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第五章 ハタチ
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なんとか坂道を登り切って清水の入り口まで来た。
しかしここからは人混みの試練が・・・。
キャップを深くかぶり、ヘッドホンを耳に押し付ける。
人が苦手のレベルを通り越し嫌いになっている自分に気づいた。
汗も出るし、前ならなかったことが起きる。
「廉ちゃん、手つなご!!」
「あら百々ちゃんいいわね~昔はよくそうやって散歩してたわね。」
俺はヘッドホンしてたから聞こえなかったけど、いきなり手を引っ張られたと思ったら百々が手をつないできたからびっくりして思わず止まった。
「廉ちゃん、行くよ~」
俺達の後ろを直人さんと翔さんが歩く形になる。
「どうする?清水の舞台まで見ていく?それとも買い物する?」
「百々、お守りほしいんだよね。」
「お守り?」
「うん、絶対看護大受かりたいから!」
「ほー。すごい気合いだね。」
「でしょ?」
「いよいよ来年百々ちゃんが大学受験か。早いわね。」
「百々ちゃん、じゃあチケット買っておいで。」
「廉ちゃんもいける?」
「廉くんは・・・。」
下を向いて必死にヘッドホンを押さえていると翔さんがスマホを見せてきた。
『清水の舞台見に入る?』
頷くと、百々がスキップしながらチケットを買いに行った。
「廉ちゃん、汗ふかなきゃね。」
「こんな冬の寒い時に汗かいたら寒いね。」
「まぁあとぐるっと中を回ってお土産買ったら帰るから。」
百々が帰ってきてチケットを持ち、中に入る。
いろんな神様を見たり、線香を立ててみたりしながらしつつなるべく早めに回る。
紅葉がちょうどきれいな季節でスマホで撮ると映えそうだった。
撮影スポットで直人さんがスマホで家族写真を撮ってくれた。
翔さんが直人さんと変わり直人さんとも撮影。
観光客の方が気を利かせて撮ってくれて5人でのショットも撮れた。
「お守り買ってくる!!」
百々がお守りを買いに行き、その間見えるところで百々を待つ。
「たっだいまー!!廉ちゃん、これね。」
そう言って健康お守りをくれた。
紅葉を楽しみながら坂を下り清水寺を出ると今度はお土産を買いに坂を下る。
「百々は昨日ほぼ買えたからお菓子くらいしかほしいものないや。」
「そうね。私と百々ちゃんはだいぶん買ったわね」
ヘッドホンを少しだけずらして歩く。
頭が痛いけど、我慢我慢。
「廉くん、好きなもの選んどいで。」
いろんな京都のものが売ってあるお店で直人さんに言われて店内へ。
おたべの柔らかいものと硬いチョコレートが端にかかったものを選ぶ。
あとはコップ。京都っぽいデザインを見つけてそれを選んだ。
「廉くん、文たちはどれがいいかな?」
文さんたちか・・・。
でも、無難におたべがいい気もする。
指をさすと「わかった。これにするね。」
そう言って漬物と、おたべと俺の選んだものを翔さんが持ってお会計をしてくれた。
「あ、翔いいのに。」
「いいよ、親父ホテル代とか出してくれたし。」
「そりゃ家族旅行なんだから当り前だよ。」
「いいんだよ。俺だって社長なんだから。」
「そうだったな」
そう言って二人が俺を挟んで笑うので少し気持ちが安らいだ。
しかしここからは人混みの試練が・・・。
キャップを深くかぶり、ヘッドホンを耳に押し付ける。
人が苦手のレベルを通り越し嫌いになっている自分に気づいた。
汗も出るし、前ならなかったことが起きる。
「廉ちゃん、手つなご!!」
「あら百々ちゃんいいわね~昔はよくそうやって散歩してたわね。」
俺はヘッドホンしてたから聞こえなかったけど、いきなり手を引っ張られたと思ったら百々が手をつないできたからびっくりして思わず止まった。
「廉ちゃん、行くよ~」
俺達の後ろを直人さんと翔さんが歩く形になる。
「どうする?清水の舞台まで見ていく?それとも買い物する?」
「百々、お守りほしいんだよね。」
「お守り?」
「うん、絶対看護大受かりたいから!」
「ほー。すごい気合いだね。」
「でしょ?」
「いよいよ来年百々ちゃんが大学受験か。早いわね。」
「百々ちゃん、じゃあチケット買っておいで。」
「廉ちゃんもいける?」
「廉くんは・・・。」
下を向いて必死にヘッドホンを押さえていると翔さんがスマホを見せてきた。
『清水の舞台見に入る?』
頷くと、百々がスキップしながらチケットを買いに行った。
「廉ちゃん、汗ふかなきゃね。」
「こんな冬の寒い時に汗かいたら寒いね。」
「まぁあとぐるっと中を回ってお土産買ったら帰るから。」
百々が帰ってきてチケットを持ち、中に入る。
いろんな神様を見たり、線香を立ててみたりしながらしつつなるべく早めに回る。
紅葉がちょうどきれいな季節でスマホで撮ると映えそうだった。
撮影スポットで直人さんがスマホで家族写真を撮ってくれた。
翔さんが直人さんと変わり直人さんとも撮影。
観光客の方が気を利かせて撮ってくれて5人でのショットも撮れた。
「お守り買ってくる!!」
百々がお守りを買いに行き、その間見えるところで百々を待つ。
「たっだいまー!!廉ちゃん、これね。」
そう言って健康お守りをくれた。
紅葉を楽しみながら坂を下り清水寺を出ると今度はお土産を買いに坂を下る。
「百々は昨日ほぼ買えたからお菓子くらいしかほしいものないや。」
「そうね。私と百々ちゃんはだいぶん買ったわね」
ヘッドホンを少しだけずらして歩く。
頭が痛いけど、我慢我慢。
「廉くん、好きなもの選んどいで。」
いろんな京都のものが売ってあるお店で直人さんに言われて店内へ。
おたべの柔らかいものと硬いチョコレートが端にかかったものを選ぶ。
あとはコップ。京都っぽいデザインを見つけてそれを選んだ。
「廉くん、文たちはどれがいいかな?」
文さんたちか・・・。
でも、無難におたべがいい気もする。
指をさすと「わかった。これにするね。」
そう言って漬物と、おたべと俺の選んだものを翔さんが持ってお会計をしてくれた。
「あ、翔いいのに。」
「いいよ、親父ホテル代とか出してくれたし。」
「そりゃ家族旅行なんだから当り前だよ。」
「いいんだよ。俺だって社長なんだから。」
「そうだったな」
そう言って二人が俺を挟んで笑うので少し気持ちが安らいだ。
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