願いを叶える魔法の傷薬~俺の異世界転生に必要なスキルを72時間しか遊べない体験版ゲームで取に行くところです~

ゼルダのりょーご

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 意識を奪われてしまった。
 そのままどれぐらい時間の経過があったのかは分からない。
 それを計り知る術はない。
 
 目が覚めた。
 そこに青空はなかった。
 ただ静寂に包まれていた。
 宿屋にでも運ばれたのだろうか。

 
『目を覚ましたようだな、気分はどうだ?』


 その声を聞いた俺は、思わず立ち上がった。
 う、嘘だろ!?


「め、女神様! これはいったい??」


 目の前に女神がいた。
 これは、女神の祠に戻っているようだ。


『思い出して見るがいい』


 あ、
 駒次郎に首を絞められて、落ちたのだった。


「え、あの……。もしかして女神様が窮地から救ってくれたのですか?」

『私が手を貸せるルールだったかな?』


 涼しい目をして女神はそう告げる。
 あ、そんなわけないのか。
 それじゃあ。


「…俺、駒次郎に殺されたんですね?」

『初日に死んでしもうたな』

「ははは……。面目ないです」


 痛みや恐怖はそれほど残っていなかった。
 女神の声も落ち着いているし、そんなに落ち込まずとも良いみたいだ。
 なんとも情けない気持ちではあるが。

 まだ夕暮れにも至らない時間帯だった。
 半日も持たずに死んでしまったのか。


『まあ初回にしては良く生きた、どれ戦歴を見せよ』


 あ、あれか。
 ステータスオープン!


『ほう。しっかりバトルで人助けをし、効率よくポイントを稼げておるな。
 1000ptには満たないが、半分近く稼いだな。やるではないか。
 
 この調子で死ななければスキルを取得できたのだが、残念だったな』

 
 本当に言葉通りである。
 残念である。
 だがここで疑問点が生まれた。
 仕様についてだ。

 死んだら、やり直すわけだが。
 ポイントは続きからなのか、ここで失ってゼロから再出発なのか。
 俺は訊ねた。
 教えてくれるのかな?


『すこし経験を積んで来たようだから、すこし答えてやろう。

 経験を積めるのはゲーム内だけで、ここはログアウトの空間だ、つまり無効だ。

 ここに来てしまうと失点になり、点数は一から稼ぎ直す必要がある。
 でなきゃ、死のペナルティが弱い。ペナが弱いと強力なスキルが引き出せない』


 ゲームの世界を体験して来れば、答えてもらえる項目も増えるのか。
 今回はスキルを貰えないのか、辛いな。
 このまま、またあそこに戻って行くのかよ。
 気が重いなぁ。


「また、すぐ行かなくてはダメですか?」

『これ以上、ここに留まる理由はないぞ。多少の経験だったが、多少は強くなっておる。多少の自信は持って良いぞ。

 では、ジョブチェンジからだ。
 どうしたい? このまま忍者で行くか? それとも変わりたい存在はいるか?』


 変わりたい、ということは忍者は厳しかったからだな。
 その気遣いは嬉しいけど、忍者じゃなくなれば益々厳しいと思う。
 どうやってpt稼ぐんだ。

 
「俺が、ptを稼げるのは忍びの特技があってのことだった。
 その体験後、村人は怖くて選べないです」


 ジョブチェンジはパスして。このまま忍者を継続したい。
 けど、ここでも疑問点があるので訊ねたい。


「ゲームを体験して知ったのですが、俺が成ったのは少年忍者サスケでした。
 べつの忍者も選べたりするのですか?」


 おやまた、女神が怪訝そうな顔を見せている。


『サスケはお前にとって不適合だったのか、扱いやすい存在でなければ返って辛くなると判断してのことだったのだが』


 扱いやすさ、か。
 確かに。
 そして俺はサスケで間違いなさそうだな。

 駒次郎なんかに成ったら、強い分、敵も引き付けてしまうんだな。
 あいつこそ、何を抱えているのか分からないし。
 戦う必要はべつにないのだから。
 死亡率を下げる意味では強い忍者は避けるべきということだ。

 つまりは出来なくはない、そういうことですね。
 さらに訊ねたいことが出て来た。


「駒次郎に会いたくないのですが、サスケのまま出る場所を変更できますか?」
 
『お前はこう言いたいのだな。
 
 二の舞に成りたくないから、出発地点を変えたいと。では、どこがいい?

 ツナセ街道。ツナノセ神社。宿場。芝居小屋。鉱山。綱隠れの里。長屋。
 すでに登場した名称でなければ駄目だが、候補はこれくらいだ』


 お、なるほどね。
 選択可能に成ったってことか。
 遊郭は除外されてるな。女じゃないから金を使う側になるってことかな。

 鉱山からの出発だと、駒次郎に出くわしそうだ。
 綱隠れの里か、長屋だな。あいつらの実家? も危険だ。

 綱隠れの里がいいかもしれない。場所を知っておくいい機会だ。
 
 うん?
 待てよ。

 すでに登場した名称と女神は言ったのか。

 とても重要なことだぞ、これは。
 俺もしかしたら天才かもしれない。
 そんなレベルのことを閃いちゃった。

 聞けるのなら聞いておきたい。


「教えてもらえるか分からないけど、とりあえず聞いてください」

『話して見ろ』

「時間軸の変更って可能ですか?」

 
 俺の質問の意味が不透明だったので女神はもっと噛み砕いて説明しろといった。
 女神が説明を要求してくれた。
 これはもしかしたら、もしかするぞ。

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