嵐は突然やってくる

白うさぎ

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第五章 ハタチ

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直人さんの職場には順調にちゃんと毎日行けている。
そして、今日は翔さんの会社であるoliveのみんなが俺の20歳をお祝いするために自宅に集まってくれるようだ。
「廉くん、お部屋にいてね!準備で来たら呼ぶから。」
「・・・うん。」
「じゃあ、その間僕とトランプでもしてようか。」
直人さんとトランプをなぜかすることに。
「神経衰弱する?」
「・・・うん。」
なんで神経衰弱?と思いながらも、やってみるとはまってしまって必死に直人さんと対決する。
「廉くん記憶力いいね」
「・・。」
3回やった内2回負けた。
「・・・・大人げない」
「廉くんも20歳だからもう大人だよ。」
そう言って頭をポンとされる。
悔しい・・・。
目をこすり始めた俺に「もしかして、眠い・・・?」と聞いてきた直人さんに、眠たいことを伝える様にあくびをする。
「ちょっと待ってて。」
慌てて下に降りた直人さん。
母親と百々を連れて上がってきたようだ。
「廉ちゃん。スイカのアイスよ~」
「寝そうだよね、廉くん。」
「あーあ。神経衰弱で頭使ったからもう眠いんだよ。」
「親父、もういいよ。下準備できた。本当に寝そうだね」
そう言って笑う翔さん。
「よし、廉くんおんぶで降りようか。」
「こりゃ夢の中に行く方が早いかもしれないわね。」
百々がまるで動物にやるようにすいかのアイスを俺に食べさせてくる。
「廉ちゃん目冷めた?」
「ん・・・・。」
直人さんのおんぶで二階から一階へ。
「よし、ここからは廉くん歩いてね。」
直人さんの背中から降りてリビングのドアを開ける。
「「「「「「廉くん二〇歳おめでとう!!!!!!」」」」」」
oliveのスタッフ全員が集まってくれていた。
まだ眠たい目ではあるが、飾りつけされたリビングを見る。
「どう?結構頑張ったんだけど。」
羽間さんがニコニコしながら俺に尋ねてくる。
「すごい・・・。」
部屋は風船やわっかで飾りつけされていて、今どきの誕生日会場になっていた。
テーブルの上には握りずしや手巻き寿司、ステーキ、フライドポテト、ピザと色々用意されていた。
俺の食事の摂取量はあまり変わりないけれど、何を食べてもいいと直人さんに2日前に言われた。
「廉くん、ケーキふー先にしようか。寝そうだし。」
文さんに言われて、ケーキの前に行くと翔さんがろうそくに火を灯し、直人さんが電気を消した。
「廉くん、どうぞ。」
ふーっと大きな四角いケーキにささったろうそくの火を消す。
「20歳になったから食事会でもお酒飲めるっすね!!」
風太さんが明日香さんと手をつないでいるのが目に入ったが、スルーしておく。
「廉くん、これはみんなからだよ。」
メガネ男子透矢が大きな袋を渡してきた。
「ありがとうございます・・・。」
「廉ちゃんせっかくだから開けてみたら?」
母親に促されて開けてみることに。
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