嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第8章 彼女と空

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「寒ーい!!」
百々にマフラーぐるぐる巻きにされて、直人さんに手袋はめられた俺は少し寒い程度。
百々もマフラーぐるぐる巻きにしてるけどボスのリード持ってるからかふわふわのお気に入りの手袋は今日はしていない。
直人さんはイケメンなコートを着てインナーとカイロであったかいようで、百々だけずーっと寒い寒いといい続けている。
そんな百々をよそに待ちに待ったお散歩のボスはルンルン。
「もぉボス!!歩くの早すぎ!!」
「ボスが早いんじゃなくて、百々が遅いんだよ。気づいてる?歩幅いつもより小さいの。」
さっきからちょこちょこ猫背で歩いている百々。
俺と直人さんより3歩後ろをボスと歩いている状況。
「百々、ボスもつの代ろうか?」
「いい!百々が持つ!」
「ふふ。廉くん百々ちゃんに任せよう。」
30分の散歩を百々の寒い寒いという声をずっと聴きながら終わらせた。
「お帰りなさい。寒かったでしょ?」
「うん・・・。百々がうるさかった。」
「百々ちゃん、お風呂入っておいで。ゆっくりあったまるんだよ?」
「ぅぅ・・・・。」
「百々ちゃん手袋していかなかったの?手足は暖めてた方がいいって昔から教えてるんだけど。」
「百々手袋汚したくなかったんだよ。」
「あれお気に入りだものね。」
百々について話していたところで直人さんのスマホが鳴った。
「もしもし。廉くんを困惑させたようだな。」
そう言って直人さんが笑っている。おそらく翔さんだろう。
『廉くん、泣いてた?』
「なに。泣かせるようなことしたの?」
『いや、してないけど。びっくりさせちゃったかなって。』
「お前たち、5日とか行ってないで今日挨拶においで。」
『今日!?』
「今日。」
『本気で言ってる!?』
「ああ。」
『わかったよ。でも親父明日早出だよね?』
「そんな挨拶に時間なんてかからないだろ?」
『まぁ。わかった。なるべく早くそっちに行くよ。』
「気を付けてな。」
『ありがと。優しいんだか怖いんだか。』
「なんか言ったかい?」
『なんにも。』
電話を切ってスムージーを飲んでる俺の前でしゃがんだ直人さん。
「今晩翔が彼女連れて挨拶にくるよ。」
「・・・・。」
「くぅーん。」
ボスが俺が緊張したのを悟って顎を膝に置いてきた。
「廉ちゃん。翔君の彼女さん嫌いなわけじゃないんでしょ?」
嫌いも何も数秒しかあってないし・・・。
「ま、廉ちゃんこれが現実よ。いつか百々ちゃんだって彼氏連れてくるんだからね?」
「・・・・。」

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