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第五章 ハタチ
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「百々ちゃん。廉ちゃんが怒る理由も理解してるわよね?」
「・・・・そりゃ、もう同じことで何回も怒らせてる。」
露天風呂で百合が百々と先程のことを話す。
今日は廉の誕生日前夜祭。親としては喧嘩してほしくない。
「じゃぁ、百々ちゃん廉ちゃんにごめんねってできる?」
「・・・・。うん。」
「百々ちゃん、いつかあなたも家庭を持つ日が来るわ。それまでに無駄遣いを少し減らせるといいわね!」
「うん・・・。」
「若いうちはあれもこれも!ってほしくなる気持ちはもちろんわかるわ。でもね、百々ちゃんもきっといつか子供のためにとか将来のためにとか、お金残しておけばよかったぁ~って思う日がきっと来るわ。」
「そうなのかな・・・。」
「えぇ。」
「廉ちゃんに謝る。バカってもう言わない・・・。」
「そうね。バカはいっちゃダメ。」
「うん・・・。」
「廉ちゃん、今心がナーバスだから少しの言葉ですっごく傷ついてしまうの。だからもうあんな言葉言ったらダメよ?また口きいてくれなくなっちゃう。」
「わかった・・・。」
「そろそろでましょ。」
百々と百合がお風呂から上がると直人と翔が首を振った。
「今はそっとしといてほしいみたい。」
「色々してみたんだけど潜っちゃって。」
布団の山を指さす。
「百々ちゃん・・・。」
「うん・・・・。」
そっと廉が潜っているベッドに近づく。
「廉ちゃん・・・ごめん。バカとか言って・・・。」
「・・・・。」
「いつも無駄遣い叱ってくれてありがとう。」
「・・・・。」
「廉ちゃん・・・。」
「・・・・いいよ。俺もごめん。」
「廉くん、いい子だね!!百々ちゃんもごめんなさいできたね!」
そう言って直人さんがヨシヨシしにやってきた。
廉はまだ潜ったままで百々からは目が見えるくらいしか顔を出してくれていない。
「廉くん、ご飯食べよう。そろそろお部屋にご飯来るから起きて待ってよう。」
「ん・・・。」
ゆっくり布団から出る廉をあまり意識しないように動く百合。
息子がどうしてほしいかをよくわかっている。
こういうとき母親に何か言われるのは少し嫌なものだ。
「百々ちゃん、ご飯食べる前に髪の毛縛っときなさい?」
「あ、うん。」
「廉くんは少しお水飲もうね。」
「百々ちゃんもお風呂上りだからラムネも冷蔵庫に入れてるし、よかったら飲んでね。」
「ありがとう!!」
百々は髪の毛を結ってすぐにラムネを飲んでいた。
「廉くん、はい、お水ね。」
ペットボトルの水を蓋を開けて翔が渡すと200ccほど飲んだ。
「上出来上出来。廉くんよく飲めました。」
せっかく褒めたのに、すぐにまた布団に戻る廉に慌てる翔。
「廉くん!?寝ないよ!?」
「・・・・だめか・・・。」
「あら、廉ちゃんちょっと小悪魔になってるわね。」
そう言って百合が笑うと
「少しは元気になったのかな。」
と直人も微笑みながら様子を見守った。
「・・・・そりゃ、もう同じことで何回も怒らせてる。」
露天風呂で百合が百々と先程のことを話す。
今日は廉の誕生日前夜祭。親としては喧嘩してほしくない。
「じゃぁ、百々ちゃん廉ちゃんにごめんねってできる?」
「・・・・。うん。」
「百々ちゃん、いつかあなたも家庭を持つ日が来るわ。それまでに無駄遣いを少し減らせるといいわね!」
「うん・・・。」
「若いうちはあれもこれも!ってほしくなる気持ちはもちろんわかるわ。でもね、百々ちゃんもきっといつか子供のためにとか将来のためにとか、お金残しておけばよかったぁ~って思う日がきっと来るわ。」
「そうなのかな・・・。」
「えぇ。」
「廉ちゃんに謝る。バカってもう言わない・・・。」
「そうね。バカはいっちゃダメ。」
「うん・・・。」
「廉ちゃん、今心がナーバスだから少しの言葉ですっごく傷ついてしまうの。だからもうあんな言葉言ったらダメよ?また口きいてくれなくなっちゃう。」
「わかった・・・。」
「そろそろでましょ。」
百々と百合がお風呂から上がると直人と翔が首を振った。
「今はそっとしといてほしいみたい。」
「色々してみたんだけど潜っちゃって。」
布団の山を指さす。
「百々ちゃん・・・。」
「うん・・・・。」
そっと廉が潜っているベッドに近づく。
「廉ちゃん・・・ごめん。バカとか言って・・・。」
「・・・・。」
「いつも無駄遣い叱ってくれてありがとう。」
「・・・・。」
「廉ちゃん・・・。」
「・・・・いいよ。俺もごめん。」
「廉くん、いい子だね!!百々ちゃんもごめんなさいできたね!」
そう言って直人さんがヨシヨシしにやってきた。
廉はまだ潜ったままで百々からは目が見えるくらいしか顔を出してくれていない。
「廉くん、ご飯食べよう。そろそろお部屋にご飯来るから起きて待ってよう。」
「ん・・・。」
ゆっくり布団から出る廉をあまり意識しないように動く百合。
息子がどうしてほしいかをよくわかっている。
こういうとき母親に何か言われるのは少し嫌なものだ。
「百々ちゃん、ご飯食べる前に髪の毛縛っときなさい?」
「あ、うん。」
「廉くんは少しお水飲もうね。」
「百々ちゃんもお風呂上りだからラムネも冷蔵庫に入れてるし、よかったら飲んでね。」
「ありがとう!!」
百々は髪の毛を結ってすぐにラムネを飲んでいた。
「廉くん、はい、お水ね。」
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「上出来上出来。廉くんよく飲めました。」
せっかく褒めたのに、すぐにまた布団に戻る廉に慌てる翔。
「廉くん!?寝ないよ!?」
「・・・・だめか・・・。」
「あら、廉ちゃんちょっと小悪魔になってるわね。」
そう言って百合が笑うと
「少しは元気になったのかな。」
と直人も微笑みながら様子を見守った。
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