もう一度、彩りを

白うさぎ

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酔っ払いのおかげ

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ある夜、いつも通りAngeへ向かった。
「今日もお疲れ様」
「お疲れ様、直人さん」
カチンとグラスを鳴らし、今日はタクシーで帰るつもりで行きもタクシーで来たためアルコールの入ったワインを頼んだ。
「やっぱりここのオーナーのおすすめのワインは美味しいわね」
「百合さんもそう思う?白ワインも美味しいんだよ、ここ。」
「今度また飲んでみたいな」
「じゃあ、次は白ワインにしよう」
「楽しみ!!」
今日は2人でパスタにした。
Ange以外にも食べに行ったりしてはいるが、なんだかんだここに落ち着く。
直人が医者でなければこんなとこでディナーなどありえないだろう。


食事も終わり直人が会計をして、お手洗いに行った。
先に外に出て百合はタクシーを捕まえるべく道路を見ていると近くの繁華街からきたであろう男2人に絡まれた。

「おくさ~ん、ひとり~」
「おれらと、ヒック、いっぱい飲みませーんか~うーヒック!」
明らかにベロベロな50代2人。
「すみません、連れがいますので失礼します」
せめてビルの中に戻ろうとするが、手を掴まれてしまった。
看護師であるため、手など怪我はしたくない。
どうしたものか...と困っていると
「僕の大切な人に何か?」
低い声を出し男を直人が牽制した。
「んだよ、ただヒック、声かけただけだろ~」
「迷惑です。」
「あ゛~!?」
「直人さん!」
「これ以上ここにいるなら、そこにいるパトカーに保護してもらうことになりますがよろしいですか?おまわ!」
「わ~かったよ!なんだよ、つれねーな」
そう言って酔っ払いは去って行った。
「最近の酔っ払いもまだまだしつこいですね。」
「ありがとう、直人さん。どうしよーかと思ったわ」
「好きな人を守るのは当たり前だよ」
直人は百合のおでこにキスをして、次に唇にキスを落とした。
「直人さんも酔っ払い?」
クスクス笑うと、
「酔っ払いだろうが好きな人を触られるとこうなるんだよ。僕は百合さんが思っているより嫉妬深いんだ。」
「そうなの?」
「さあ、タクシー拾って帰ろう」

この時直人は早く百合に結婚を申し込まなければと決めたとか、、、。
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