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  中二の神様はゲームの作者を探して俺の元へやって来たのだ。

 神様たちは皆、ゲームの舞台を用意できる能力があって異世界創作者なる者たちの依頼により、異世界ゲームを構築しているんだとか。

 作者とは共同作業になるがウケが悪いと稼ぎに大きく悪い影響がでる。
 売れっ子作者の多くは、おもちゃ神界や出版神界やアニメ神界へと昇格していったらしいのだ。

 つまり中二の神様は、まだ売れっ子ではないということだ。

 そんな神様は無名の作者を訪ねて来るしかなかった。
 もっとも異世界創作者になるには死を以て転生しなければならないのだった。

 そんなくだらない理由で俺は死んでしまったのか!
 あんたらの世界のことが俺と何の関わりがあるというのだ。

「こんの、人でなしのクソったれがああああああぁぁあ!!!」

 あ……。

『誠にすまぬことだが、もうお前しかいないのだ』

「いやその……神様?……頭を上げてくださいな」
 
 また怒鳴られるかと思って一瞬怯んだが。
 よもや謝罪をするとは思わず、拍子抜けしてしまった。

 もういいよ、と思った。
 すでに死んでいることだし。そうあっさりと割り切れるものでもなくて、思わず雄叫びを上げたのも事実なのだが。

「俺みたいな子供で役に立てるの? いったい何があったのさ」

 俺の疑問に何も言わず、手を額に当てて来た。
 こちらの脳内に神様が現れた経緯がスッと入ってきた。

 異世界創作者。
 それは神ゲームの設定を創作する権限を授かった存在であり、しかもその主人公は作者自身なのだという。

 事故や病死が一般的な死の理由で、転生時に神様に会い、説明を受けることで異世界へ入界。
 と言った流れがある世界を次々と考案した。つまり転生者が転生先で小説を書いただけなのだが。

 転生という実体験を活かし、その後の暮しをフィクションでの追体験として小説に落とし込んで楽しんでいた所、神様に見つかり取り上げられたのだ。

 好奇心の旺盛な神だった為、地上の一部にそれを再現して転生者たちをそこに住まわせて様子を見ていたら、多くの神々が物珍しさに集まり、たちまち神界で大流行。

 人間達の思い描く創作物は多くの神貴族たちにすっかり好評で、神様の世界に人間たちの創作物を取り込んで暮らすようになる。

 転生者自体は元々ひっそりと暮らすしかない存在だったわけだ。

『神々は何でも出来てしまうが、人間の様な創作ができなかったのだ』

「神様って案外、不器用なんですね」

『ゴッホン! 読み物が素晴らしかったり、面白かった者に地位と名誉を授けることに。そして数万の月日が流れ──』

 わざとらしい咳払いも怖かったが、聞き流してくれて良かった。
 地位と名誉を。いいな、賞金も出るのかな。
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