと顔を明るくする。直後、我に返って恥ずかしそうに顔を隠し、またしても悲しそうな顔に戻る。
「あ、ああ、そうだ。契約を結ぶあくまでさえ、自分の契約には逆らえない。」
「そんでもって、あんたは俺の彼女だ。俺の魂が対価って言ってたけど、俺の心は君のものだ。これで対価は払ったことになるのかな?」
「ば、バカなことを言うな!そんなことで…ひゃあんっ、あん…」
男は軽く胸を撫でただけ。それなのに、悪魔は嬌声をあげてしまう。
悪魔の再現する彼女。それはどこからどう見ても文句のつけようのない。理想の彼女として再現される。
だが、それを契約者本人が味わうことになるとは、悪魔自身も思わなかっただろう。
(ふぁああん…ダメだ…快楽に流されてはっ…あん…わ、私は、魂をコレクションに加えるっ、ああんっ、でも、目の前のこいつが欲しいっ…愛されたい…ちがうっ、これは契約のせいでぇ…っ)
涙ながらに契約支所をにらみつける。
すると、契約書に文字が浮かび始めた。
『魂の対価が支払われました。人間の心はあなたのものになったのです。あなたも契約を履行してください。』
「ひがうっ、おれのけいやくはそういういみじゃあっ、ああんっ、ふぁあっ、やあっ、やめっ、ちがっはああっ…」
あくまでも彼女として契約を履行する悪魔。そして男にとって、彼女とは身も心もささげられ、ささげる存在であった。
つまり、こういうことになる。
「ああんっ、あんっ、ああんっ、や、やめろっ、おれはおとこっ、はああんっやっ、やあっ、さ、触らないで…はあんっ、んっ、んちゅっ、チュッ、ちゅうっ、ぷふぁっ、き、きすなんてっ、なんでっ、男とキスしてこんな気分にぃ///」
彼女だから。
「い、いれてほしいっ、おまえのっ、ちんぽっ・・・ちがうっ、だめだっ、ほしくないっ、おれはあくまだぞっ、そんな汚らわしいものっ…!」
「やめろっ、かおにちかづけるなっ!や、やめろ、頭がくらくらして…ほ、ほしくなってしまうからぁ…やめてくれぇ…」
男は彼女を優しく押し倒した。

「ああんっ、やめっ、そんなにおくまでっ、はあっ、あんっあああっ、ああっ、あんんっ!」
「素直になったらどうだ?もう彼女として、気持ちよくなればいいのに。」
「いやらあっ、そんなことしたら、おれがおれでなくなるっ、はあああんっ、やめてくれぇ」
「大丈夫、身も心も女になれば、幸せになれるから。」
その言葉に嘘はないようで、それを境に彼氏の動きがより洗練されていく。
「ほら、女の子らしく、契約通り彼女として、ね?」
「ふぁあっ、はあっ、そ、それはアッ…」
悪魔にとっても契約は絶対。一言だけ、一言だけなら。
「…きもちいのっ」


だがその言葉を境に、ひび割れたツボから蜜が溢れるがごとく、感情はあふれ出した。
「おねがいっ、やめてよっ、きもちいいのとまんないっ、はああんっ、やあんっ、はげしいっ、はああんっ、やっ、なにこれっ、やああっ!」
「だめえっ、あたしっ、おとこにもどるのっ、でもっ、かのじょとしてっ、きもちいのっ、あんっああっ!むねわしづかみにされてぇっ、ぐりぐりされてるのっ、はひひゃあああっ!」
「ああんっ、わたしっ、もうもうっ!イッチャうっ、やあんっ!なかはだめっ、だしちゃだめえっ!にんしんしたらもどれなくなっちゃうっ、あかちゃんほしくなっちゃうっ、だめっ、これっ、はあっ、あっ、ああっ!」
「イクうううっ!はああああああっ!」


悪魔との契約には気をつけましょう。ただし、それは人間だけに言えたことではなく、悪魔とて同じである。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

女体化同士でエッチしたらそれはTS百合ですか?

氷室ゆうり
恋愛
TS百合というやつには大きく分けて二つの解釈が存在します。前回はその一つを作ってみましたが私はこちらの方が好きです。なかなか面白い作品になりました。人気が出れば後日談を書いてもいいかもしれませんね。 そんなわけで、女体化した男子が二人。エロいことをする話です。 ああ、r18ですよ? それでは!

少年女体化監禁事件

氷室ゆうり
恋愛
めったに書かないダークものも、たまには書いてみようかとした結果がこれです。ショートショートとはいえ、あまり好みじゃないということがよく分かりました。 それはそれとしてこういう作品も自身の成長に必要だと思うので。 r18です。それでは!

男子校、強制共学化

氷室ゆうり
恋愛
今日は子供の日です。すっかり忘れてました。せっかくなどで高校生の集団女体化物をかきたいと思います。意外と使い勝手のいい設定なのでシリーズ化するかもしれません。まあ、短編集だと思って楽しんでいただければと思います。入れ替わりとかと違って男体化要素が皆無です。純粋な女体化物も書いてみると案外楽しいものですね。 というか、tsf作品の受けがいいことにびっくりしてます。今後ともよろしくお願いします。あ、今回もr18です。

TS百合の王道パターン

氷室ゆうり
恋愛
この頃急にはやり始めたTS百合。ツイッターでトレンド入りしたそうですね。そんなわけで急遽作ってみました!ショートショートですがこれぞまさしくTS百合!流行に乗っかってもっともっとtsfの性癖に皆様を誘導していきたいと思っております! そんなわけで、今回もr18です。 それでは!

TSしちゃった!

恋愛
朝起きたら突然銀髪美少女になってしまった高校生、宇佐美一輝。 性転換に悩みながら苦しみどういう選択をしていくのか。

早く正直になればいいのに

氷室ゆうり
恋愛
今回は少々実験的というか、書き方を変えてみました。個人的にはいつもの方が好きです。 それはそれとして、ないようはシンプルな女体化です。ショートショートなのであっさりと眺めるだけで楽しいかもしれません。 R18です。 それでは!

女体化マッサージ店第三支部

氷室ゆうり
恋愛
さてさて、今回もショートショートですが、女体化した人たちだけでマッサージ店をやったらどうなるかなーと考えて、とりあえず書いてみた感じです。 r18です。 それでは!

男子校、強制女体化番外。野球部の先人の場合。

氷室ゆうり
恋愛
私の連載作品である『男子校、強制女体化。』そこそこ人気が取れているのですが、もっともっと知ってほしいということで、宣伝用に書き下ろしました! 女体化好きの方!ぜひ! r18です!興味を持っていただけたらぜひ本編ものぞいてみてください!

処理中です...