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【リーンハルト:7歳】
第34話 興味ありません
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いつもお読みいただきありがとうございます。
次の投稿は10月26日7:00です。
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世界樹に行く1か月後までゴロゴロできるーと思っていたら母様に呼ばれた。
「ハルト、ダヴィトお兄様が2日後ここへ来るそうよ」
母様のお兄様、ダヴィト・ノーストレイド伯爵は、次男で帝国との取引を一手に引き受けているやり手の宮廷伯爵だ。
国から外務大臣や他の役職につかないかとオファーが絶えない人で、やわらかい口調なのに、理詰めで相手を丸め込めてしまう手腕は内外で有名だ。
国への貢献度も高く、子爵から伯爵へ叙勲された人でもある。
その人が、この家になぜ?
「建前は、スケルトンフラワーの花びらが大量に手に入ったと聞いたから買付とハルトの8歳のお祝いをもってくると言っているけれど、実際はアトレやリプカを見たいのと、最近ここで何が起こっているのか確認したいのでしょうね。ハルト覚悟しておきなさい」
そんなー、ノーストレイド家で一番油断できない人と母様がいつも言っている人が来るなんて。マジで嫌なのですが・・・・。
諦めろ、ある程度調べて予測つけての訪問だから逃げられない。
母様、何とかしてよー。
無理?だから自重しなさいっていったでしょって言われても・・・・。
「こんなに楽しい買付は何年ぶりだろうね。この歳でテンション上がってしまったよ」
40代と聞いてはいるけれど、母様似の30代そこそこにしか見えないイケメンだ。
体も程よく筋肉がついているからトレーニングはかかしていないはず。
昨日、昼過ぎに来て大量のお土産と挨拶した後は、買付けにでかけて夕食にも戻ってこなかった。今日も朝食後すぐに出かけて夕食ギリギリに戻ってきたぐらいだ。
スケルトンフラワーの花びらが思ったよりも多い量で、国内でさばききれないものはすべて買い取ったそう。
他国に売りつけるからいくらでも欲しいそうだ。
アイロンにドライヤー、ペットのネーム、チャーム、ガラス装飾品、本当に全部買い占めたようだ。
「さっそく本題に入ろうか。身内しかいないから直接聞くがリーンハルトが商売に興味あるなら我が家で預かるよ」
僕は慌てて首を横に振る。とんでもございません。商売は全く興味ないです。
「ダヴィー兄様、この子は全く商売に興味ないわよ」と母様がフォローしてくれる。
その通りです。僕はうんうんと縦に首を振る。
「こんなに商品を開発していて全く興味ないと」
「こんなのがあったら便利だとか面白いよねって、職人さんたちと雑談みたいに話したものが、すべて商品化されてしまったというのが実情よ」
「あははは・・・・・これは面白いな。全く予想していなかったよ。でもアイデアはリーンハルトで正解だったね」
確信はあったけれど、まだ7歳の子供がという思いもあったし、商売に興味あるのなら連れて帰って鍛えようと思ったそうだ。
ご辞退いたします。僕はゴロゴロ生活バンザイなので・・・。
「あと、樹海で何が起こっているのだい。ウエストランド家三兄弟が従魔契約できたのもそのせいではないのか」
父様は王家しか知らないことだと前置きして、樹海にホワイトドラゴンが住み着いたらしいこと、世界樹が存在していて枯れかかっていたところをハルトのアイデアで回復途上にあることを話した。
「ホワイトドラゴンのことは掴んでいたが、世界樹は知らなかった。もしかして再生回復薬も世界樹が関係しているのか」
詳しいことは話せないと父様が否定しなかったので、ダヴィト伯父さまは納得したようだ。
「今回とてもいい買付をさせてもらったから、手伝えることがあれば何でも言ってくれ」
「息子たちの縁談話はできるだけ排除したい。王家でも」と父様が言う。
「王命で決めたくないということか。外野はうるさいだろうが、まず大丈夫だろう。ウエストランド家の呪いは有名だから。それとなく匂わしてはおくよ」
ウエストランド家の呪い?何それ。
ウエストランド家の人間は、なぜか政略結婚した場合、病気や事故など理由は様々だけれど、短命で亡くなるそうだ。
嫡男が身分の低い女性と結婚する場合は、貴族の付き合いもあるので次期当主からは外れるが、不思議と身分が釣り合う人と結婚する場合がほとんどだとか。
やったー、政略結婚なしだ!!
「商売の話に戻るけれど、クリスフォードが使っていた抱っこバック?探したけれど、どこに行っても知らないと言われたよ。どの店で扱っているのか教えてほしい」とダヴィト伯父さまが言う。
「ダヴィー兄様、あれは我が家の侍女が作ったので店で販売していないわよ」
「ペットと移動するときに便利だ。あれは売れるぞ。特許申請して販売させてくれ」
抱っこバックまで知っているの。
情報網がすごいなー、この伯父さま。
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世界樹に行く1か月後までゴロゴロできるーと思っていたら母様に呼ばれた。
「ハルト、ダヴィトお兄様が2日後ここへ来るそうよ」
母様のお兄様、ダヴィト・ノーストレイド伯爵は、次男で帝国との取引を一手に引き受けているやり手の宮廷伯爵だ。
国から外務大臣や他の役職につかないかとオファーが絶えない人で、やわらかい口調なのに、理詰めで相手を丸め込めてしまう手腕は内外で有名だ。
国への貢献度も高く、子爵から伯爵へ叙勲された人でもある。
その人が、この家になぜ?
「建前は、スケルトンフラワーの花びらが大量に手に入ったと聞いたから買付とハルトの8歳のお祝いをもってくると言っているけれど、実際はアトレやリプカを見たいのと、最近ここで何が起こっているのか確認したいのでしょうね。ハルト覚悟しておきなさい」
そんなー、ノーストレイド家で一番油断できない人と母様がいつも言っている人が来るなんて。マジで嫌なのですが・・・・。
諦めろ、ある程度調べて予測つけての訪問だから逃げられない。
母様、何とかしてよー。
無理?だから自重しなさいっていったでしょって言われても・・・・。
「こんなに楽しい買付は何年ぶりだろうね。この歳でテンション上がってしまったよ」
40代と聞いてはいるけれど、母様似の30代そこそこにしか見えないイケメンだ。
体も程よく筋肉がついているからトレーニングはかかしていないはず。
昨日、昼過ぎに来て大量のお土産と挨拶した後は、買付けにでかけて夕食にも戻ってこなかった。今日も朝食後すぐに出かけて夕食ギリギリに戻ってきたぐらいだ。
スケルトンフラワーの花びらが思ったよりも多い量で、国内でさばききれないものはすべて買い取ったそう。
他国に売りつけるからいくらでも欲しいそうだ。
アイロンにドライヤー、ペットのネーム、チャーム、ガラス装飾品、本当に全部買い占めたようだ。
「さっそく本題に入ろうか。身内しかいないから直接聞くがリーンハルトが商売に興味あるなら我が家で預かるよ」
僕は慌てて首を横に振る。とんでもございません。商売は全く興味ないです。
「ダヴィー兄様、この子は全く商売に興味ないわよ」と母様がフォローしてくれる。
その通りです。僕はうんうんと縦に首を振る。
「こんなに商品を開発していて全く興味ないと」
「こんなのがあったら便利だとか面白いよねって、職人さんたちと雑談みたいに話したものが、すべて商品化されてしまったというのが実情よ」
「あははは・・・・・これは面白いな。全く予想していなかったよ。でもアイデアはリーンハルトで正解だったね」
確信はあったけれど、まだ7歳の子供がという思いもあったし、商売に興味あるのなら連れて帰って鍛えようと思ったそうだ。
ご辞退いたします。僕はゴロゴロ生活バンザイなので・・・。
「あと、樹海で何が起こっているのだい。ウエストランド家三兄弟が従魔契約できたのもそのせいではないのか」
父様は王家しか知らないことだと前置きして、樹海にホワイトドラゴンが住み着いたらしいこと、世界樹が存在していて枯れかかっていたところをハルトのアイデアで回復途上にあることを話した。
「ホワイトドラゴンのことは掴んでいたが、世界樹は知らなかった。もしかして再生回復薬も世界樹が関係しているのか」
詳しいことは話せないと父様が否定しなかったので、ダヴィト伯父さまは納得したようだ。
「今回とてもいい買付をさせてもらったから、手伝えることがあれば何でも言ってくれ」
「息子たちの縁談話はできるだけ排除したい。王家でも」と父様が言う。
「王命で決めたくないということか。外野はうるさいだろうが、まず大丈夫だろう。ウエストランド家の呪いは有名だから。それとなく匂わしてはおくよ」
ウエストランド家の呪い?何それ。
ウエストランド家の人間は、なぜか政略結婚した場合、病気や事故など理由は様々だけれど、短命で亡くなるそうだ。
嫡男が身分の低い女性と結婚する場合は、貴族の付き合いもあるので次期当主からは外れるが、不思議と身分が釣り合う人と結婚する場合がほとんどだとか。
やったー、政略結婚なしだ!!
「商売の話に戻るけれど、クリスフォードが使っていた抱っこバック?探したけれど、どこに行っても知らないと言われたよ。どの店で扱っているのか教えてほしい」とダヴィト伯父さまが言う。
「ダヴィー兄様、あれは我が家の侍女が作ったので店で販売していないわよ」
「ペットと移動するときに便利だ。あれは売れるぞ。特許申請して販売させてくれ」
抱っこバックまで知っているの。
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