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第69話 回復魔法とは

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いつもお読みいただきありがとうございます。

次の投稿は本日11:10です。今日はちょっと変則します。

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6階のボス部屋が終わり、早めだが今日の討伐は終了になった。
僕たちは2泊3日の日程だが、明日7階層の討伐はせずにこのまま帰ることにした。カイル隊長たちもたぶん早めに切り上げてくるだろうという話なので。

ただ、転移部屋は1階、10階、15階、18階、21階、24階にしかないので、階段を上って1階層まで戻り10階層の出口前に転移するそうだ。
だから今日は昨日と同じ3階層と4階層の間の広場に泊まり、明日1階層まで戻るらしい。

カナルたちも2泊3日の予定らしく、7階層には進まず僕たちと行動を共にすることになった。
セーラムさん曰く、3、4階層までを予想していたらしく6階層までは上出来すぎらしい。
あと10階層まで階段で降りた方が早いけれど、攻略をしていない階層にはすすめない。つまり、僕とカナルが10階層まで攻略が済んでいないからいけない。
いろいろ勉強になるな。


広場についた。早いからか昨日よりもテントの数が少ない。僕たちは昨日と同じ奥まったところにテントを張った。
セーラムさんが、僕とカナルにテントが少ないからと油断しないようにテントから離れるなら大人と一緒に行動するように言われた。


僕は夕食には少し早いのでリンカさんに回復魔法について聞くことにした。
回復魔法でなぜ魔力調整ができないといけないか。すべて直してしまうと自然治癒力が低下して次の時、回復魔法が効きにくくなるそうだ。
だから全部治すのではなく、時と場合によって治す範囲を変えていかないといけないらしい。

ダンジョン内でなら2/3まで、病気なら1/2まで、骨折なら骨がずれないようにくっつけても、骨折で傷んだ周辺の筋肉や神経は自然治癒で治すとか。
時と場合によるけれどもできるだけ自然治癒で回復するようにしないといけないらしい。だから治癒魔法ではなく回復魔法なのよと。


「回復魔法だけだと治療院で働いた方がいいわ。だけど私は冒険者になって稼ぎたかったの。5つ下の弟は頭が良くていい学校に行かせたかった。奨学金制度はあるけれど毎年数人だから貰えるかわからないしね。だから防壁魔法を覚えたのよ」
回復魔法だけだとパーティーを組みたくても敬遠されるだろう。
防壁魔法が強力であれば、自分やパーティーメンバーも守れるからか。

「もしかして、テントにも防壁魔法かけているのですか」
「えぇ、ただしテントというよりテント周辺ね。夜の見張りでテントの出入りはするから。防壁魔法かけているからといっても何があるかわからないでしょう」
「何いっているのよ、リンカの防壁魔法で野宿がすごく楽になっているのよ。樹海に長いこと滞在できて稼げるのもありがたいと思っているの」とアリーさんが言う。

あと、僕の魔力量が多くて魔力調整が難しいのなら、防壁魔法を覚えて徐々に範囲を小さくしていく練習をしたらどうかとも言ってくれた。
なるほど、大きな壁からテント周辺、僕自身だけとか範囲を狭めていくか・・・確かにこっちの方がやりやすいかも。

石板に回復魔法のレベルをあげるようにと書かれていたから回復魔法に気を取られていたけれど、ダンジョンに来て防壁魔法はとても便利だと思ったし、両方練習すれば回復魔法のレベルが早くあがるかもしれない。帰ったらアークランド魔法師団長に相談しよう。


あと、気になったのでリンカさんの弟さんのことを聞くと、今は王都のセントアーサー学園に通っているそうだ。しかも奨学金で。文房具や身の回り品など入用だろうからとリンカさんは生活費を弟さんに送っているそうだ。

ホントに頭いいんだ。
セントアーサー学園は平民が通う学校では我が国トップの学校だ。入学の競争率は高い。なぜなら卒業生は就職に困らない。あちこちから勧誘が来るからだ。
学園を卒業後、即戦力になるように簿記、経営学、外国語など専門分野にも力を入れている。だから入学しても必死に勉強しないと落第する。
その学校で奨学生ということはすごく優秀ということだ。
うちに来てほしいけれど無理だろうなぁー。とりあえず父様に話しておこう。
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