嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第六章 ぼくは君を許さない。

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音はヘッドホンで聞こえないが、光は視覚で情報が入ってきてしまう。
百々が『だ・い・じょ・う・ぶ』
でも、全然大丈夫じゃなくって・・・。
百々の後ろから人が覗いた・・・。
「・・・・!!!!」
『廉ちゃん?』口パクで百々がしゃべる。
ニヤリとした顔とばっちり目があった。
百々の背中に手を伸ばそうとするので、百々を自分の方へ引き寄せる。
なるべく二人で真ん中にくっつき小さく足を折る。
ドタドタと振動が走ったと思うと何やら振動が激しくなるし、百々は目をギュッと瞑っている。
音が止まったかと思うと、百々がヘッドホンを外してきた。
「廉ちゃん、もう出ても大丈夫だよ。」
「廉くん、おいで。」
「廉ちゃん、ママいるから大丈夫よ。」
百々と二人でズルズルと下に下がってベッドの下から出る。
「二人とも埃だらけじゃない・・・。」
そう言って母親が埃をパンパンと払ってくれる。
「僕は警察と話してくるからお風呂でシャワー浴びたらお部屋で待ってて。翔は僕が先に警察と話すからそれまで上で二人といてくれるかい?」
「うん。」
「百合さんも二階で二人をよろしく。」
「もちろん。さ、翔くんも上がりましょ。」
「廉ちゃん、よく頑張ったね!」
「・・・。」
百々に頭を軽くヨシヨシされて、なんとなく避けた。
「素直じゃないなぁ~」
「どっちが先にシャワー浴びるの?」
「百々からでいい・・・。」
「じゃあ、百々ちゃん入っておいで。廉くんは部屋でちょっと横になってようか。」
「やだ・・・。」
「ん?」
「・・・。」
「起きてるの?」
「うん。」
埃まみれのままベッドに寝るのは嫌だし、こういうときはレディーファーストだよね・・。
「廉ちゃん怖かったでしょ」
「うん・・・。」
「捕まったからねって言ってあげたいんだけど、今回捕まったのはあの弟じゃないわ。」
確かに昔何回かだけ見たけど顔が違った気がする。
「廉ちゃん、どうする?職場の方が安心ならお仕事中は百々ちゃんと院長室で勉強しててもいいわよ?お家に侵入してくるレベルなら職場に行くのも安全レベルは変わらないわ。」
怖い・・・。でもどこが安全なんだろう。
「しばらく俺家で仕事するからいいよ。廉くんの側にいるから」
「翔君年末はお店忙しい時期でしょ?福袋とかもあるだろうし。」
「いや・・・、まあ家でも・・・。」
「廉ちゃんじゃあ二択。ママたちの病院の院長室にこもるか、翔君の職場に一緒に行くか。」
「俺の職場なら社長室なら外から鍵開けれるのは俺と廉くんだけだからね。」
「・・・・お家・・・」
「「ダメ。」」
「・・・・。」
家の防犯うちは強いのにこんな簡単に突破されたんじゃどこにいても危険度は変わらない気がするけど。
「?、、、。翔さん・・・血・・なんで・・・。」
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