もう一度、彩りを

白うさぎ

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プロポーズ

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「夜遅くにすまない」
おしゃれなレストランAngeアンジュについた。
「ご飯もう食べたかな?」
「いえ、今日は子供たちだけ...ハンバーグにしたら喜んでました。」
「良かった。コースにしたんだ。」
「こんなおしゃれなレストラン来たことないです。」
「ここは夜はバーにもなっているから、お気に入りの店なんだ」
夜景が綺麗なビルの一角に作られたレストラン&バーであるAngeは、金持ち行きつけの店だと百合はのちに知った。
安い店だと、スタッフや患者と出会い噂が広まりかねないという直人の配慮であった。


柔らかそうなお肉や、味わった事ない深みのあるコクの野菜スープなど百合は驚きながらも堪能した。
デザートが出てきたところで直人が席を外した。
戻ってきた直人の手には9本のバラがあった。
「百合さん、僕と将来的なことも考えてお付き合いしていただけませんか。」
百合は驚いたが、自分も直人に惹かれていたのも事実だった。
「もちろん、すぐに入籍なんて考えていません。ゆっくりでいいので。」
「ありがとうございます。こんな私でよければ...」
「よかった!あー!!安心した!断られたらどうしようと思ってた!」
直人の喜びに百合も嬉しくなった。
いつになく砕けた話方をする直人は新鮮で、百合はなぜだか涙が出ていた。
「あ...すみません。取り乱しました。」
「いえ、なんだか直人さんと距離が近づけたように感じて嬉しいです。」
「では、敬語はなしで!」
「わかりました!すぐには慣れませんが...」
「今もすでに敬語だね」
「あ、ごめんなさい」
「謝らなくて大丈夫!百合さんのペースで!」
「ありがとう」


それから直人と百合はお互いの子供の話で花が咲いた。



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