4 / 10
04
しおりを挟む
中二の神様はゲームの作者を探して俺の元へやって来たのだ。
神様たちは皆、ゲームの舞台を用意できる能力があって異世界創作者なる者たちの依頼により、異世界ゲームを構築しているんだとか。
作者とは共同作業になるがウケが悪いと稼ぎに大きく悪い影響がでる。
売れっ子作者の多くは、おもちゃ神界や出版神界やアニメ神界へと昇格していったらしいのだ。
つまり中二の神様は、まだ売れっ子ではないということだ。
そんな神様は無名の作者を訪ねて来るしかなかった。
もっとも異世界創作者になるには死を以て転生しなければならないのだった。
そんなくだらない理由で俺は死んでしまったのか!
あんたらの世界のことが俺と何の関わりがあるというのだ。
「こんの、人でなしのクソったれがああああああぁぁあ!!!」
あ……。
『誠にすまぬことだが、もうお前しかいないのだ』
「いやその……神様?……頭を上げてくださいな」
また怒鳴られるかと思って一瞬怯んだが。
よもや謝罪をするとは思わず、拍子抜けしてしまった。
もういいよ、と思った。
すでに死んでいることだし。そうあっさりと割り切れるものでもなくて、思わず雄叫びを上げたのも事実なのだが。
「俺みたいな子供で役に立てるの? いったい何があったのさ」
俺の疑問に何も言わず、手を額に当てて来た。
こちらの脳内に神様が現れた経緯がスッと入ってきた。
異世界創作者。
それは神ゲームの設定を創作する権限を授かった存在であり、しかもその主人公は作者自身なのだという。
事故や病死が一般的な死の理由で、転生時に神様に会い、説明を受けることで異世界へ入界。
と言った流れがある世界を次々と考案した。つまり転生者が転生先で小説を書いただけなのだが。
転生という実体験を活かし、その後の暮しをフィクションでの追体験として小説に落とし込んで楽しんでいた所、神様に見つかり取り上げられたのだ。
好奇心の旺盛な神だった為、地上の一部にそれを再現して転生者たちをそこに住まわせて様子を見ていたら、多くの神々が物珍しさに集まり、たちまち神界で大流行。
人間達の思い描く創作物は多くの神貴族たちにすっかり好評で、神様の世界に人間たちの創作物を取り込んで暮らすようになる。
転生者自体は元々ひっそりと暮らすしかない存在だったわけだ。
『神々は何でも出来てしまうが、人間の様な創作ができなかったのだ』
「神様って案外、不器用なんですね」
『ゴッホン! 読み物が素晴らしかったり、面白かった者に地位と名誉を授けることに。そして数万の月日が流れ──』
わざとらしい咳払いも怖かったが、聞き流してくれて良かった。
地位と名誉を。いいな、賞金も出るのかな。
神様たちは皆、ゲームの舞台を用意できる能力があって異世界創作者なる者たちの依頼により、異世界ゲームを構築しているんだとか。
作者とは共同作業になるがウケが悪いと稼ぎに大きく悪い影響がでる。
売れっ子作者の多くは、おもちゃ神界や出版神界やアニメ神界へと昇格していったらしいのだ。
つまり中二の神様は、まだ売れっ子ではないということだ。
そんな神様は無名の作者を訪ねて来るしかなかった。
もっとも異世界創作者になるには死を以て転生しなければならないのだった。
そんなくだらない理由で俺は死んでしまったのか!
あんたらの世界のことが俺と何の関わりがあるというのだ。
「こんの、人でなしのクソったれがああああああぁぁあ!!!」
あ……。
『誠にすまぬことだが、もうお前しかいないのだ』
「いやその……神様?……頭を上げてくださいな」
また怒鳴られるかと思って一瞬怯んだが。
よもや謝罪をするとは思わず、拍子抜けしてしまった。
もういいよ、と思った。
すでに死んでいることだし。そうあっさりと割り切れるものでもなくて、思わず雄叫びを上げたのも事実なのだが。
「俺みたいな子供で役に立てるの? いったい何があったのさ」
俺の疑問に何も言わず、手を額に当てて来た。
こちらの脳内に神様が現れた経緯がスッと入ってきた。
異世界創作者。
それは神ゲームの設定を創作する権限を授かった存在であり、しかもその主人公は作者自身なのだという。
事故や病死が一般的な死の理由で、転生時に神様に会い、説明を受けることで異世界へ入界。
と言った流れがある世界を次々と考案した。つまり転生者が転生先で小説を書いただけなのだが。
転生という実体験を活かし、その後の暮しをフィクションでの追体験として小説に落とし込んで楽しんでいた所、神様に見つかり取り上げられたのだ。
好奇心の旺盛な神だった為、地上の一部にそれを再現して転生者たちをそこに住まわせて様子を見ていたら、多くの神々が物珍しさに集まり、たちまち神界で大流行。
人間達の思い描く創作物は多くの神貴族たちにすっかり好評で、神様の世界に人間たちの創作物を取り込んで暮らすようになる。
転生者自体は元々ひっそりと暮らすしかない存在だったわけだ。
『神々は何でも出来てしまうが、人間の様な創作ができなかったのだ』
「神様って案外、不器用なんですね」
『ゴッホン! 読み物が素晴らしかったり、面白かった者に地位と名誉を授けることに。そして数万の月日が流れ──』
わざとらしい咳払いも怖かったが、聞き流してくれて良かった。
地位と名誉を。いいな、賞金も出るのかな。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる