5 / 10
番外編
黄丕承 其の三
しおりを挟む
妹の白蓮は、正直なところ本当に自分と同じ血が流れているのかどうかが疑わしいほど、見た目が美しく可憐である。
身体は華奢で、肌は透き通るかと思うほど白く、シミひとつない。
目は大きく印象的で力強く、多少性格がキツそうな印象を与えがちだが、それは実際その通りなので問題なかった。
だが、小さな頃からその可憐で華奢な見てくれのせいで、相手問わず過剰な好意を寄せてくる者、またはむやみに傷つけて貶めようとする者が身の周りに絶えなかった。
我が家の商売が国一番の売上を誇る娼館であったことも、その一因である。
誘拐されそうになったことは一度や二度ではなく、酩酊した客や、酒は入らずとも一方的に懸想して思い詰めた客などに襲われそうになったことも数えきれない。
当然家族も本人もわかっていて警戒は怠らないから、幸いなことに、それらの試みが成功したことは一度もなかった。
兄である丕承は、子どもの頃から黄家で雇っている護衛団の中に混じって身体を鍛え、武術を磨き、率先してたった一人のかわいい妹を守ってきた。
当然、白蓮も兄である自分に一番懐き、甘え護られて、娼館の娘にしてはかなり素直に純真なまま成長してきたと思う。
それを――
「後宮入り? しかも養女に出すって、なんだそれ!」
先日やっと帰ってきた白蓮が再び家を出ていき、しかも仕事だったはずなのに陛下のお手がついたのだという話に衝撃を受けた。その精神的打撃がこれっぽっちも回復しないうちに、はたまた衝撃の事実だ。
「だって平民のまま後宮に入ったら下働きの立場でしょ。貴族として後宮入りできるんだから、むしろ喜ばしいことだと思うけど?」
母の春華は「なにを怒ってるのか分からない」といった風に肩を竦めてみせた。
「そもそも後宮入りなんて、俺は認めてないぞ!」
以前、冗談交じりにそんな話が出たときも、丕承はただの冗談だと本気で思っていた。まさか本当に……
怒鳴る丕承を見て、春華は目を丸くし、呆れたようにため息を吐いた。
「馬鹿じゃないの。なんで丕承の許可がいるのよ。そもそも白蓮が黙って大人しく襲われるような子だと思うの? あの子が望んだからお手もついたんだし、大事に扱われてるからこそ貴族の養女にしてもらえるんじゃないの。……もういい加減、あんたも妹離れしなさいよ」
(うがーーーーっっ!)
丕承は叫びだしたくなるのを、拳を力いっぱいプルプルと握りしめて堪えた。
いくら相手が国で一番権力のある皇帝陛下とはいえ、顔も得体もしれない男のところに最愛の妹を嫁にやるなど、そう簡単に納得できることではない。
しかもそのほとんどを解散したとはいえ、多数の妃嬪がいる後宮に、たった一人のかわいい妹をやるなんて……
(絶対に認めないぞ!)
皇帝本人に対峙する機会があったら絶対にこの手でぶちのめし、できるなら妹を取り返してやる!
丕承はそう強く決心して、怒りで震える拳をさらに強く握りしめた。
***
機会は存外早く巡ってきた。
白蓮が家族に会いたいと陛下に泣きつき、普通は簡単に認められない里帰りの許可が下りた。
ただし公には陛下のお忍びに同行し、二人が養父である李汀洲の屋敷を訪問するのに合わせて、黄家の家族がそこに招かれるという形が取られた。
李汀洲の屋敷は貴族にしては地味な造りで、ただ中に入ると改装の真っ最中である。
おそらく貴妃の実家としての体裁を整えるためであろうと、父の虞淵は言った。
(貴妃……)
その言葉で、かわいい妹が自分の手を離れて遠くに行ってしまったという実感が湧きあがってきて、丕承はそれを振り払うように首を振った。
白蓮との面会には屋敷の離れの房が用意される。
到着してすぐに、貴族の屋敷らしからぬ足音がパタパタと響き、スタンッと音を立てて引き戸を開かれた。そして白蓮が飛び込んでくる。
「父さま、母さま!」
高くて甘えの混じった聞き慣れた声が響き、白蓮は両親の顔を見てホッとした表情を浮かべた。そして一直線に丕承に向かって走ってくる。
「兄さまぁっ!」
そのままの勢いで抱きついてきた白蓮の身体を余裕で受け止め、丕承は両腕でしっかりと抱きしめた。
「ごめんなさい、兄さま……何も言わずに家を出ることになってしまって」
「白蓮……」
腕の中に収まった妹の姿をよく見れば、なんとも綺麗な刺繍の施された軽くて滑らかな肌触りの衣装に身を包み、品のある高貴な香りを纏っている。
丁寧に梳かれた髪を美しく結って繊細な飾りを揺らし、薄く施された化粧は元来の美しさをさらに引き立てていた。
「綺麗だなぁ、白蓮」
着飾った白蓮を見るのは初めてで、丕承が感心したように呟くと、彼女はうっすらと涙を浮かべながら微笑んでみせた。
「ありがとう、兄さま」
その顔にはもう幼かった頃の面影はなく、この短い間で白蓮は一人前の大人の女性へと変化していた。
(なんとも、寂しいものだなぁ……)
丕承は堪らずにもう一度しっかりと抱きしめると、白蓮も背中に手を回してギュッと抱きついてきた。
そこへ、低くてハリのある艶やかな声が響く。
「白蓮……全力で走っていくから、侍女たちが目を丸くしていたぞ?」
房へ入ってきたのは、いかにも高貴な濃藍の袍を纏い、漆黒の髪と強い力を秘めた瞳を持つ、整った顔立ちをした、まだ青年とも呼べる年若い男――
(こいつが……)
父の虞淵と母の春華は彼の姿を認めてすぐに膝をつき、低頭して礼を取った。
「蒼龍さま」
腕の中で振り向いた白蓮が、嬉しそうにその男の名を呼ぶ。
丕承は白蓮の身体を離さずにぎゅっと抱き寄せると、その男の顔をまっすぐに見つめた。
(こんな奴に膝などついてたまるか――!)
丕承の眼差しに籠った意志を感じ取ったのか、蒼龍は一瞬目を見張ると、すぐに不敵な微笑みを浮かべて見せる。
「お前が兄の丕承か。顔を見るのは初めてだな」
「ふん。勝手に懸想して強引にかっさらっていくなど、横暴な権力者のやり方そのものだ」
その言葉に両親も白蓮も驚愕して顔を上げ、丕承を見た。
しかし、なぜか蒼龍だけが肩を揺らして笑うと、愉しげに言った。
「これは……今までで一番強力な敵が現れたかな」
蒼龍の目は鋭く力に満ちた光を湛えており、その洗練されて落ち着いた立ち居振る舞いを見ても、丕承が想像していたより遥かにできる男なのかもしれないと感じられた。
(拳を交えてみるまではわからんが……)
「生半可な男に、俺の大事な妹をやるわけにはいかん。家柄や権力など関係ない。腕っぷしの話だぞ」
丕承の言葉に、両親は呆れて天を仰ぎ、大きなため息を吐く。
白蓮は目を丸くして口を開けたまま固まり、蒼龍は嬉しそうにニヤッと笑った。
「いいぞ。生半可かどうか、試してみるがいい」
「蒼龍さま!?」
白蓮が驚いて蒼龍を振り返り、慌てて丕承の胸を叩いた。
「兄さま、馬鹿なこと言わないで! 蒼龍さまは皇帝陛下なのよ!?」
丕承は抱きしめていた腕を離さずに答える。
「家柄も権力も関係ないと言っただろう。肝心な時にお前を護れるのは腕に力のある男だけだ」
「兄さまっ!」
白蓮の非難するような表情を見て、蒼龍は苦笑を浮かべた。
「白蓮、義兄の言うことは間違っていない。権力も大きな力ではあるが、最後は腕っぷしだ」
丕承は顔をしかめて不機嫌そうに吐きすてる。
「だれがお前を義弟だと認めた? お前は妹を勝手にさらった、ただの横暴者だ」
蒼龍と丕承は互いに視線を交わして睨み合うと、言葉にせずとも察し合い、揃って房の外へと出て行った。
残された父と母の顔を振り返り、白蓮が「どうしよう?」と聞くと、二人は苦笑を浮かべてみせた。
「大丈夫よ、やらせとけば」
「どちらも確かめたいだけだ。……しかし、陛下もまだお若いな」
虞淵の言葉に、春華も白蓮も眉根を寄せる。
「蒼龍さまは若いってば!」
「丕承と同じ歳でしょ?」
今度は春華の言葉に、白蓮が目を丸くした。
「ええ? 蒼龍さまと兄さま、同じ歳!?」
「白蓮おまえ……夫の歳も知らなかったのか?」
三人は三様に顔をしかめると、とりあえず二人のことが気になって、揃って房の外へと追いかけて行った。
身体は華奢で、肌は透き通るかと思うほど白く、シミひとつない。
目は大きく印象的で力強く、多少性格がキツそうな印象を与えがちだが、それは実際その通りなので問題なかった。
だが、小さな頃からその可憐で華奢な見てくれのせいで、相手問わず過剰な好意を寄せてくる者、またはむやみに傷つけて貶めようとする者が身の周りに絶えなかった。
我が家の商売が国一番の売上を誇る娼館であったことも、その一因である。
誘拐されそうになったことは一度や二度ではなく、酩酊した客や、酒は入らずとも一方的に懸想して思い詰めた客などに襲われそうになったことも数えきれない。
当然家族も本人もわかっていて警戒は怠らないから、幸いなことに、それらの試みが成功したことは一度もなかった。
兄である丕承は、子どもの頃から黄家で雇っている護衛団の中に混じって身体を鍛え、武術を磨き、率先してたった一人のかわいい妹を守ってきた。
当然、白蓮も兄である自分に一番懐き、甘え護られて、娼館の娘にしてはかなり素直に純真なまま成長してきたと思う。
それを――
「後宮入り? しかも養女に出すって、なんだそれ!」
先日やっと帰ってきた白蓮が再び家を出ていき、しかも仕事だったはずなのに陛下のお手がついたのだという話に衝撃を受けた。その精神的打撃がこれっぽっちも回復しないうちに、はたまた衝撃の事実だ。
「だって平民のまま後宮に入ったら下働きの立場でしょ。貴族として後宮入りできるんだから、むしろ喜ばしいことだと思うけど?」
母の春華は「なにを怒ってるのか分からない」といった風に肩を竦めてみせた。
「そもそも後宮入りなんて、俺は認めてないぞ!」
以前、冗談交じりにそんな話が出たときも、丕承はただの冗談だと本気で思っていた。まさか本当に……
怒鳴る丕承を見て、春華は目を丸くし、呆れたようにため息を吐いた。
「馬鹿じゃないの。なんで丕承の許可がいるのよ。そもそも白蓮が黙って大人しく襲われるような子だと思うの? あの子が望んだからお手もついたんだし、大事に扱われてるからこそ貴族の養女にしてもらえるんじゃないの。……もういい加減、あんたも妹離れしなさいよ」
(うがーーーーっっ!)
丕承は叫びだしたくなるのを、拳を力いっぱいプルプルと握りしめて堪えた。
いくら相手が国で一番権力のある皇帝陛下とはいえ、顔も得体もしれない男のところに最愛の妹を嫁にやるなど、そう簡単に納得できることではない。
しかもそのほとんどを解散したとはいえ、多数の妃嬪がいる後宮に、たった一人のかわいい妹をやるなんて……
(絶対に認めないぞ!)
皇帝本人に対峙する機会があったら絶対にこの手でぶちのめし、できるなら妹を取り返してやる!
丕承はそう強く決心して、怒りで震える拳をさらに強く握りしめた。
***
機会は存外早く巡ってきた。
白蓮が家族に会いたいと陛下に泣きつき、普通は簡単に認められない里帰りの許可が下りた。
ただし公には陛下のお忍びに同行し、二人が養父である李汀洲の屋敷を訪問するのに合わせて、黄家の家族がそこに招かれるという形が取られた。
李汀洲の屋敷は貴族にしては地味な造りで、ただ中に入ると改装の真っ最中である。
おそらく貴妃の実家としての体裁を整えるためであろうと、父の虞淵は言った。
(貴妃……)
その言葉で、かわいい妹が自分の手を離れて遠くに行ってしまったという実感が湧きあがってきて、丕承はそれを振り払うように首を振った。
白蓮との面会には屋敷の離れの房が用意される。
到着してすぐに、貴族の屋敷らしからぬ足音がパタパタと響き、スタンッと音を立てて引き戸を開かれた。そして白蓮が飛び込んでくる。
「父さま、母さま!」
高くて甘えの混じった聞き慣れた声が響き、白蓮は両親の顔を見てホッとした表情を浮かべた。そして一直線に丕承に向かって走ってくる。
「兄さまぁっ!」
そのままの勢いで抱きついてきた白蓮の身体を余裕で受け止め、丕承は両腕でしっかりと抱きしめた。
「ごめんなさい、兄さま……何も言わずに家を出ることになってしまって」
「白蓮……」
腕の中に収まった妹の姿をよく見れば、なんとも綺麗な刺繍の施された軽くて滑らかな肌触りの衣装に身を包み、品のある高貴な香りを纏っている。
丁寧に梳かれた髪を美しく結って繊細な飾りを揺らし、薄く施された化粧は元来の美しさをさらに引き立てていた。
「綺麗だなぁ、白蓮」
着飾った白蓮を見るのは初めてで、丕承が感心したように呟くと、彼女はうっすらと涙を浮かべながら微笑んでみせた。
「ありがとう、兄さま」
その顔にはもう幼かった頃の面影はなく、この短い間で白蓮は一人前の大人の女性へと変化していた。
(なんとも、寂しいものだなぁ……)
丕承は堪らずにもう一度しっかりと抱きしめると、白蓮も背中に手を回してギュッと抱きついてきた。
そこへ、低くてハリのある艶やかな声が響く。
「白蓮……全力で走っていくから、侍女たちが目を丸くしていたぞ?」
房へ入ってきたのは、いかにも高貴な濃藍の袍を纏い、漆黒の髪と強い力を秘めた瞳を持つ、整った顔立ちをした、まだ青年とも呼べる年若い男――
(こいつが……)
父の虞淵と母の春華は彼の姿を認めてすぐに膝をつき、低頭して礼を取った。
「蒼龍さま」
腕の中で振り向いた白蓮が、嬉しそうにその男の名を呼ぶ。
丕承は白蓮の身体を離さずにぎゅっと抱き寄せると、その男の顔をまっすぐに見つめた。
(こんな奴に膝などついてたまるか――!)
丕承の眼差しに籠った意志を感じ取ったのか、蒼龍は一瞬目を見張ると、すぐに不敵な微笑みを浮かべて見せる。
「お前が兄の丕承か。顔を見るのは初めてだな」
「ふん。勝手に懸想して強引にかっさらっていくなど、横暴な権力者のやり方そのものだ」
その言葉に両親も白蓮も驚愕して顔を上げ、丕承を見た。
しかし、なぜか蒼龍だけが肩を揺らして笑うと、愉しげに言った。
「これは……今までで一番強力な敵が現れたかな」
蒼龍の目は鋭く力に満ちた光を湛えており、その洗練されて落ち着いた立ち居振る舞いを見ても、丕承が想像していたより遥かにできる男なのかもしれないと感じられた。
(拳を交えてみるまではわからんが……)
「生半可な男に、俺の大事な妹をやるわけにはいかん。家柄や権力など関係ない。腕っぷしの話だぞ」
丕承の言葉に、両親は呆れて天を仰ぎ、大きなため息を吐く。
白蓮は目を丸くして口を開けたまま固まり、蒼龍は嬉しそうにニヤッと笑った。
「いいぞ。生半可かどうか、試してみるがいい」
「蒼龍さま!?」
白蓮が驚いて蒼龍を振り返り、慌てて丕承の胸を叩いた。
「兄さま、馬鹿なこと言わないで! 蒼龍さまは皇帝陛下なのよ!?」
丕承は抱きしめていた腕を離さずに答える。
「家柄も権力も関係ないと言っただろう。肝心な時にお前を護れるのは腕に力のある男だけだ」
「兄さまっ!」
白蓮の非難するような表情を見て、蒼龍は苦笑を浮かべた。
「白蓮、義兄の言うことは間違っていない。権力も大きな力ではあるが、最後は腕っぷしだ」
丕承は顔をしかめて不機嫌そうに吐きすてる。
「だれがお前を義弟だと認めた? お前は妹を勝手にさらった、ただの横暴者だ」
蒼龍と丕承は互いに視線を交わして睨み合うと、言葉にせずとも察し合い、揃って房の外へと出て行った。
残された父と母の顔を振り返り、白蓮が「どうしよう?」と聞くと、二人は苦笑を浮かべてみせた。
「大丈夫よ、やらせとけば」
「どちらも確かめたいだけだ。……しかし、陛下もまだお若いな」
虞淵の言葉に、春華も白蓮も眉根を寄せる。
「蒼龍さまは若いってば!」
「丕承と同じ歳でしょ?」
今度は春華の言葉に、白蓮が目を丸くした。
「ええ? 蒼龍さまと兄さま、同じ歳!?」
「白蓮おまえ……夫の歳も知らなかったのか?」
三人は三様に顔をしかめると、とりあえず二人のことが気になって、揃って房の外へと追いかけて行った。
0
あなたにおすすめの小説
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる