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【リーンハルト:7歳】
第32話 お願いをきいて
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いつもお読みいただきありがとうございます。
次の投稿は10月25日7:00です。
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世界樹を助けてから二週間後の今日、様子を見に樹海に行く。
今日、ココットの生け捕りはしないだろうなと思ったらするらしい。
供給が追いついていなくて生け捕りをパスするのは厳しいらしい。だから広場から砦に引き返す人員込みでの行動だ。
広場に着き休憩になる。移動しようと動き始めると広場の端にビアンカの家族が4匹と上空にリプカの両親らしきフィアンマがいた。
来ていることに全く気付かなかった。敵だと本当に怖い能力だ。
僕はビアンカの家族に近づき、前回のお礼と今日も1泊するので途中で狩りをしたいことを伝える。
アトレの通訳で、前回と同じように僕たちの護衛と魔獣狩りもしてくれるとのこと。
同行の隊員に伝えて世界樹のところへ移動する。
前回よりも早く世界樹がいる場所についた。
2週間前に比べて緑色の葉が増えている。ただ右側に比べて左側は枯れている割合が多かった。
世界樹に近づきアルラウネを呼ぶと、ふわふわと世界樹の木々から降りてきた。
「来てくれてありがとう。世界樹は、まだ回復途上だけれど緑色の葉が増えてきているのよ」と僕の周りを飛びながら嬉しそうに言う。
前回と同様に、今日は回復ポーション(植物活力液もどき)を世界樹に根元にかけて、明日はカイル隊長の魔力を含んだ水をかけて帰るとアルラウネに説明すると、魔力水はもっと欲しい、できれば僕たちが帰った後も欲しい時に世界樹が吸収できるようにできないかと言ってきた。
「いや、無理だから・・・」
「世界樹が回復するまででいいから、お願い」
「アルラウネが好きな時に飲みたいだけじゃないの」
「それもある・・・・いえ、世界樹が欲しい時に魔力水が吸収出来ていれば、もっと回復していたはずなの。だからお願い」
やっぱり自分も欲しいんじゃん。
気に入っていたしね、カイル隊長の魔力が入った水。
まぁ、世界樹のためでもあるようだけれど・・・・・。
「ハルト、ここまでアルラウネが必死に頼んでくるのだし何か方法ないのか?」ジェラ兄様が聞いてくるけれど、そんな都合のいいものなんてないでしょ。
うーん、うーんと手を組んで考えて思いついたのが、魔力を貯めておいて少しずつ放出するような魔道具とかないかなー
護衛のマイヤーに、こんなのないよねーと聞くと、魔道具ではないがスケルトンフラワーの魔石が該当するのではないかと。
透明な魔石で、魔石は魔力を込めた人の魔力色に変化するそうだ。
アルラウネにスケルトンフラワーの魔石があれば希望が叶うかもと説明すると近くにいるから行こうという。
カイル隊長と相談して全員で行くことになった。
スケルトンフラワーは高さ1.5mほど、花の形は前世の紫陽花に似ていて花びらが透明。花は直径10㎝ぐらいで小さく、魔石は20~30体ほど倒して一つあるかないか。
透明の花びらは太陽の光や照明に反射してキラキラ輝くため装飾品として人気だ。
スケルトンフラワーはあまり出くわすことがないため見つけたら即討伐らしい。
討伐で厄介なのが一体に6~7枚ある一枚50㎝ぐらいの大きな葉っぱ。
全体がネバネバしていて貴金属は一度くっつくと剥がれなくなり、また攻撃を受けると悪臭を放つ。
そして200~300体の群集で生息しているから素早く倒さないと悪臭で魔石や花びらの回収が難しくなるらしい。
アルラウネの案内で僕の腰ぐらいまである草が茂っているところを先行く隊員が、かき分けてくれたところを歩いて行いるくとスケルトンフラワーの密集地が見えてきた。
太陽の光で花びらがキラキラ反射して眩しい。
スケルトンフラワーは根元の方だと悪臭が弱く、花びらに近くなればなるほど悪臭が強くなる。風魔法が使える人全員で一斉に草刈りみたいに根元を狙って倒していく。
今回は300体近くいるらしく悪臭が漂い始めた。
他の隊員で倒したスケルトンフラワーを急いでマジックバックにしまっていく。
うわっー、卵が腐ったときの匂いだ。この匂いですこしなんてー。
タオルを取り出し口や鼻にあて頭の後ろで結ぶ。
匂うけれどダイレクトよりはましなはず・・・・。
すべて倒し回収も終わり、すぐに離れる。
風魔法で僕たちがいる場所とは違う方向に匂いを飛ばしてくれてましになったけれど、しばらく鼻がおかしかった。
世界樹のところに戻り、魔石を出してもらう。全部で17個。
試しにカイル隊長と水魔法が使える隊員に一つずつ魔力注入をしてもらうと、透明な魔石が薄い緑色と水色に変化した。
空の桶に水色の魔石を入れたが水は出てこない。魔石に水をかけると魔石から水が出始め、桶が水でいっぱいになると出なくなった。魔石の水色の部分が一部透明に変化していた。
次に薄い緑色の魔石を桶に入れると水は変化しないが魔石の薄い緑色の一部が透明に変化していた。
カイル隊長に魔石注入はあと何個できそうか聞いたら2個はいけるとのこと。
水魔法の魔石も2個用意をお願いした。
アルラウネに池をどこに作ったらいいか聞いたら、世界樹から5m離れた場所にしてほしいとのことだ。
土魔法を使える隊員に直径10m、深さ3m池を作ってもらって今日の作業は終了する。
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今日、ココットの生け捕りはしないだろうなと思ったらするらしい。
供給が追いついていなくて生け捕りをパスするのは厳しいらしい。だから広場から砦に引き返す人員込みでの行動だ。
広場に着き休憩になる。移動しようと動き始めると広場の端にビアンカの家族が4匹と上空にリプカの両親らしきフィアンマがいた。
来ていることに全く気付かなかった。敵だと本当に怖い能力だ。
僕はビアンカの家族に近づき、前回のお礼と今日も1泊するので途中で狩りをしたいことを伝える。
アトレの通訳で、前回と同じように僕たちの護衛と魔獣狩りもしてくれるとのこと。
同行の隊員に伝えて世界樹のところへ移動する。
前回よりも早く世界樹がいる場所についた。
2週間前に比べて緑色の葉が増えている。ただ右側に比べて左側は枯れている割合が多かった。
世界樹に近づきアルラウネを呼ぶと、ふわふわと世界樹の木々から降りてきた。
「来てくれてありがとう。世界樹は、まだ回復途上だけれど緑色の葉が増えてきているのよ」と僕の周りを飛びながら嬉しそうに言う。
前回と同様に、今日は回復ポーション(植物活力液もどき)を世界樹に根元にかけて、明日はカイル隊長の魔力を含んだ水をかけて帰るとアルラウネに説明すると、魔力水はもっと欲しい、できれば僕たちが帰った後も欲しい時に世界樹が吸収できるようにできないかと言ってきた。
「いや、無理だから・・・」
「世界樹が回復するまででいいから、お願い」
「アルラウネが好きな時に飲みたいだけじゃないの」
「それもある・・・・いえ、世界樹が欲しい時に魔力水が吸収出来ていれば、もっと回復していたはずなの。だからお願い」
やっぱり自分も欲しいんじゃん。
気に入っていたしね、カイル隊長の魔力が入った水。
まぁ、世界樹のためでもあるようだけれど・・・・・。
「ハルト、ここまでアルラウネが必死に頼んでくるのだし何か方法ないのか?」ジェラ兄様が聞いてくるけれど、そんな都合のいいものなんてないでしょ。
うーん、うーんと手を組んで考えて思いついたのが、魔力を貯めておいて少しずつ放出するような魔道具とかないかなー
護衛のマイヤーに、こんなのないよねーと聞くと、魔道具ではないがスケルトンフラワーの魔石が該当するのではないかと。
透明な魔石で、魔石は魔力を込めた人の魔力色に変化するそうだ。
アルラウネにスケルトンフラワーの魔石があれば希望が叶うかもと説明すると近くにいるから行こうという。
カイル隊長と相談して全員で行くことになった。
スケルトンフラワーは高さ1.5mほど、花の形は前世の紫陽花に似ていて花びらが透明。花は直径10㎝ぐらいで小さく、魔石は20~30体ほど倒して一つあるかないか。
透明の花びらは太陽の光や照明に反射してキラキラ輝くため装飾品として人気だ。
スケルトンフラワーはあまり出くわすことがないため見つけたら即討伐らしい。
討伐で厄介なのが一体に6~7枚ある一枚50㎝ぐらいの大きな葉っぱ。
全体がネバネバしていて貴金属は一度くっつくと剥がれなくなり、また攻撃を受けると悪臭を放つ。
そして200~300体の群集で生息しているから素早く倒さないと悪臭で魔石や花びらの回収が難しくなるらしい。
アルラウネの案内で僕の腰ぐらいまである草が茂っているところを先行く隊員が、かき分けてくれたところを歩いて行いるくとスケルトンフラワーの密集地が見えてきた。
太陽の光で花びらがキラキラ反射して眩しい。
スケルトンフラワーは根元の方だと悪臭が弱く、花びらに近くなればなるほど悪臭が強くなる。風魔法が使える人全員で一斉に草刈りみたいに根元を狙って倒していく。
今回は300体近くいるらしく悪臭が漂い始めた。
他の隊員で倒したスケルトンフラワーを急いでマジックバックにしまっていく。
うわっー、卵が腐ったときの匂いだ。この匂いですこしなんてー。
タオルを取り出し口や鼻にあて頭の後ろで結ぶ。
匂うけれどダイレクトよりはましなはず・・・・。
すべて倒し回収も終わり、すぐに離れる。
風魔法で僕たちがいる場所とは違う方向に匂いを飛ばしてくれてましになったけれど、しばらく鼻がおかしかった。
世界樹のところに戻り、魔石を出してもらう。全部で17個。
試しにカイル隊長と水魔法が使える隊員に一つずつ魔力注入をしてもらうと、透明な魔石が薄い緑色と水色に変化した。
空の桶に水色の魔石を入れたが水は出てこない。魔石に水をかけると魔石から水が出始め、桶が水でいっぱいになると出なくなった。魔石の水色の部分が一部透明に変化していた。
次に薄い緑色の魔石を桶に入れると水は変化しないが魔石の薄い緑色の一部が透明に変化していた。
カイル隊長に魔石注入はあと何個できそうか聞いたら2個はいけるとのこと。
水魔法の魔石も2個用意をお願いした。
アルラウネに池をどこに作ったらいいか聞いたら、世界樹から5m離れた場所にしてほしいとのことだ。
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