嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第六章 ぼくは君を許さない。

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夢を見た。
小さい俺が虐待されている夢。
経験したものよりも酷いことをされていた。
手を持たれて勢いよく床にたたきつけられたり、最後は経験した風呂場で沈められて苦しいのを長時間味わった夢。
れんちゃん・・・?ねぇ・・・ねぇ!!
「廉ちゃん起きて!!」
「・・・・。」
「汗びっちょりじゃん・・・。魘されてたし・・・。直人さん呼ぶ?」
「・・・・。」
「昼寝してから3時間たったし・・・。もう1階でゆっくりしてるはずだからさ。呼ぶよ?」
「・・・・。」
「廉ちゃん、大丈夫だよ?もう。廉ちゃんを傷つける人は百々と翔さんと直人さんとママがやっつけちゃうから!」
「・・・・。」
百々がスマホで直人さんに電話をかけて呼んでいる声がするんだけど、なんか不思議なフワフワした感覚で天井から視点が離せないというか・・・。
階段をドンドン音を立てながら上がってくる音がする。
「廉くん!!」
「直人さん、廉ちゃん様子がおかしいよ・・・。」
「百々ちゃん教えてくれてありがとう。廉くん体温測ったりもしもしさせてね。」
またもしもしって・・・とか思ってはいるんだけど・・・身体も口も自分で操作ができないというか。
「左右差があるね、体温。冷や汗も出てるし・・・自律神経失調症の強い症状も出ちゃってるかな・・・。トラウマによるフラッシュバックの硬直もあるけど・・・。つらいね・・・。」
「廉ちゃん、寝てるとき魘されてたみたいで・・・。起きたら辛そうにしてて。」
「大丈夫、ちょっといつもよりは時間かかるかもしれないけど戻るよ。廉くん強くなってるんだよ?ちょっとずつ。パニックになっても僕がこうして近づけてるのが何よりの証拠。廉くんも焦らなくていいからね。」
「・・・・。」
「百々ちゃんも、廉くんも下に行こうか。もう誰もいないから。」
「うん!」
「・・・。」
「廉くんはおんぶで降りるよ。」
また背負ってもらい下まで下ろしてもらった。
毎回体力を使わせてしまい申し訳なく思う。
体重50キロでよかった・・・。増やさないといけない体重だけどこういうときは少なくてよかったって思う。
1階、前なら不審者とかのこともあって絶対降りれなくなってたけどちゃんとこうしてもう降りても家族がいれば恐怖はあまり感じない。
少しは怖いけど、直人さんが前回の侵入でぶちぎれちゃって外に電動シャッターを付けることにしたらしい。
すべての窓に。さっき聞いたけどお金すごい飛ぶよね・・・ってなんかそっちが心配になってしまった。
鉄格子付けちゃうと火災とか避難の時に大変だから、必要な時だけ締められる電動シャッターにしようという考えになったらしい。
俺のせいだよね・・・いっつもたくさんお金使わせてしまっている。
なんだかシュンとなってしまった。

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