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第90話 アルラウネからの贈り物?
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いつもお読みいただきありがとうございます。
次の投稿は本日12:00です。
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僕はサフィードと話している父様の所へ行った。
「父様、彼らは我々に莫大な利益になりそうなものを持参していましたよ」
「どういうことだ」
「これから作りますから」と言って調理をしている騎士たちの所へ行く。
簡単にできる2種類を用意した。串肉にカレー粉をかけたものとスープカレーだ。
「味見しているので大丈夫です」と言って父様とジェラ兄様に渡す。
串肉とスープを一口ずつ食べた後、ジェラ兄様が
「最初は色がどうかと思ったけれど食欲をそそるいい匂いだし、めちゃくちゃ美味しい。食べたことない味だ」と言ってあとは食べる方に集中している。
「この調味料の素になるものを彼らが栽培できるということか」
「そうです。この調味料は色々な種類の香辛料を配合したものです。ほとんどはとても暖かい地方でしか栽培できないはずです。しかし彼らの数人は場所がどこででも育てられるそうです。あと持参している穀物も調理法を伝えれば一気に拡大する可能性があります。開拓村は保護しないと大変なことになると思います」
「もしかして植物神の加護が・・・・」
「たぶん、早く教会で確認した方がいいです」
植物神の加護があるなら、トンミとウガの栽培も任せられることになる。
このカレー粉と米だけでなく、涼しい生地と暖かい生地(こっちはまだできていないけれど)の拡大が見込めることになる。
父様も事の重大性がわかったようだ。
「あの、この穀物は家畜の餌なのですが、そんなに価値があるのでしょうか」とサフィードさん。
「それは食べ方を知らないからだ。今は数がないから今年この穀物がたくさん取れたら調理法を教えるよ」
父様とサフィードたちとの話し合いで、彼らも僕たちと一緒にここを立つことになった。
数日、領都で必要なものを仕入れてから、新しい土地へ行く。農作業や家を建てるのなら早く始めた方がいいと言ったそうだ。
翌日、アルラウネにスケルトンフラワーの魔石を渡し、次は2か月後に来ると話す。
「今回もありがとう、助かったわ。それで報酬なのだけれど」
「アルラウネに羽の粉をたくさんもらっているから大丈夫だよ」
「でも、とりあず見て頂戴」と言ってアルラウネは口に手を当てて口笛を吹く。
ピュー、ピューという鳴き声がして空を見ると鳥が降りてきて世界樹にとまる。
後ろにいたマイヤーに何の鳥?と聞くとグラースホークですとの返事。
「グラースホークだって」大きな声を出してしまった。
「そうよ、気に入ってくれた」とアルラウネが僕の周りを飛び回る。
僕の声につられて、父様、ジェラ兄様、カイル隊長が集まってくる。
「ハルト、どうしたのだ今度は」と父様。
「アルラウネが、グラースホークをくれるって言うのです」
「はぁ?」「えっ?」「・・・」
「父上、グラースホークですよ。ハルトからの誕生日プレゼント」
そう、父様と母様にも強請られた飾りナイフ。父様の誕生日に氷属性のグラースホークにしたんだ。母様は今月だ。
グラースホークは「氷の鷹」だ。口や羽から氷魔法で攻撃してくるAランク魔獣だ。
毛並みは白銀で目はブルーサファイアだ。
「アルラウネ、グラースホークの気持ちもあるから勝手にくれると言うのはおかしくない」と僕が言うと
「グラースホークたちに声をかけて彼らはあなた達の行動を見ていたのよ。その中で、あの子があなた達と一緒に暮らしてもいいと言ってくれたの」
「父様、グラースホークに声をかけて魔力をあげてみてください」
「あぁ」少し上ずった声だった。
父様は世界樹の枝にとまっているグラースホークに向かって
「この腕にとまってくれるかな」と左腕を前に出すとグラースホークが父様に向かって飛んできて左腕にとまる。
やっぱり、この子も賢いな。僕たちの言葉を理解しているよ。
しかし近くで見ると大きいな。今までは雛や子供だったから成獣は初めてだよ。
「まずは私の魔力を受け取ってみてくれ」と右腕をグラースホークの頭に持っていき頭から背中にかけて撫でている。
グラースホークに魔力を渡しているようだ。グラースホークは目を閉じて気持ちよさそうにしている。
「アルラウネが私たちと一緒に暮らしてもいいと言っていたが無理強いはしたくない。嫌だったら家族の元に帰りなさい。本当に我々と一緒に暮らしていいならついておいで」と言ってグラースホークを空へ返す。
父様は「さぁ、帰ろう」と僕たちに言った。
グラースホークは僕たちについてきた。父上は時々空を見上げては嬉しそうにしている。
「父上、嬉しそうだな。しかしアルラウネはどうしてグラースホークに声をかけたのだろうか」
「僕も聞きそびれてしまったので、次回行ったときに聞こうと思っていました」
「ハルト、これからも飾りナイフは魔獣と契約後に作成で押し通すぞ」
「わかっています。それより母様が何か言い出さないか心配です」
「あぁ、そっちもあったか。拗ねるだろうな、たぶん・・・」
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僕はサフィードと話している父様の所へ行った。
「父様、彼らは我々に莫大な利益になりそうなものを持参していましたよ」
「どういうことだ」
「これから作りますから」と言って調理をしている騎士たちの所へ行く。
簡単にできる2種類を用意した。串肉にカレー粉をかけたものとスープカレーだ。
「味見しているので大丈夫です」と言って父様とジェラ兄様に渡す。
串肉とスープを一口ずつ食べた後、ジェラ兄様が
「最初は色がどうかと思ったけれど食欲をそそるいい匂いだし、めちゃくちゃ美味しい。食べたことない味だ」と言ってあとは食べる方に集中している。
「この調味料の素になるものを彼らが栽培できるということか」
「そうです。この調味料は色々な種類の香辛料を配合したものです。ほとんどはとても暖かい地方でしか栽培できないはずです。しかし彼らの数人は場所がどこででも育てられるそうです。あと持参している穀物も調理法を伝えれば一気に拡大する可能性があります。開拓村は保護しないと大変なことになると思います」
「もしかして植物神の加護が・・・・」
「たぶん、早く教会で確認した方がいいです」
植物神の加護があるなら、トンミとウガの栽培も任せられることになる。
このカレー粉と米だけでなく、涼しい生地と暖かい生地(こっちはまだできていないけれど)の拡大が見込めることになる。
父様も事の重大性がわかったようだ。
「あの、この穀物は家畜の餌なのですが、そんなに価値があるのでしょうか」とサフィードさん。
「それは食べ方を知らないからだ。今は数がないから今年この穀物がたくさん取れたら調理法を教えるよ」
父様とサフィードたちとの話し合いで、彼らも僕たちと一緒にここを立つことになった。
数日、領都で必要なものを仕入れてから、新しい土地へ行く。農作業や家を建てるのなら早く始めた方がいいと言ったそうだ。
翌日、アルラウネにスケルトンフラワーの魔石を渡し、次は2か月後に来ると話す。
「今回もありがとう、助かったわ。それで報酬なのだけれど」
「アルラウネに羽の粉をたくさんもらっているから大丈夫だよ」
「でも、とりあず見て頂戴」と言ってアルラウネは口に手を当てて口笛を吹く。
ピュー、ピューという鳴き声がして空を見ると鳥が降りてきて世界樹にとまる。
後ろにいたマイヤーに何の鳥?と聞くとグラースホークですとの返事。
「グラースホークだって」大きな声を出してしまった。
「そうよ、気に入ってくれた」とアルラウネが僕の周りを飛び回る。
僕の声につられて、父様、ジェラ兄様、カイル隊長が集まってくる。
「ハルト、どうしたのだ今度は」と父様。
「アルラウネが、グラースホークをくれるって言うのです」
「はぁ?」「えっ?」「・・・」
「父上、グラースホークですよ。ハルトからの誕生日プレゼント」
そう、父様と母様にも強請られた飾りナイフ。父様の誕生日に氷属性のグラースホークにしたんだ。母様は今月だ。
グラースホークは「氷の鷹」だ。口や羽から氷魔法で攻撃してくるAランク魔獣だ。
毛並みは白銀で目はブルーサファイアだ。
「アルラウネ、グラースホークの気持ちもあるから勝手にくれると言うのはおかしくない」と僕が言うと
「グラースホークたちに声をかけて彼らはあなた達の行動を見ていたのよ。その中で、あの子があなた達と一緒に暮らしてもいいと言ってくれたの」
「父様、グラースホークに声をかけて魔力をあげてみてください」
「あぁ」少し上ずった声だった。
父様は世界樹の枝にとまっているグラースホークに向かって
「この腕にとまってくれるかな」と左腕を前に出すとグラースホークが父様に向かって飛んできて左腕にとまる。
やっぱり、この子も賢いな。僕たちの言葉を理解しているよ。
しかし近くで見ると大きいな。今までは雛や子供だったから成獣は初めてだよ。
「まずは私の魔力を受け取ってみてくれ」と右腕をグラースホークの頭に持っていき頭から背中にかけて撫でている。
グラースホークに魔力を渡しているようだ。グラースホークは目を閉じて気持ちよさそうにしている。
「アルラウネが私たちと一緒に暮らしてもいいと言っていたが無理強いはしたくない。嫌だったら家族の元に帰りなさい。本当に我々と一緒に暮らしていいならついておいで」と言ってグラースホークを空へ返す。
父様は「さぁ、帰ろう」と僕たちに言った。
グラースホークは僕たちについてきた。父上は時々空を見上げては嬉しそうにしている。
「父上、嬉しそうだな。しかしアルラウネはどうしてグラースホークに声をかけたのだろうか」
「僕も聞きそびれてしまったので、次回行ったときに聞こうと思っていました」
「ハルト、これからも飾りナイフは魔獣と契約後に作成で押し通すぞ」
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