願いを叶える魔法の傷薬~俺の異世界転生に必要なスキルを72時間しか遊べない体験版ゲームで取に行くところです~

ゼルダのりょーご

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 ついに俺は例の白いやつと対面することに。

 信じがたいことだが、雲の上に来ている。
 いつも見上げていたあの空の上にある、あの雲だ。

 今日は日本晴れ。
 とても青々とした空だが、遥か上空には雲があったんだな。

 まっしろな雲だったんだ……目を覆い始めたあの白いモヤは。
 いつもは地上から何気なく見ているから綿あめとでも思っていた。
 雲は確かガスなんだよな。
 軽いから浮いているのか、それとも無重力によるものか……それすら知らん。

 ヒュウウ。

 止まっていた風がそよぎ出す。
 足元に少しだけ足場のように雲の切れ端が残る。地上の風景があらわになった。
 それ以外は、サアァっと蜘蛛の子散らすように消えていった。

 やつが言ったとおり、眼下を見下ろす。
 さっきまで俺の居た場所が、豆粒のように小さく見えている。

 こんな高い所、登ったことがないよ。
 山よりも高い。流れる雲以外はなにも目に映らない。




 ◇



『落ち着きを取り戻したか? そのまま黙って聞くがいい──』



 やつは女神。
 そう名乗った。
 だけど未だに姿を見せないでいる。

 落ち着きを取り戻しただって? 精一杯、恐怖に抵抗しているだけだ。
 身体は固定されたように宙で安定していた。
 何かに縛られている感触は一切ないけど。

 もう俺には何もできやしない。
 説明を求めたことだし、聞いてやるさ。

 どこに視線を置けばいいのか?
 眼下を見ると背筋が凍りそうだから、前を見ていようか。
 ちょうど木の枝に腰掛けていた時の感じになった。

 すると、ぬうっと女神ってやつの半身が俺の顔に近づくのを感じた。


「うおっ! し、白い……。霊じゃないのか。あんたナニモンだよ」

『お前は頭が悪い方か? 説明を繰り返したくはないが。私は神の一族で、神々の住む世界からやって来た』

う~ん。確かにそれは聞いたな。──にしても、頭の良し悪しは関係ないだろ。
 驚愕してるんだよこっちは。
 そりゃあ良い方かと聞かれれば、悪い方だと即答できるぐらいだ。

 俺はやつを睨むでもなく、見た。そしてコクンと肯いた。


『私の世界は、人間が死んだ後に辿り着く天国のようなものだ。神や天国という世界観が嫌いなら、単なる「異世界」と思えばいい』

「嫌いとは言ってないけど。なんで急に優しくなったの?」

『や、優しくした覚えなどないっ!』


 うん? なぜか声がうわずったぞ。


「そうなのか、お、怒んなくてもいいじゃん」

『ただ下界を見渡せば、寺社仏閣が多い街並みだから。お前が好まぬイメージなら行きたがらない。そう考えただけだ、勘違いするな』


 咳ばらいをした後、すこし語気を強める。
 物言いは厳しい感じだけど。

 それを人は気遣いと言うのですよ、女神様。
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