願いを叶える魔法の傷薬~俺の異世界転生に必要なスキルを72時間しか遊べない体験版ゲームで取に行くところです~

ゼルダのりょーご

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 女神の祠。
 俺がそう呼んでいる。
 跡形もなく粉みじんに吹き飛んでしまった。

 なんてことをしてくれたんだは、俺の心の呟きだ。

 その祠の中には小さな子供なら何とか隠れられたかもしれない。
 祠としての内部を覗いて見てないから、何とも言えないけど。

 駒次郎が戦った相手は比較的小柄な人物なのだろうな。

 多分もう、この辺りには居ないだろう。

 
 それはそうと、歩行時間が三分ほどになる。
 俺が一度歩いた方向にまっすぐ進んで来た。
 駒次郎はまるで俺の足跡を辿るかのように同じ場所へ行くのだ。
 やはり、
 一向に境内らしきものが見えて来ない。

 それは知っている。

 まあ駒次郎が迷子になるわけもないだろうが。
 お前のいう神社の境内はかなり奥にあることにならないか。

 たしか俺に奥に入り過ぎるなと忠告したよな。
 なんの忠告だったんだ。

 ああ、そうだった。

 神社って、子供を隠す場所だという話だったな。

 あの時はお前があまりに俺を笑うものだから、気にも止めなかったけど。

 そんな場所だったっけ。

 そういや現代でも、迷子が出ると「神隠し」という言葉は聞くけど。
 長く消息が分からず、そのまま帰らない場合、その話題になるのは知っている。

 だけど非現実的だろ。

 神様なんてどこにもいないし。
 だれも見たことがない。
 居たとして子供を連れ去る神様なんか、だれが崇めたいんだ。

 神隠しっていったい何なの?


 神隠し──【女神エンジン】!!

 
 ピピ…。

 神隠しは喪中に神棚を白い紙や布で覆う慣わし、…か。
「神棚っちゅうのは何処にあるんだ?」。 

 人間がある日忽然と消え失せる現象。
 ふむふむ。
 神域である山などで人が行方不明になったり、町から前触れも無く失踪することを神の仕業としてとらえた…ふむふむ。

 あ、そうだ!
 境内も検索するか。

 境内はどの辺ですか──【女神エンジン】。


 うん?
 外の土地と聖域を分ける境界の……え!?
 「神社の敷地」を境内という。

 じゃあ、ここも含んでいるじゃん。
 あいつは何処へいくんだよ。
 そして俺の苦労は何だったんだよ。

 てっきり何らかの建物も含んだ場所だと思い違いをしていたよ。
 それは忘れてやるとして。

 子供をさらう神様が居るとして、どこへ連れて行くんだ?
 帰って来ることもあるのだとしたら、その子供は神様に会った記憶の持ち主だ。


 普通に「すげぇ」。


 と、こんなことを今までまじまじと考えたことはない。
 警察や消防の大人がそのうち見つけ出すからな。俺は気にした記憶もない。


 まあ、考えさせられたお陰で良い勉強になった。

 そろそろだな。
 俺が面を喰らった場所に入るはずだけど。

 入るわけないか。
 ウダウダと考え事をしていたからな俺は。

 あ、
 駒次郎がおもむろに立ち止まった。

 なぜ……。
 歩行速度を落とした。
  
 キョロキョロと周囲の様子をうかがっている。
 いたって山の裏手という感じで、とくに何もないんだけど。
 その辺に地下の入り口でも隠されているのか?

 俺は彼の真後ろにとても立てない。
 そんな至近距離に居たら流石にバレるからな。
 姿が見えないわけじゃないしな。

 すこし離れた木々の陰に気配を消し、潜んでいる。
 あいつが忽然と姿を消したら、どうしよう。

 あああ、それならいっそのこと。
 いま飛び出していって、「こんなとこに居たのかよ」と合流すればいいかな。

 よし、そうと決まれば……。



「……おい、これはどういうことだ!?」



 うわ、びっくりさせんなや。

 思わず、身を隠してしまった。
 条件反射で、元の木の陰に飛びこんだ。

 もう少しで、駒次郎に話しかける所だったぞ。
 彼が完全に立ち止まって、突然、声を発するものだから。

 地下の入り口が開かなかったとか……。
 いや、そうではないようだ。

 木々が割とあって彼の見つめる先がよく見えないのだが。

 何かに驚いたようだ。
 いったい何を見ているのだ。

 俺は思い切って木の上に登って観察をしてみた。



「マジかよ!?」

「まさかよ!?」



 俺の声がちょい先なんだが、ほぼ同時に口をついて出てしまった。

 これは、そこに見えるのは祠じゃないか。
 周囲を木材で補強されたやつだ。
 俺が屋根の上に乗っかってたやつだ。まったく同じだ。

 彼も一度近づいて見るが、やはり背後を向いた。
 祠に手を当てて、あちこち見回した後、自分の背後を気にしたのだ。

 あ、

 やっぱり、確認に行くみたいだ。
 その先にツナセ街道があるのかを。

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