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第88話 候補地へ(後編)
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いつもお読みいただきありがとうございます。
次の投稿は本日12:00です。
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翌日、シナーナ村を立ち候補地へ行く。
ここも草ばかりで奥に樹海が見える。今日も三人は別れて行動するようだ。
僕とアトレとジェラ兄様とリプカはラウールについて樹海に入る。
僕たちに同行する騎士はダンジョンでも一緒のマイヤー、ウィルソン、ハミルトン、カムエラの4人の騎士だ。
こっちはほとんど手付かずで何がいるかわからないそうだ。
まぁ、毎回砦から広場まで一角ラビットやココットに遭遇しているからこっちまで手が回らないのはわかる。
樹海に入って遭遇した魔獣はグーシュと呼ばれる羊に似たFランクの魔獣だった。
羊毛は見た目と違って硬く渦巻の角がある。肉はラム肉に近く、渦巻の角は矢じりに使えるが羊毛は使い道がない。あと体当たりされると吹っ飛ぶぐらい力が強い。
ラウールが素手でグーシュの顔を殴り飛ばし、地面に横たわったグーシュを刃こぼれがあちこちある剣でスパッと首を刎ねた。
ラウールは獣人の貴族令嬢から貰ったマジックバックを持参している。自分たちの食料集めも兼ねているので優先的にラウールが討伐する。僕たちは彼の戦い方が見られるしね。
奥へと進むがグーシュかブラックウルフばかりだ。
Eランクのブラックウルフは、毛並みは漆黒でシルバーウルフほどではないが毛皮は人気。だがお肉は食べられない。ドックフードみたいに加工して家畜の餌になる。
鬱蒼とした樹海でまだかすかに太陽の光が入っている昼間にブラックウルフと遭遇するのはいいが、暗くなってからだと目だけが光って不気味だから遭遇したくない。
ブラックウルフの毛皮と肉がお金になると聞くと、ラウールは丁寧に討伐をしだした。
首を剣で刎ねるのではなく、素手で首の骨を折る。毛皮に血が付くのを防ぐためか、すごい力だ。
そろそろ引き返そうと話していたらオーク3体と遭遇した。
ラウールとジェラ兄様とハミルトンの3人が剣で倒した。ラウールがいるから魔法はできるだけ使わない。だから僕は見学だった。
ここで野宿をして明日シナーナ村に立ち寄り一泊する。馬を休ませるためだ。
シナーナ村に着くと、カナルと黄金の翼が来ていた。
はじめてカナルの父親ナット・ボガーツさんに会い挨拶する。
「息子がいつもお世話になっております。身分が違うにもかかわらずカナルと親しくしていただいていること、またシナーナ村を助けていただいたこと本当にありがとうございます」と頭を下げてきた。
「僕も同年代と接するのはカナルが初めてだから楽しいです」
カナルに聞くと1か月に一度のシナーナ村へ調味料とか頼まれたものを届けに来たところだと言う。
「ナットさん、調味料とか余っているものありますか。あとブラックウルフの毛皮とか買取りしています?」
「多めに持ってきているのでありますよ。毛皮は買取できますが、我々がいただく仲介料がない分、直接冒険者ギルドに持ち込むほうがいいのではないですか」
僕はサフィードとラウールを呼んで、ナットさんを紹介する。
ナットさんやカナルも驚いたが、ナットさんは商人だけあって普通に自己紹介していた。
「ナットさんは商人でシナーナ村へ月1来ている。調味料とか在庫があるそうだ。冒険者ギルドに直接卸すほうが金額は多くなるけれど、ここでブラックウルフを買取してもらって、その資金で欲しいものを買ったらどうかな」と僕が提案すると商品を見に行くと言ってナットさんと行った。
「リーンハルト、彼らは?」とカナルが聞くので、獣人でこの領地に住むか検討している最中と話した。
翌日、シナーナ村を出発したが、サフィードたちはナットさんたちと領都まで一緒に戻ることになった。
サフィードたちが、もし自分たちがシナーナ村の近くに住んだらナットさんに毎月調味料など品物を売ってもらえるのかと聞いたらしい。売ることはできるが新しい村に行くことは護衛の件もあって難しいと話したそうだ。
そうしたら自分たちが護衛を引き受けたら来てくれるかと言われたので、ナットさんが、ならば領都からシナーナ村経由で新しい村までの往復の警護をしてくれないか、ただし護衛料は多く出せないことを伝えたそうだ。
今は黄金の翼が毎月護衛をしてくれているが、本来Bランクの冒険者グループに払う金額よりも格安で引き受けてくれているらしく、いい加減護衛をしてもらうのはやめないといけないと思っていたそうだ。
Aランクを目指している黄金の翼には毎月の護衛は今後負担になるはずだとも。
そこで僕は、獣人の人たちが慣れるまでナットさんが同伴して冒険者ギルドに行ったり、買い物に付き合ったりしたらどうかと。
買い物が難しければ、ナットさんが仕入をして冒険者ギルドで換金した資金で買うのはどうかと話した。
サフィードたちが、護衛できるかナットさんたちに同行したいと言う。またシナーナ村から藁半紙の納入があるらしく屋敷までナットさんと一緒に来ることになった。
サフィードたちは領都に入る際の身分証明がないため、領都の入り口で騎士が待機することになった。僕たちが帰るのが早いから警備隊には父様から話しておくそうだ。
「父様、なんでシナーナ村の隣を薦めたのですか」
「獣人たちの戦闘能力が高いことを考えると、樹海に近い土地が彼らにはいいと思ったからだ。シナーナ村は偶然だ。我々人間との共存か、付き合いは最低限か、どちらの土地にするのか選ぶのは彼らだ」
サフィードたちも無事に戻ってきたと報告があった。
明日は騎士が同行して冒険者ギルドに行って冒険者登録と魔獣の買取をしてもらい、明後日世界樹の所へ行く。
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翌日、シナーナ村を立ち候補地へ行く。
ここも草ばかりで奥に樹海が見える。今日も三人は別れて行動するようだ。
僕とアトレとジェラ兄様とリプカはラウールについて樹海に入る。
僕たちに同行する騎士はダンジョンでも一緒のマイヤー、ウィルソン、ハミルトン、カムエラの4人の騎士だ。
こっちはほとんど手付かずで何がいるかわからないそうだ。
まぁ、毎回砦から広場まで一角ラビットやココットに遭遇しているからこっちまで手が回らないのはわかる。
樹海に入って遭遇した魔獣はグーシュと呼ばれる羊に似たFランクの魔獣だった。
羊毛は見た目と違って硬く渦巻の角がある。肉はラム肉に近く、渦巻の角は矢じりに使えるが羊毛は使い道がない。あと体当たりされると吹っ飛ぶぐらい力が強い。
ラウールが素手でグーシュの顔を殴り飛ばし、地面に横たわったグーシュを刃こぼれがあちこちある剣でスパッと首を刎ねた。
ラウールは獣人の貴族令嬢から貰ったマジックバックを持参している。自分たちの食料集めも兼ねているので優先的にラウールが討伐する。僕たちは彼の戦い方が見られるしね。
奥へと進むがグーシュかブラックウルフばかりだ。
Eランクのブラックウルフは、毛並みは漆黒でシルバーウルフほどではないが毛皮は人気。だがお肉は食べられない。ドックフードみたいに加工して家畜の餌になる。
鬱蒼とした樹海でまだかすかに太陽の光が入っている昼間にブラックウルフと遭遇するのはいいが、暗くなってからだと目だけが光って不気味だから遭遇したくない。
ブラックウルフの毛皮と肉がお金になると聞くと、ラウールは丁寧に討伐をしだした。
首を剣で刎ねるのではなく、素手で首の骨を折る。毛皮に血が付くのを防ぐためか、すごい力だ。
そろそろ引き返そうと話していたらオーク3体と遭遇した。
ラウールとジェラ兄様とハミルトンの3人が剣で倒した。ラウールがいるから魔法はできるだけ使わない。だから僕は見学だった。
ここで野宿をして明日シナーナ村に立ち寄り一泊する。馬を休ませるためだ。
シナーナ村に着くと、カナルと黄金の翼が来ていた。
はじめてカナルの父親ナット・ボガーツさんに会い挨拶する。
「息子がいつもお世話になっております。身分が違うにもかかわらずカナルと親しくしていただいていること、またシナーナ村を助けていただいたこと本当にありがとうございます」と頭を下げてきた。
「僕も同年代と接するのはカナルが初めてだから楽しいです」
カナルに聞くと1か月に一度のシナーナ村へ調味料とか頼まれたものを届けに来たところだと言う。
「ナットさん、調味料とか余っているものありますか。あとブラックウルフの毛皮とか買取りしています?」
「多めに持ってきているのでありますよ。毛皮は買取できますが、我々がいただく仲介料がない分、直接冒険者ギルドに持ち込むほうがいいのではないですか」
僕はサフィードとラウールを呼んで、ナットさんを紹介する。
ナットさんやカナルも驚いたが、ナットさんは商人だけあって普通に自己紹介していた。
「ナットさんは商人でシナーナ村へ月1来ている。調味料とか在庫があるそうだ。冒険者ギルドに直接卸すほうが金額は多くなるけれど、ここでブラックウルフを買取してもらって、その資金で欲しいものを買ったらどうかな」と僕が提案すると商品を見に行くと言ってナットさんと行った。
「リーンハルト、彼らは?」とカナルが聞くので、獣人でこの領地に住むか検討している最中と話した。
翌日、シナーナ村を出発したが、サフィードたちはナットさんたちと領都まで一緒に戻ることになった。
サフィードたちが、もし自分たちがシナーナ村の近くに住んだらナットさんに毎月調味料など品物を売ってもらえるのかと聞いたらしい。売ることはできるが新しい村に行くことは護衛の件もあって難しいと話したそうだ。
そうしたら自分たちが護衛を引き受けたら来てくれるかと言われたので、ナットさんが、ならば領都からシナーナ村経由で新しい村までの往復の警護をしてくれないか、ただし護衛料は多く出せないことを伝えたそうだ。
今は黄金の翼が毎月護衛をしてくれているが、本来Bランクの冒険者グループに払う金額よりも格安で引き受けてくれているらしく、いい加減護衛をしてもらうのはやめないといけないと思っていたそうだ。
Aランクを目指している黄金の翼には毎月の護衛は今後負担になるはずだとも。
そこで僕は、獣人の人たちが慣れるまでナットさんが同伴して冒険者ギルドに行ったり、買い物に付き合ったりしたらどうかと。
買い物が難しければ、ナットさんが仕入をして冒険者ギルドで換金した資金で買うのはどうかと話した。
サフィードたちが、護衛できるかナットさんたちに同行したいと言う。またシナーナ村から藁半紙の納入があるらしく屋敷までナットさんと一緒に来ることになった。
サフィードたちは領都に入る際の身分証明がないため、領都の入り口で騎士が待機することになった。僕たちが帰るのが早いから警備隊には父様から話しておくそうだ。
「父様、なんでシナーナ村の隣を薦めたのですか」
「獣人たちの戦闘能力が高いことを考えると、樹海に近い土地が彼らにはいいと思ったからだ。シナーナ村は偶然だ。我々人間との共存か、付き合いは最低限か、どちらの土地にするのか選ぶのは彼らだ」
サフィードたちも無事に戻ってきたと報告があった。
明日は騎士が同行して冒険者ギルドに行って冒険者登録と魔獣の買取をしてもらい、明後日世界樹の所へ行く。
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