嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第7章 ボスとクリスマス

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「ボスは空君が家族を守るように躾けたワンコらしいよ。」
「そうなの?空君が躾けたの。」
なんだかうれしそうな母親。
「百合さんうれしいそうだね。どうしたの?」
「ボスを飼ってやっぱりよかったわ!空君を少しでも感じれるかもしれないじゃない?」
「俺は空が躾けてくれたのはうれしいけど、ボスは廉くんに懐きすぎて嫉妬する。」
「へー。翔そんなこと言うんだ。」
「・・・。」
「翔さん、廉ちゃんにあんまり愛が大きくなりすぎないようにね」
そう言って百々が笑ってボスを抱え上げた。
翔さんは少しブスッとしながらも母親の手伝いをしていた。
「さ、お昼ごはんにしましょ。」
昨日の食べれなかった料理を温めて机の上に並べていく。
「乾杯は夜にする?」
「そうね。とりあえずただのランチってことで。」
ただのランチにしては七面鳥や星の形になってるニンジンが乗ったスープ、ピザにミニグラタンと豪華なパーティーメニューばかり並んでいるけれど。
「廉ちゃん、ちゃんと食べるのよ?」
でも計算して食べないと夜ごはんが入らない・・・。
ピザはとりあえず一切れ。七面鳥は一口分。スープは飲み切れそうだ。ミニグラタンもギリギリ大丈夫かも・・・。
ノルマ分だけ皿に乗せて、手を合わせて静かにいただきますをする。
足元にはボスがいて、ボスもごはんをもらっているようでカリカリ音がする。
「百々ピザ2ピース食べる!!」
「さすが食べ盛りだね!」
「当り前上にもまだ伸びたいからしっかり食べるの!」
百々ってダイエットっていつも言いながら、すぐ誘惑に負けて食べちゃってるよね。
「廉くん、口にピザソースついてるよ。」
直人さんに言われてペロッと唇を舐める。
「百々ちゃんは顎に七面鳥のたれがついてるね。」
百々はティッシュでふき取る。
「二人とも今日はわんぱくな食べ方ね。」
ボスは食べ終わったのか俺の足の間で眠り始めた。
本当に片時も俺から離れようとしない不思議なワンコ。
朝から出かけていたこともあってだんだん眠たくなってきてしまい、食べる速度が落ち始めた。
「廉ちゃん?寝そうよ?」
「ん・・・。」
「お腹いっぱいなら一回寝て休憩したら?」
翔さんに言われてソファにゴロンと横になると、俺が動いたことによって起きたボスも動く。
すぐにピョコピョコソファに足をかけてジャンプして上ろうとしてくるけど、静かに寝たくて「一人で寝たい・・・。シー・・・。」というと「くぅん・・・」と鳴いて飛ばなくなった。
「あらま、廉ちゃんに静かにって言われて落ち込んじゃったねボス。」
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