私の日常-それぞれの-

林原なぎさ

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愛歌から見たお話

プールでの

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大学4年の夏。

私の学生最後の夏休みだ。



「私は今年の夏が最後なの。と、いう訳で海に行こ!」


「…海。」


「イヤ。日焼けしちゃうじゃない。」


私の提案に、いきなり?と戸惑いを隠せない歩と間髪入れず却下する湊音。


うぅ、湊音め。



しかし私の長所はめげない事だ!

湊音が折れるまで説得し続けて、プールならと許可を頂いた。

私の粘り勝ちだ!



「水着なんて、私もうどこにあるか…。」


小さな声で呟く歩に、だったら。


「折角だから水着買いに行こー!」


大きな声で提案する。


3人でショッピングモールの一角にある水着ブースへ。

湊音はどんな水着にしようかひとりで物色中だ。

対して歩はいっぱいある…と困った様子だ。


そんな歩を見兼ねた私は歩の水着を選ぶ。

胸がボリューミーな歩は、胸の強調されるような水着は恥ずかしいらしい。


では、胸元を隠すようなフレア型のビキニにはどうだろうか?と提案する。

バストのサイズを誤魔化してくれるだけでは無く、清潔感溢れるビキニに花柄のショートパンツ。

上下別柄デザインが可愛らしくて歩に似合いそう。

ビキニの色は白で決定だ!


これなら、大丈夫かもと歩も購入してくれた。


湊音は鮮やかなグリーンの胸のサイドに編み込みがされている一工夫施されたタンキニ水着だ。

湊音はスタイル抜群なので、本当に何でも似合うのだ。

このタンキニだって似合うに決まっている。


そして私はハイネックのセパレート型でシンプルなモノトーン柄だ。


購入した事で気分も上がる。



いざ当日!

なんと西園寺先輩に宮園先輩。

そしてそして、大好きな神城先輩もいる!


あぁ。今日はなんて幸せな日なんだろうか。



歩の話を聞く限り、西園寺先輩は歩のことが心配なので一緒について来たようだ。


歩はごめん、と申し訳なさそうだ。



「成る程。それで一緒について来たって訳ね。…そのパーカーの意味もね。」


経緯を聞いた湊音は納得し、冷めた目で女性に群がられている先輩を見ている。


「神城先輩の水着姿も好きなだけ拝めるし、いいじゃーん。」


対して私はノリノリだ。


話を聞いて私も納得する。

歩の折角の可愛い水着姿が大きめのパーカーで隠されている理由わけもわかった。



そして西園寺先輩が歩にべったりなのだ。


セフレだと聞いていた湊音も驚いているが、私は多分もっと驚いた。

だって、どんな女性に言い寄られても、彼女という存在が出来ても、西園寺先輩はいつも険しい表情を崩さない。

べたべた張り付かれる事自体大嫌い。

例え彼女と呼ばれるひとだろうと、いつも仏頂面で決して他人に笑顔を見せたりしない人、それが西園寺先輩の印象。


だったのに…。


私の目の前にいる西園寺先輩は驚く程、穏やかな笑みを浮かべ、歩にべったべただ。


こんな光景を初めて目にした。


西園寺先輩が、笑っている。

西園寺先輩が女の子に優しい。


間違いなく誰がどう見ても西園寺先輩は歩に惚れている事がわかる。


「歩の勘違いね。」


正反対の私と湊音だが、この時ばかりは同意見のようで、びっくりするくらい綺麗にハモった。





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