139 / 301
第五章 ハタチ
・
しおりを挟む
なんとか坂道を登り切って清水の入り口まで来た。
しかしここからは人混みの試練が・・・。
キャップを深くかぶり、ヘッドホンを耳に押し付ける。
人が苦手のレベルを通り越し嫌いになっている自分に気づいた。
汗も出るし、前ならなかったことが起きる。
「廉ちゃん、手つなご!!」
「あら百々ちゃんいいわね~昔はよくそうやって散歩してたわね。」
俺はヘッドホンしてたから聞こえなかったけど、いきなり手を引っ張られたと思ったら百々が手をつないできたからびっくりして思わず止まった。
「廉ちゃん、行くよ~」
俺達の後ろを直人さんと翔さんが歩く形になる。
「どうする?清水の舞台まで見ていく?それとも買い物する?」
「百々、お守りほしいんだよね。」
「お守り?」
「うん、絶対看護大受かりたいから!」
「ほー。すごい気合いだね。」
「でしょ?」
「いよいよ来年百々ちゃんが大学受験か。早いわね。」
「百々ちゃん、じゃあチケット買っておいで。」
「廉ちゃんもいける?」
「廉くんは・・・。」
下を向いて必死にヘッドホンを押さえていると翔さんがスマホを見せてきた。
『清水の舞台見に入る?』
頷くと、百々がスキップしながらチケットを買いに行った。
「廉ちゃん、汗ふかなきゃね。」
「こんな冬の寒い時に汗かいたら寒いね。」
「まぁあとぐるっと中を回ってお土産買ったら帰るから。」
百々が帰ってきてチケットを持ち、中に入る。
いろんな神様を見たり、線香を立ててみたりしながらしつつなるべく早めに回る。
紅葉がちょうどきれいな季節でスマホで撮ると映えそうだった。
撮影スポットで直人さんがスマホで家族写真を撮ってくれた。
翔さんが直人さんと変わり直人さんとも撮影。
観光客の方が気を利かせて撮ってくれて5人でのショットも撮れた。
「お守り買ってくる!!」
百々がお守りを買いに行き、その間見えるところで百々を待つ。
「たっだいまー!!廉ちゃん、これね。」
そう言って健康お守りをくれた。
紅葉を楽しみながら坂を下り清水寺を出ると今度はお土産を買いに坂を下る。
「百々は昨日ほぼ買えたからお菓子くらいしかほしいものないや。」
「そうね。私と百々ちゃんはだいぶん買ったわね」
ヘッドホンを少しだけずらして歩く。
頭が痛いけど、我慢我慢。
「廉くん、好きなもの選んどいで。」
いろんな京都のものが売ってあるお店で直人さんに言われて店内へ。
おたべの柔らかいものと硬いチョコレートが端にかかったものを選ぶ。
あとはコップ。京都っぽいデザインを見つけてそれを選んだ。
「廉くん、文たちはどれがいいかな?」
文さんたちか・・・。
でも、無難におたべがいい気もする。
指をさすと「わかった。これにするね。」
そう言って漬物と、おたべと俺の選んだものを翔さんが持ってお会計をしてくれた。
「あ、翔いいのに。」
「いいよ、親父ホテル代とか出してくれたし。」
「そりゃ家族旅行なんだから当り前だよ。」
「いいんだよ。俺だって社長なんだから。」
「そうだったな」
そう言って二人が俺を挟んで笑うので少し気持ちが安らいだ。
しかしここからは人混みの試練が・・・。
キャップを深くかぶり、ヘッドホンを耳に押し付ける。
人が苦手のレベルを通り越し嫌いになっている自分に気づいた。
汗も出るし、前ならなかったことが起きる。
「廉ちゃん、手つなご!!」
「あら百々ちゃんいいわね~昔はよくそうやって散歩してたわね。」
俺はヘッドホンしてたから聞こえなかったけど、いきなり手を引っ張られたと思ったら百々が手をつないできたからびっくりして思わず止まった。
「廉ちゃん、行くよ~」
俺達の後ろを直人さんと翔さんが歩く形になる。
「どうする?清水の舞台まで見ていく?それとも買い物する?」
「百々、お守りほしいんだよね。」
「お守り?」
「うん、絶対看護大受かりたいから!」
「ほー。すごい気合いだね。」
「でしょ?」
「いよいよ来年百々ちゃんが大学受験か。早いわね。」
「百々ちゃん、じゃあチケット買っておいで。」
「廉ちゃんもいける?」
「廉くんは・・・。」
下を向いて必死にヘッドホンを押さえていると翔さんがスマホを見せてきた。
『清水の舞台見に入る?』
頷くと、百々がスキップしながらチケットを買いに行った。
「廉ちゃん、汗ふかなきゃね。」
「こんな冬の寒い時に汗かいたら寒いね。」
「まぁあとぐるっと中を回ってお土産買ったら帰るから。」
百々が帰ってきてチケットを持ち、中に入る。
いろんな神様を見たり、線香を立ててみたりしながらしつつなるべく早めに回る。
紅葉がちょうどきれいな季節でスマホで撮ると映えそうだった。
撮影スポットで直人さんがスマホで家族写真を撮ってくれた。
翔さんが直人さんと変わり直人さんとも撮影。
観光客の方が気を利かせて撮ってくれて5人でのショットも撮れた。
「お守り買ってくる!!」
百々がお守りを買いに行き、その間見えるところで百々を待つ。
「たっだいまー!!廉ちゃん、これね。」
そう言って健康お守りをくれた。
紅葉を楽しみながら坂を下り清水寺を出ると今度はお土産を買いに坂を下る。
「百々は昨日ほぼ買えたからお菓子くらいしかほしいものないや。」
「そうね。私と百々ちゃんはだいぶん買ったわね」
ヘッドホンを少しだけずらして歩く。
頭が痛いけど、我慢我慢。
「廉くん、好きなもの選んどいで。」
いろんな京都のものが売ってあるお店で直人さんに言われて店内へ。
おたべの柔らかいものと硬いチョコレートが端にかかったものを選ぶ。
あとはコップ。京都っぽいデザインを見つけてそれを選んだ。
「廉くん、文たちはどれがいいかな?」
文さんたちか・・・。
でも、無難におたべがいい気もする。
指をさすと「わかった。これにするね。」
そう言って漬物と、おたべと俺の選んだものを翔さんが持ってお会計をしてくれた。
「あ、翔いいのに。」
「いいよ、親父ホテル代とか出してくれたし。」
「そりゃ家族旅行なんだから当り前だよ。」
「いいんだよ。俺だって社長なんだから。」
「そうだったな」
そう言って二人が俺を挟んで笑うので少し気持ちが安らいだ。
10
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作
兄がΩ 〜うっかり兄弟で番いましたが、今日も楽しく暮らしています。〜
襖
BL
無自覚αの弟 知玄(とものり)は、Ωの兄 知白(ともあき)と両親の四人家族で、今日も楽しく暮らしています。
うっかり兄弟で番になってしまった知玄と知白の一年間の、短編連作集。
サブタイトル頭に●がついているのが弟のターン、○がついているのが兄のターンです。
***
本作品はエブリスタに投稿するために書いた作品に加筆修正とオマケをつけたものです。
修正前のものはこちら→https://estar.jp/novels/25730073
更新頻度はのんびり、更新日時は気が向いた時です。
※表紙はPicrewの「ゆち式男子メーカー改」で作りました。 https://picrew.me/share?cd=s90J4fWgn5
***
【登場人物】
●井田知玄(いだ とものり)
12月26日生まれ。19歳。身長179cm。1大学二年生。
自分がαだと気づいていない。お兄さんのことが大好き。
○井田知白(いだ ともあき)
4月4日生まれ。21歳。身長165cm。社会人3年目。
Ωであることを隠して生きている。チンピラっぽい。

【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる