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第33話 破棄素材の活用を考える

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翌日、昨日作った池に一つ水色の魔石を入れると半分ぐらいで魔石が透明になり水が出なくなったので、もう一つ池に入れると水でいっぱいになる。

今度は薄い緑色の魔石を一つ池に入れると魔石全部が透明になった。もう一つ魔石を追加すると2/3ほど透明になった。

アルラウネに池の水を飲んでもらうと「おいしい」と喜び、空中でクルクル回っている。
この池の水をどうやって世界樹が吸収するのか聞いたら、根っこを池に伸ばすそうだ。

昨日の試しで使った魔石を使って世界樹の周りに魔法水を撒いてもらう。
1か月後、来たときに魔力注入済の魔石をアルラウネに渡して、池の水がなくなれば補充してもらうことにした。

冬になると寒くてこられない。次が今年最後だろうと話すと魔石が春まで持たないとアルラウネが言う。
だから、これからスケルトンフラワーを倒しに行こうと無茶を言う。
ホワイトドラゴンの影響で魔力水はこれからも必要だと。
またあの悪臭に堪えないといけないのか。僕は、はぁーと肩を落とした。

アルラウネに連れられて2か所でスケルトンフラワーを倒した後、広場で護衛をしてくれたリプカとビアンカの家族にお礼を言って別れ砦に向かった。
砦についたのは夕方だったため一泊して屋敷に戻ることになる。
屋敷には伝書魔バトを飛ばしたそうだ。



「はぁー、今回はスケルトンフラワーずくめで、あの匂いはきつかった」
「世界樹の近くに、あんなにたくさんのスケルトンフラワーがいるほうがびっくりだ。花びらは高い値で売れるし、いい討伐だった」
騎士舎の食堂でジェラ兄様と夕食を食べている。

「ジェラ兄様、スケルトンフラワーの葉っぱや茎は何かの材料とかになるの」
「いや、破棄だ。あの悪臭の中で一体、一体の花びらを回収なんて無理だからな」
「あのネバネバ何かに使えそうなのに」
「何か思いついたのならカイル隊長に言ってもらえばいい。今後、破棄部分が減ることはいいことだ」

今日討伐したスケルトンフラワー2か所での魔石は20個と昨日よりは少なかったが、昨日の分を合わせれば春まで十分持つ量だと思う。

カイル隊長には申し訳ないが1か月後までに15個の魔石へ魔力注入を、あとの15個の水魔法を魔石注入するのは水属性の隊員が手分けしてすることになったそうだ。
これで春まで世界樹のところへ行かなくてもいいメドが立ったことは良かったよ。


世界樹のところへ行った5日後、スケルトンフラワーの葉っぱが大量に入ったマジックバックが僕のところに届いた。
父様は何に使うのだと聞いてきた。
マリアと話して使い道ができたら報告すると答えマジックバックをもらう。

「このマジックバックにスケルトンフラワーの葉っぱが大量に入っているのですか」
マジックバックをマリアが受け取りながら言う。
「葉っぱのネバネバって金属がくっつくと離れないんだよね」
「ええ、でも滅多にとれないものなので費用対効果で使わないですね」

「ところで、ガラスに銅板を巻き付ける場合の接着剤はある?」
「いえ、ありません。・・・・この葉っぱが使えないかということですか」
「そう、試してみてもらえる」

すぐ試せるというので、僕も付き合う。
まず、板の上にスケルトンフラワーの葉っぱを一枚置く。そして葉っぱの両面のネバネバを木ベラで取り、お皿に移す。
刷毛でガラスの側面にネバネバを塗り、塗ったガラスの側面を銅板にむかって手で押さえつけたあと、ガラスを持ち上げるとガラスに銅板がくっついていた。

「なんかあっさりと成功したね」
「しましたね。これで何をつくるのでしょうか」

「銅板を包帯みたいに手で巻けるまで薄くできたらかな?」
「手で巻けるくらい薄く・・・ですか。時間をください、やってみます」
急がないので無理しないように伝え工房を出た。
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