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第84話 プレゼント

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「ハルト様、起きてください」とジョルジュが乱暴に僕を起こす。
「ジョルジュ、いつもの時間より早いよ。ひどい」
「そんなことより大変なんです。庭にフィアンマがいます。何とかしてください」
「はぁー、なんで?」
すっかり目が覚めた僕は急いで着替えて庭に行く。
すでに家族は揃っていて庭の木にとまっているフィアンマを見ている
リプカの親?


「ハルト、アトレにフィアンマと会話してくれるように言ってくれるか」と父様
「ハルト、リプカの感じから、たぶんリプカの親だ」とジェラ兄様。
「わかりました」

アトレに木にいるフィアンマと話してほしいとお願いする。
アトレが聞いたところによると、世界樹に早く会いに行ってほしいということだった。
世界樹に何か異変があったのだろうか。
これ以上は教えてくれない。

父様と相談して急遽明日、樹海に行くことになった。ホントはもう少し暖かくなってから今月の末か来月初めに行く予定だった。1か月程早いが仕方ない。
フィアンマに明日樹海に行くことをアトレから伝えてもらったら、いつもの広場で待っているとのこと。
あと、ふかふかの寝床ありがとうとお礼を言って去って行った。

やばい、リプカとビアンカの家族へのプレゼント取りに行ってないと僕が言うと
母様が「もう我が家に持ってきてくれているわよ。あなたが取りに行くって言っていたけれど来ないから持ってきましたと言われてしまったわ。あとで取りに来なさい」
樹海に行くのはまだ後だと思っていたし、トンミとウガの栽培に気を取られて忘れていました。


今樹海です。いつものようにココットの生け捕りをしながら広場に向かいます。
広場で折り返す部隊は1時間早く樹海に入っているのにココットと一角ラビットは次々現れます。
今回から僕はココットの雄の討伐だけ参加できます。雌の生け捕りと一角ラビットはもっと魔法の威力調整が上手くなってからと言われました。

雌のココットと一角ラビットは商品だから傷をつけるわけにはいかない。
一角ラビットは今の時期白い毛並みなので高価買取時期だから仕方ないです。白い毛並みは冬の時期だけ。そろそろ終わりです。春以降は茶色の毛並みに変わるのでその時は討伐に参加できるかな。
ココットの雄の討伐はダンジョンのトゥルフやスクアに比べれば楽勝です。

広場で折り返す部隊に生け捕りしたココットや一角ラビットなどを引き渡した後、広場で休憩しているとフィアンマとベンダバールが広場の端にいました。
相変わらず気配がしない。


僕はさっそく約束したネームプレートを取り出した。
ネームプレートと言うよりはチャームのチョーカータイプを用意した。
彼らには名前がないし、僕の家所属でもないから我が家の家紋とか必要ないのでシンプルにした。ただ付与で防御と拡大・縮小はつけてもらった。

フィアンマの台座はプラチナで赤いトルマリンで花を描いたもの2つ。ベンダバールには台座がゴールドで白っぽいオパールでクローバーを描いたもの4つ用意した。

毛並みに似たような色ではない色にしようかとも考えたが、樹海で暮らす彼らにはよくないような気がしたからだ。ただ、キラキラしたものとのリクエストもあったのでクリス兄様とジェラ兄様と相談して決めた。

もちろん2人には資金のスポンサーにもなってもらった。ビアンカやリプカの家族にあげるものだし商会の個人資産もあるから3人で出し合った。
僕はいまだに資産内容を教えてもらっていないというか教えてくれない。
母様は足りなければ貸しにして毎月回収するから大丈夫よといって誤魔化すから諦めた。


アトレと一緒に彼らに近づき世界樹への同行いつもありがとうと前回約束したものだけれど気に入ってくれるかなとネックレスを見せた。
アトレに確認してもらったら、どちらも気に入ってくれたようだ。
首にかけるから近寄っていいか聞いてもらい、了解が出たのでそれぞれの首にかけた。
ベンダバールはしっぽがすごく揺れているし、フィアンマも見せびらかすように胸を張っている感じがするからどちらも本当に喜んでくれているように思う。


寒いのを除けば順調に世界樹の所まできたようだ。
世界樹を見ると青々とした葉が生い茂っている。この季節で葉っぱが青々としているなんて・・・・。
世界樹に何も起こっていない、むしろ元気になっているようなのになぜ?

「リーンハルト、待っていたのよ。とにかく間に合ってよかったわ。これから起こることに驚かないでね」とアルラウネが言うのと同時に世界樹の周辺がゆらゆらと揺れはじめ真っ白になる。そして徐々に真っ白から透明になると人と同じぐらいの大きさで傷だらけの色んな種類の犬と猫と狼がたくさんいた。
どういうことだ、これ?

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