願いを叶える魔法の傷薬~俺の異世界転生に必要なスキルを72時間しか遊べない体験版ゲームで取に行くところです~

ゼルダのりょーご

文字の大きさ
上 下
63 / 70

063

しおりを挟む

 
 さて、またひとりになった。
 見えていた古い臭い家屋の並ぶ方へ歩いて行けば、親が探しにでているのかな。

 あいつ確か母親はいると言っていたな。
 さらわれてから帰って来た後も母親がいると言っていたから。
 まあどこまで本当の事かはわからないけど。


「駒ちゃ──んっ! どこまでいったの──ォ?」


 うん?

 甲高い声が寺のお堂に向けて放たれた。
 距離にして20m、俺の耳の穴を目掛けた様に届く声。
 同年代の小さな子供の声が響いてくる。

 駒ちゃんと呼んでいるからきっと俺のことだ。

 家族だろうか。
 女の子のようだ。妹かな、それとも姉貴かな。
 だが俺はいま警戒をしている。

 駒次郎が幼少期のどのタイミングで居なくなるのかわからないから。
 自分の名を呼ぶ声があったからとむやみに駆け寄ってはいけない。
 子供を使って誘い出す手口もあるし。

 だからといって無視すれば家がわからないままだ。
    
 ここはひとつ様子を見るためにお堂の前でじっとしていよう。
 声の主は小さな俺の姿をもう捉えている。
 迷いのない足取りがそれを物語っているのだ。        

 忍びの聴力が今回も引き続き、健在であることを確認できた。
 これで間違いなくこの駒次郎も忍者なのだと安心した。
 他の忍者になったから特技がどうなったかと不安だったが。
 祠の中では女神の処理が終わるまで更新はないからな。

 女神に聞こうものなら物覚えの悪さを咎められる。
 エンジンで調べがつくことは尋ねてはダメ。
 そんなわけで、



 ステータスオープン。



 ☆
 名前:駒次郎
 年齢:07歳
 
 ツナセ長屋に在住の男児
 母一人子一人

 漁師だった父親は駒次郎が3歳の時、沖に出たまま行方知れず
 
 ツナセ長屋一丁目5番地に在住の母親、お袖と二人暮らし

 特技:イシツブテ(命中率60)
    ステルス (気配消し率100)
    聞き耳 (聴力射程30m)
 
 所持:白米おむすび3個(大人茶碗2杯分)
    具材1極上南高梅 具材2紅鮭 具材3温泉卵アツアツとろとろ
    オール海苔巻き
    お茶類 竹の水筒入り(おまけ:サスケを選択できない女神のお詫び)
        茶の種 不問(麦茶でも抹茶でも飲みたい茶を都度所望せよ)


 スキル:未鑑定スキル1個あり
 ☆
   


 うわ。

 特技の率が増大している。
 ステルスなんて100パーじゃないか。物陰さえあれば空気になれるな。
 所持品も奮発してくれている超嬉しいんだけど。

 サスケが使用できなかったお詫びだなんて超ラッキーなんだけど。
 使えないものは仕方のないことなのに。
 女神も痛い所を突かれたくはないんだな……これでよし、としておきます。


「おっと……。スキルの鑑定をしておかなくちゃな」


 スキル鑑定!──【女神エンジン】。


 ピピーピッ。
 ☆
 鑑定結果…………。
 「クソガードSPスペシャル」を獲得できました。
 効果、糞類を全て弾いて身体を守る。
 タイプ【随時】只今より転生者として消滅するまで持続可能なオートスキル。
 ☆

 マジかよ。全てに於いて美味しい結果じゃないか。
 SPがサンプルからスペシャルになっている。運によって昇格したのかな。
 何でもいいや、有難く頂戴します。



「──ちゃん……。駒ちゃんってばっ!」


 あ、さっきの子がすぐ傍までやってきて声を張って呼びかけている。
 女神エンジンを閲覧すると一時的に視界を塞がれ耳の注意力も下がるんだ。
 気を付けなきゃな。
 俺はその子に目をやると、ひとつしかない疑問符を投げかける。


「きみは……だれですか?」


 きっと顔見知りだからこそ名を呼び近づいてくるのだろうけど。
 残念ながらこっちは初対面だから確認をさせてもらうよ。
 君になんの罪もないのだろうけれど、なにも知らないまま手を引かれたりするのは御免だから。


「え!? なに言ってるの、わたしよ……お里よ。駒ちゃん、このところ日暮れ時になるとフラフラと出かけてるっておばちゃんが心配していたよ」


 駆け寄る姿は浴衣姿で入浴か水浴びでも済ませた様にさっぱりとした匂いだった。

 俺の家族ではなかった。

 この子が噂のお里なんだ。それはそれは、はじめまして。
 可愛らしい容姿はしているし、声もよく通っているが。口調が早い。
 後ろ髪を結んでポニーテイル。こめかみに顎下まで真っすぐ垂らされたしなやかそうな黒いほつれ髪。俺好みのさっぱりとした髪型だ。

 「知らないふりをするなんて」と彼女の頬は一度膨れて口を引き結んでいた。
 それに、「このところ…」の部分も気になる。
 そんなに頻繁にフラついているのか。この年齢で。

 というか心配しているという母親はなぜ来ない。
 どうして幼馴染が夜道の一人歩きを平気でするのだ。
 ここら辺はそうとう治安が行き届いているのだろうか。

 もうこんな時間よ、と言い。


「早くおうちに帰りましょ、駒ちゃん」


 面倒見のいい感じにお里は小さく笑い、ピタリと吸い付くように傍に来る。
 俺はこういう雰囲気に慣れていなくて視線を地に落とす。
 彼女は俺の横顔を舐める様に見てくる。まるで盛りの付いた猫のように。

 俺は気持ちが引けてきて長屋へ逃げるように歩き出す。

 あ、手は引かなくていいから。
 俺は自分の腕にまとわりつく彼女の手を振り解いた。
 彼女からは押しかけ女房的な圧力を感じるのだ。


「ひとりで歩けるから離れてくれないか」


 心配をして迎えに来てくれた者に冷たい言い方かもしれないが。
 たしか駒次郎と同じ歳だったな。
 7歳の恋する乙女も悪くはないけど、俺からすればまだ子供じゃん。

 この様子だと好意を寄せているのはお里の方では

 とりあえずこれで自分の家に行けそうなので良かった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

『お前を異世界に配置する』

ゼルダのりょーご
ファンタジー
主人公レオ。14歳男。 14の夏に突然死が訪れた。 目の前に現れた女神は彼に告げる。 「お前を異世界に配置する」 配置されなければならない理由は身勝手で自己中心的であった。 彼に死をもたらせたのは、この女神だったから。 レオの「死」はもう動かせない事実。 彼は、コワ可愛い女神をゆるして異世界に旅立つ。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

処理中です...