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第66話 エミニーラダンジョン(7)

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次の投稿は11月10日7:00です。

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5階層です。
ここは先程とは違って草が僕の膝ぐらいある草原で、遠くまで見ても草だらけです。
ここにいる魔獣は体長40㎝ぐらいでモグラに似たトープ。

トープは落とし穴の名人。
落とし穴をいたるところに作って落ちてきたものを鋭いツメで攻撃してくるそうだ。
落とし穴の大きさを聞くと地表面は直径40㎝で穴の深さは1mほど。だけど下にいくほど土の中で広がっていて、その空間でトープが待っているそうだ。
穴に落ちると土の中から前後左右と攻撃してくるから、足は痛いし穴から出られないで大変みたいだ。

土の中にいるので討伐するのも難しいし、ドロップ品がもらえない。
何せ土の中1m下にいるのだから。

「ここは俺の出番だな」とジェラ兄様が最初に討伐するらしい。
草を剣でなぎ倒しながら落とし穴を見つけると、落とし穴に向かって火魔法ファイヤーボールを放つ。

そして巨大な磁石がジェラ兄様のマジックバックから出てきた。
磁石には紐がついていて落とし穴に磁石を落とし、紐をクルクル回してから紐を引き上げる。
するとドロップ品の鉄板が2枚くっついていた。もう一度、ジェラ兄様が磁石を落とすと鉄板が1枚くっついていた。
鉄板は縦15cm×横15㎝×高さ5cm だった。

黄金の翼も、アリーさんの氷魔法で穴を攻撃し、磁石で鉄板をすくいあげる。
磁石は冒険者ギルドでレンタルできるらしい。


確かに底が深いから剣で対応できないから魔法しかない。落とし穴に潜ってドロップ品を拾うとまだトープがいるかもしれないから危険だし、大きな穴でもないから身動きが取れない。ドロップ品の多少取り漏れがあったとしても磁石のほうが安全だ。

ここは数をこなしたほうがよさそうだ。
「ジェラ兄様、マイヤーこの辺一帯の草を風魔法で刈ってよ。できるだけ地面に近いところからね」
「ハルト、何がしたいのか」
「落とし穴がどれくらいあるか確認したいし、効率的にドロップ品を確保するなら落とし穴を早く見つけたほうがいいし・・・・」
「わかった、マイヤー付き合ってくれ」
「わかりました」


ジェラ兄様とマイヤーは僕たちがいる周辺の草を刈っていったら、15m間隔ぐらいで穴があった。討伐するにしても僕のウォーターボールの威力まだまだだしなぁー。
でも、4階層はほぼ見学だったし、この階は討伐に参加したいな。

「ウィルソン、さっきの氷一つ頂戴」とお願いして氷を出してもらうと縦横30㎝の正方形だった。今回の落とし穴にはちょうどいいサイズだ。
だけど冷たいから持つのはいやだから水で流して穴に落とそうか。

一番近い落とし穴に水で氷を運び落とすとドンと落ちた音がした。穴を見ると氷の一部が割れていたが、穴に向かってウォーターボール放ち氷を破壊する。

討伐できているか磁石を落としてもらい、引き上げると鉄板2枚ついていた。
もう一回落として引き上げたら鉄板はついていなかった。

「ハルト、見ていたけれど、説明してくれ」とジェラ兄様。
僕のウォーターボールでは威力不十分だと思ったこと。
でも討伐には参加したかったから方法を考えていたときに、さっきのボス部屋の氷の塊を思い出して、それを落とし穴に落としてウォーターボールで氷を破壊したら、氷が四方に飛び散る威力で何匹かは討伐できるかなと思って試したと話す。

「水で氷を動かしたのは?」
「氷を持つのは冷たいし、持ち運ぶのも面倒だし、水で運べないかなって思ったからやってみただけ」
「ハルト、俺もやってみてもいい」とカナルが言うのでウィルソンに氷を5つほど出してもらった。


僕とカナルで僕たちの場所に近い落とし穴を受け持ち、残りはジェラ兄様とアリーさん、ウィルソンが受け持つ。ウィルソンはウォーターボールと氷で破壊するのとどちらが有効か検証してみるそうだ。
磁石で鉄板を取り出すのは黄金の翼の男性陣がしてくれることになった。

検証結果はどちらも同じ。ただ氷を落とす手間を考えたら直接魔法を放つほうが簡単。僕やカナルみたいにまだ威力がないものには有効だ。
通常この階層はEランク以上の冒険者だから僕のこの方法は使わないだろうな。
氷の活用もできるからとりあえずよかったと思おう。


ジェラ兄様はやけになっているように、
「この際、行く先の草を刈って刈って見つけた落とし穴は全部討伐するぞ」
そこまでしなくてもと思ったけれど、アトレやリプカも討伐に参加したいと言うので黙っていた。
「やっぱり、過剰戦力よ。このチーム」リンカさんが、ぼそりと言ったが聞かなかったことにした。
順調に討伐をこなしてボス部屋にやってきました。前に一組待っていたので休憩しながら待つ。

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