ドラゴン変身に必要な物

氷室ゆうり

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ドラゴン変身に必要な物

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まずはじめに言っておくと、今日の僕はちょっぴり不機嫌だった。
もちろん理由がある。それは、知り合いから借りたゲームが原因だ。
「あーもう、納得いかない!」
「どうしたの?」
香蓮さんが不思議そうに話しかけてくる。せっかくなので香蓮さんにもこの苦しみを味わってもらおう。
「このゲーム、知ってる?」
僕が指をさしたのは日本でも有名なとあるゲームソフト。有名な物には案外手を出さない僕だけど今回は気分転換に手を出してみたんだ。
「なんか、魔王を倒すっていう割とオーソドックスなゲームだったんだけど、その中にドラゴンに変身する呪文があったんだよね。でも、でもだよ!?」
そこで僕は息を大きく吸い込み、告げる。

「せっかくドラゴンになるのが女の子だってのに、ためらいとか恥じらいのの表情がないの!言葉もうまく話せなくなることに対する葛藤とか、そういうのがないんだよ!香蓮さんはかわいい声で恥ずかしがってくれるのに!」
「そういうことを大きいことで言わないでよ…」
おっと、騒ぎすぎたかな。失敬失敬。でも、そういうことだ。いまの香蓮さんみたいに恥ずかしそうな反応を見せるのが普通である。恥じらいってのは大事だもん。
お茶を一口飲み、話を続ける。

「でも、本来ならドラゴン化というものは、それくらいのものがあるんだよ?魔法使いの変身呪文の中でははながたの一つなんだから。強いけど、女の子が変身するにはちょっと恥ずかしかったりていこうがあったりするものなの!」
「そ、そうなのかしら…」
香蓮さんならわかると思うんだけど。
「そうだよ、そもそも爬虫類っぽい体だけで抵抗を感じる子も多いし、何よりドラゴンの種類によってはおなかが出たりするし、身体も大きくなれば、体重も当然そんな物じゃない。洞窟とかでは体が挟まって動けなくなるし、服なんて絶対に破ける。」
「…そういわれると、ちょっと、嫌な気がして来たわね。」
「まあ、それ故に好きな人には好きなジャンルなんだけどね。魔法大戦でイヤイヤ変身呪文を唱える女の子の表情ったらもう。そのあと戻れなくなってしばらくそのままイケメン魔法使いに養われた子もいたなあ。体中見られて恥ずかしかったって言ってたし。」
香蓮さんに試すとしても、二人っきりの時にしよう。結構重要な奴だもん。
「それに、苦手なジャンルってのは誰にでもあるからね。例えば、香蓮さんだって虫になるのは…」
「嫌っ!嫌よっ!」
おお、本気の拒絶。まあ、実は僕もあまり得意ジャンルではない。僕は完全変身が基本なので虫化はちょっとやりたくないのだ。
「ごめんごめん、香蓮さんが本気で嫌なのは分かってるから。そこまで僕も残酷なことはしないから…多分。」
「杏理君ッ!」
「やらない、絶対にやらないよ。」
よしよしと頭を撫でてみる。怖がらせるつもりはなかった。
ほんと、人間だれしも苦手なものはあるからね。こればっかりはしょうがない。

「どちらかと言えば、大きい生き物になってほしいからね。僕は。」
「…それはそれとして複雑な気分なんだけど。」
ほら、嫌がり方に差がある。本気で嫌なのか、とりあえず言っている嫌なのかを見極めるのがうまくやっていくコツだ。
「しばらく悠里君は帰ってこないし、いま、ドラゴン化、やってみる?」
「上級者向けなんじゃないの?」
「大丈夫、僕を誰だと思ってるのさ、変身魔法のスペシャリストだよ?」
「君のことじゃないんだけど。」
冗談だ。
「もちろん、あんまりブサイクなドラゴンにしないし、においのきついドラゴンにもしない。人の言葉は…どうしようか?」
「だんだんやりたくなくなってきたんだけど…」
僕の言葉で不安が増してしまったようだが、少しでもやる気があるなら十分だ。







正直、ほかの選択肢もあるよ?象は僕もやったことあるし、鯨はやったことないけど、やってみたい。大蛇とか、絶対香蓮さんかわいいと思う。」
「…だんだんヒト型から離れていくわね。」
ああ、香蓮さんが困惑してる。さすがに鯨や大蛇みたいに手のない動物には抵抗があるのかな?かわいいなあ、香蓮さん。

でも今回は多少強引な気分なのだ。

「ぐあっ、がああっ、ヴぁ、杏理君ッ、もしかしてっ」
突然香蓮さんの表情が変わる。だがわざわざ僕が驚いたりはしない。
「うん、せっかくだからドラゴン化。これはやっても大丈夫な奴だなと思ってやってみたよ。大丈夫、僕の魔法だから痛くはないよ?」
「でもっ、があっ、からだがっ、ふとくっ見ないでっ!」
確かにね。大きめの動物になるときは既存の体が少しだけ大きくなるんだよね。一瞬で変えてもいいけど、過程を大事にしたい。あ、そういえば肥満化はやったことなかったな。今度やってみよう。
「大丈夫、身体が太くなるのは土台作りだから、本番はここからだよ?」
「ああっ、つめがっ、手がアッ、うぐ、ぐうっ、首がっ」
そうそう、ドラゴン化ってのは変化の場所が多いからいちいち反応してる時間がないんだよね。体の色が赤っぽくなって、うろこが全身に生えてくる。
「き、気持ち悪いっ、ああっ!服があっ!」
香蓮さんの体はどんどん大きくなる。服をびりびりと破り捨ててなお、その肉体は膨張を続ける。
「かおがっ、があああっ!」
その端正な顔立ちはいつものように、口元は鋭い牙へ、目は鋭いものへと変わっていった。
「香蓮さん、大丈夫?」
「があああっ、があああっ!」
おっと、もう声帯が変化したか。じゃあ、あとひと段落でおしまいだね。
香蓮さんの下半身からは、頑強な足首と鋭い爪の生えた足先、後ろからは長い尻尾が映えてきた。
「がああっ、ぎゃあああっ!」
「香蓮さん香蓮さん、あと背中から翼が映えたら完成だからね。もうちょっとだよ、頑張って?」
ああ、分かるよ香蓮さん、それでこそドラゴン化だ。きき迫ったような、未知に対するためらいと恥じらいだ。
香蓮さんの表情がすごくいい、背中がむずむずするんだよね?尻尾とはまた違った感覚で、背中に翼が映えるんだよ?
「大丈夫、怖くないよ?でも、そのはずかしそうな表情すきだなあ、よくよく考えれば、服が破けちゃって全裸なんだよね?香蓮さんっ」
「ぎゃあアアッ、がああっ!」
その言葉を最後に、香蓮さんの背中から立派な翼竜の翼が映え、変化は終了した。



「うんうん、赤いドラゴンというのはなんだかんだきれいになるケースが多いけど、我ながらうまく行ったね。」
あんまりごつくはならなかったけど、確かにこれはどこから見てもドラゴンだ。
僕が広い部屋を好むのは、大型の何かに変身させてもちゃんと楽しめるようにだ。正直服も脱がせることはできたんだけど、あのままびりびり服を破いて大きい動物に変身するのがいいんだよね。
ちなみに僕は象への変身が好きだ。あの大きいうえに4つ足で、指も蹄で鼻でいろいろこなすというのが、違和感だらけですごくおいしい。
ああ、そうそう。
「香蓮さん、ドラゴンは特別だからね。テレパシーで会話ができるよ。やってごらん?」
(はあっ、はあっ、こ、こうかしらっ、せ、せっかくのふくが、はあっ、はアッ。)
「ごめんごめん、ちゃんと新しいものを買ってあげるからさ。それよりも、遊ぼっ。」
その言葉を最後に、僕は香蓮さんの背中に飛び乗った。



「うんうん、ほんとに美人さんになったね。いや、元がいいからか。このあたりはどうかな?」
(し、尻尾っ、変な感じするからダメっ、)
「そうなんだー続けるねー」
(こ、こらっ、にぎるなっ!あっ、あっ、あああああっ!)
うろこに覆われたしっぽだけど、触り心地は抜群にいい。
「ぱくっ」
(ひゃあ!な、なにするのよ!や、やめなさいっ、あうっ!)
「え、香蓮さんが期待してる気がしたし、香蓮さんの反応が可愛かったから。」
「ぎゃああっ、ぎゃああああっ」
(そ、そんなことっ、ああっ!)
びくびくと震えるあたり、やっぱり気持ちいいんじゃないか。

「大きな体をイカせるなんてなかなか興奮するよね。」
(…やるなら早くやりなさいよ。)
「…へえ。」
おや、今日はやけに反抗的だ。そういう一方的なのは嫌いだって知ってるはずなのに。
だから僕は、聞かなかったことにした。
「おおっ、香蓮さんのマンコも大きくなって、これはさすがに手を突っ込んだ方がいいかな?」
クチュクチュと腕で掻きまわす。これはさすがに始めてやったけど、腕がすっぽりハマるとは…
「香蓮さん、どう?気持ちいい?」
「がああっ、ぐっ、っぐうううっ!」
(別に…あっ、あああああんっ!)
香蓮さんの反応は分からないけど、あまり乗り気でないのは分かった。
だったらこっちも付き合うまでだ。
「香蓮さん、僕はいくらでも付き合うよ?暇だからね。だから、香蓮さんがちゃんと気持ちいいって思えるまで、僕はやめない。」
(…なんでっ、そんな、あっ、かっこつけたことをっ、ああっ!)
多分、ドラゴンの体は敏感でも、ある意味で特殊すぎて、感じ方が分からないのだ。僕もドラゴンを生かせたことがないので少しコツをつかむのに手間取ってしまった。
「大丈夫、本気でアンアン言うようになるまで、とろとろにしてあげるからね。」
(…杏理君…んあっ!)
さて、コツをつかむのに時間がかかってしまったが、ここから先は本気だ。

「とろっとろだね、今人間に戻したらすごい顔になってると思うよ?」
(わ、わたしは、それでもいいけどっ、アンッ、杏理君ッ、お願いっ!)
「よし来た。」
この体でやるなら、僕がドラゴンになるか、僕の一部だけ巨大化させるという手もあるけど、それはあえてしない。
ドラゴンという巨体になっているという感覚をあえて香蓮さんに味わってもらうためだ。
だから僕は腕さばきで、香蓮さんをイかせることにした。
「ふふっ、どうだっ、ぬちゃぬちゃ音を立ててすごいことになってるぞー」
「ぎゃああっ、ぎゃああああっ!」
(はあっ、そ、そこぉ!び、びんかんになってっ、んなああっ、あんっ!)
ドラゴンとしてのリアルな叫び声と、テレパシーで聞こえてくる心の合わせ技がすごく心地よい。ドラゴンとしてはギャーギャー言っていても、僕にだけはそれが香蓮さんの甘い声だと分かるのだ。
「香蓮さんっ、かわいいっ。」

(そ、そんなっ、ああん、あんっ、あんっ!)
文字通り怪獣のような泣き声をあげながら、香蓮さんの甘い声が頭に響く。ほんと、今からでもドラゴンになって香蓮さんのあそこにつっこみたい。
だが、それは遅すぎたようだ。

「ぎゃあっ、がああっ、がああああっ!ぎゃあああああっ!」
(杏理君ッ、イクっ、いくよおっ!ああああん!)
絶頂をむかえた香蓮さんを、僕は満足したような、消化不良のような表情で迎えた。




「はあっ、はあっ、も、もどったっ、えっ、ああんっ、」
「香蓮さんっ!悪いけど僕も限界っ、いいっ?」
そんな色目かしい美女に戻られたら、もう体が勝手に香蓮さんの胸を鷲づかみにしていた。
「ふふっ、もう、杏理君ってば、いったばかりだから、優しくね?」


第2ラウンド、開始。
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