嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第8章 彼女と空

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苦しい・・
『あんたがいるから・・・』
・・・・誰?首を締める女に俺は見覚えはない。
夢ということはわかるのだが苦しくて息が吸えない状況にそろそろ限界がくる。
『酸素!!!』
『起こすのが先かもしれないな!』
なんだか女の背後から声が聞こえる。
硬直した体は自分の意思では一切動かせそうにない。
『あんたさえ消えれば!!・・・』
消えればって・・・会ったこともない人に俺そんなこと言われなきゃダメ?
『廉くん、戻っておいで!!頑張って!!』

ぼやぁっと視界が明るくなる。
酸素チューブが嫌で取ろうとすると「ダメだよ。まだしていてね。」と直人さんに手を布団に戻される。
何でこうなってるかわけわからないという顔で直人を見ると、「廉くん?なんか覚えてない?」と聞かれた。
「くるしかった」
「うん、息ができてなかったからね。」
「できてなかった・・・?」
「翔がびっくりしてナースコール押してね。僕が病室に来た時には翔が必死に声をかけたり、ほっぺたぺちぺちしてたけど廉くん全く起きなかったんだ。」
「そんな感覚全くなかった・・・。」
「そうだと思うよ。全く反応なかったからね。どうしたんだろうね。精密検査してみるかい?」
「・・・いやだ。」
「あはは。そんなすぐに拒否しなくても。でも、また同じことあったら大変だしね・・・。」
「たぶん、金縛り・・・。」
「金縛り?」
「夢で女の人に首絞められてた・・・。動けなかった。」
「廉くん疲れてるからなりやすいのかな?」
「あんたさえ消えればって言われた・・・。」
少しだけ涙が出ると、そっと拭ってくれた直人さん。
「そっか・・・。生霊とかかな?原因はどちらにせよ翔だな。」
「直人さんは・・・金縛り信じるの?」
「そりゃそれを否定したらお墓で空とコミュニケーション取ってるのも否定することになるからね。」
「・・・・。あ、空君も夢であった・・・」
「空がなんか言っていたかい?」
「部屋の隅・・・ぬいぐるみ・・・離さず持ってて。」
「ぬいぐるみ?廉くんのお部屋にあるのかな?」
「ん・・・・。」
「そっか。お昼には帰れるから、楽しみだね。」
「うん」
「まだ夜中の3時だからもう一回寝ようか。寝れないなら安定剤もう一回するけどどうする?」
首を振る。
もう安定剤はお断りだ!!眠くなるし。
今も金縛りの疲れからか眠たいんだけど、汗でベタベタする・・・。
「シャワー浴びたい・・・ベタベタ・・・」
「汗かいたもんね。うーん、チューブ外してほしくないけどなぁ」
「寝れない」
必死に訴えると、5分以内で終わらせたらいいよ。と言われてシャワールームへ案内してもらった。
酸素がなくなった分少し苦しいけど、金縛りで苦しかっただけだからな。
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