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第11章 甘えるということ
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時計を見るとまだ午前3時。真夜中だった。
おはようって言われたからもう少なくとも6時かなと思ってた。
点滴は終わっていたけど、看護師さんから脱水気味だからその点滴をこの後するといわれた。
嫌だったけど、こればかりはしないとこの看護師さんの時間を取ってしまうかもしれない。
しぶしぶ承諾をしたけど、俺が拒否しても寝てる間にやるんだろうな・・・。
身体の上半身は自分で拭いて背中だけお願いした。
病院着は上下別れているものだから看護師さんに反対向いてもらって着替えた。
少し乱れた呼吸になんとなく熱の高さに気づいてしまった。
「体温測ってもいい?」
首を横に振る。
どうせ測られるけど俺が起きてる間は測らないで。自分の熱の高さは知らない方が体がまだ軽く感じるから。
「わかった。後で測るね?夜中に起こしちゃってごめんね。もう寝てもいいよ?」
「ありがとう・・・ございました。」
「うん。じゃあおやすみ。」
「おやすみなさい・・・」
布団を首元までかけられて瞼を閉じた。
次は起きた時は朝の8時。
寝すぎたな・・と思ったが体が夜中より軽くなっていたので良しとする。
「廉ちゃん。」
母さんがベッド横のイスに座っていた。
「廉ちゃんごめんね。」
「どうして謝るの・・・?脱走してごめんなさい。」
「廉ちゃんママたちが悪いの、お願いだから謝らないで。」
母さんが涙を目にためて俺に言ってくるが意味が分からない。
どうして謝るなというのだろうか。
悪い事をしたのだから謝らないと駄目じゃないか・・・。
「廉ちゃん、ママも直人さんも間違ってた。廉ちゃんに甘えろって言っておきながら厳しくし過ぎた。脱走だって廉ちゃんがどうしてそんなことしたのかなんて考えるより先に頭ごなしに怒りで廉ちゃんに怒ってた。ごめんなさい。」
そう言って頭を撫でてきた母親の手にビクッと体を震わせる。
「廉ちゃん・・・。」
しんみりしていたところにいつもは関わらない先生が入ってきた。
「廉くんおはようございます。」
「・・・おはようございます・・。」かかわりのない男の先生にビクッとして小さい声で挨拶をする。
挨拶小さかったなと、布団の下で太ももをつねる。
「廉くん、今日はね退院はできなくなったんだ。」
「・・・・。」
「昨日の夜中に嘔吐したりお腹痛くなったの覚えてる?」
「・・・はい・・。」
「熱も出たでしょ?ちょっと胃が心配なんだ。だから胃カメラ検査してもいいかな?」
胃カメラ検査ってあの吐いちゃうって聞く奴だよね?
フルフルと首を振る。
「この検査怖いよね。でもね最近はカメラも小さくなったし、鎮静剤の点滴してその間に検査できるんだ。ちょっとだけ頑張ってほしいなぁ。」
話を聞いていた時におじいちゃん先生が入ってきた。
「廉くん、おはようございます。」
「おはようございます・・・。」
「顔色が悪いね。唇もカサカサ脱水かな?」
「わかんない・・・です。今起きたばかりで・・・。」
「島原先生、今日ちょっと胃カメラしようと思ってて。」
「記録は読んだよ。確かに胃カメラはした方がいいね。廉くん、じいちゃんも検査前に行くから頑張ってみないか?」
「・・・。怖い・・・です。」
「大丈夫。じいちゃんも何回も実験台になってきたが吐いたことは5度だ。」
そう言ってあははと笑うけど、5回って何回中の5回かによって俺の恐怖は変わるんだけど・・・。
布団の中では受けないと先生たちに迷惑かけるという気持ちと、怖いという気持ちでまた太ももをつねっていた。
おはようって言われたからもう少なくとも6時かなと思ってた。
点滴は終わっていたけど、看護師さんから脱水気味だからその点滴をこの後するといわれた。
嫌だったけど、こればかりはしないとこの看護師さんの時間を取ってしまうかもしれない。
しぶしぶ承諾をしたけど、俺が拒否しても寝てる間にやるんだろうな・・・。
身体の上半身は自分で拭いて背中だけお願いした。
病院着は上下別れているものだから看護師さんに反対向いてもらって着替えた。
少し乱れた呼吸になんとなく熱の高さに気づいてしまった。
「体温測ってもいい?」
首を横に振る。
どうせ測られるけど俺が起きてる間は測らないで。自分の熱の高さは知らない方が体がまだ軽く感じるから。
「わかった。後で測るね?夜中に起こしちゃってごめんね。もう寝てもいいよ?」
「ありがとう・・・ございました。」
「うん。じゃあおやすみ。」
「おやすみなさい・・・」
布団を首元までかけられて瞼を閉じた。
次は起きた時は朝の8時。
寝すぎたな・・と思ったが体が夜中より軽くなっていたので良しとする。
「廉ちゃん。」
母さんがベッド横のイスに座っていた。
「廉ちゃんごめんね。」
「どうして謝るの・・・?脱走してごめんなさい。」
「廉ちゃんママたちが悪いの、お願いだから謝らないで。」
母さんが涙を目にためて俺に言ってくるが意味が分からない。
どうして謝るなというのだろうか。
悪い事をしたのだから謝らないと駄目じゃないか・・・。
「廉ちゃん、ママも直人さんも間違ってた。廉ちゃんに甘えろって言っておきながら厳しくし過ぎた。脱走だって廉ちゃんがどうしてそんなことしたのかなんて考えるより先に頭ごなしに怒りで廉ちゃんに怒ってた。ごめんなさい。」
そう言って頭を撫でてきた母親の手にビクッと体を震わせる。
「廉ちゃん・・・。」
しんみりしていたところにいつもは関わらない先生が入ってきた。
「廉くんおはようございます。」
「・・・おはようございます・・。」かかわりのない男の先生にビクッとして小さい声で挨拶をする。
挨拶小さかったなと、布団の下で太ももをつねる。
「廉くん、今日はね退院はできなくなったんだ。」
「・・・・。」
「昨日の夜中に嘔吐したりお腹痛くなったの覚えてる?」
「・・・はい・・。」
「熱も出たでしょ?ちょっと胃が心配なんだ。だから胃カメラ検査してもいいかな?」
胃カメラ検査ってあの吐いちゃうって聞く奴だよね?
フルフルと首を振る。
「この検査怖いよね。でもね最近はカメラも小さくなったし、鎮静剤の点滴してその間に検査できるんだ。ちょっとだけ頑張ってほしいなぁ。」
話を聞いていた時におじいちゃん先生が入ってきた。
「廉くん、おはようございます。」
「おはようございます・・・。」
「顔色が悪いね。唇もカサカサ脱水かな?」
「わかんない・・・です。今起きたばかりで・・・。」
「島原先生、今日ちょっと胃カメラしようと思ってて。」
「記録は読んだよ。確かに胃カメラはした方がいいね。廉くん、じいちゃんも検査前に行くから頑張ってみないか?」
「・・・。怖い・・・です。」
「大丈夫。じいちゃんも何回も実験台になってきたが吐いたことは5度だ。」
そう言ってあははと笑うけど、5回って何回中の5回かによって俺の恐怖は変わるんだけど・・・。
布団の中では受けないと先生たちに迷惑かけるという気持ちと、怖いという気持ちでまた太ももをつねっていた。
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