願いを叶える魔法の傷薬~俺の異世界転生に必要なスキルを72時間しか遊べない体験版ゲームで取に行くところです~

ゼルダのりょーご

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 突然死──そこに何があったんだろう。
 女神は見ていたんだろうか。
 状況ぐらい説明してくれないかな。
 説明受けて俺は納得できるのかな。

 できないだろうな。

 事故死だろうと病死だろうともしくは他殺の線はないか。
 ははは。
 知れたところでやり返すすべもないというのに。

 どれぐらいの時間経過があったのか。
 とにかく死んだ、それは間違いなく。

 もう振り返ろうとか思わない。
 思えないんだ。
 家を恋しんだって戻れないし。
 泣いたって、わめいたって現状は変わらない。
 考えようとすると力が抜けていくんだ。不思議だ。


 振り向こうとすると涙が出る寸前の、あの目の奥にジンとくる切ない感じがする。


 死なんて、あっさりと受け容れられる年齢じゃない。
 未練はあるよ。たくさんあるよ。とても悔しい。
 きっと今頃、町のやつらは笑ってるんだろうな。
 変人消えてくれて清々するとか。


 俺が街の奴らに受けてきた状況──【女神エンジン】。
 

 知りたいことが分かるんだろ、これ。映像でもいいんだった?
 俺をどんな風に見ていて、お前らは何を感じていたんだ。
 俺の目に映っていたお前たちよ、何かを語れ。


 ピピ!
 検索完了。


 いじめ。差別。偏見。マウントによるドミネーション(支配)
 格差の見せつけ。ペット化。


 その手のケースに見受けられる症例から、ADHD or 自閉症。可能性低め。
 対人緊張の類と見受けられる。将来的に双極性障害へ移行…可能性あり。


「う~ん。よくわからんけど、精神疾患なのかな。親が一番認めないやつだ」


 さぞ、とろくて苛立ってたんだろうな。
 薄々とは感じていた。だが自分ではどうにもできない悩みだった。



 ◇



 俺の大好きなUFOが候補から消えた。
 次にと言われるなら印籠ぐらいだ。
 これは、模造品になるが。バレなきゃOKなんだろ。

 名前がこうだから、時代劇にハマッていたけど。
 さして詳しくもない。
 むしろ小難しい歴史なんて苦手だ。
 強い者は格好良くなれる、思いやりも持てる。
 人助けもしてやれる。
 そんな憧れが漠然とあった。
 けど俺にあんな強さ身に付くはずないし。

 せめて身分制度のあった徳川の印籠をひそかに抱いて、忍びに成り切って一人遊びをし、孤独を紛らわしていた哀れな身の上さ。


 遠足で覚えた道を頼りにひとりで行った映画村。
 近くに土産物店があり、そこに40000円ほどで売っていた。
 貯めていたお年玉を使いにいったんだ。
 だれも知らない俺の宝物なんだ。

 うわぁ。
 今さらだけど、まじで取りに帰りたい。
 持って行ければ、心のお守りぐらいにはなる。


 あ、そうだ!


 俺所有の三つ葉葵の印籠──【女神エンジン】。


 
 ピピ!
 検索中……現存確認あり。調達可能──転送します。



「お、俺の印籠だ。土産物だけど。これがな、洗っても剥げたりしないんだ。黒地に金色……なんて神々しいんだろう。うっとりしちゃう」

『なにかを手にしているな。持ち込むモノが決まったなら、早速出発しようか』

「忍者と印籠は不釣り合いだけど、買いだもん」

 見間違えるはずもない。
 俺の宝物が目の前にスーッと現れた。
 理屈なんてどうでもいいんだ。
 君だけは俺を裏切らないよな。

 身分の高いジョブなんか選べなかったんだし、見つからなきゃいいだけだ。

 死と眠りは似たような状態だといつか医者が言っていたな。
 これからいい夢だけを見に永遠の眠りに入るだけなんだ。

 それでいい……、もうそれでいいや。


 
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