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第四章 また一緒に。
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「廉ちゃん、おはよう!朝となり見たらぐっすりだったから。」
そう言って母親が話かけてきた。
俺はパーカーにジャージの下を履いてリハビリに来た人ってすぐわかる格好だ。
「廉ちゃん、リハビリの前にどんなことするか見ておいで。」
「・・・・」
「担当はおじいちゃんだから廉ちゃん大丈夫と思うけど・・・」
「・・・・」
「廉ちゃん、体力つけるためにはプロの力借りるのが一番早いんだから!がんばりなさい」
母親に背中をポンポンされて、言われたフロアに行った。
担当のおじいちゃんはすぐに見つかった。
若い先生たちにまじっておじいちゃんが小さな子の歩行練習につきあっていた。
「おじいちゃん先生、つかれたー!!」
「つかれたかぁ~、じいちゃんにもうちょっと付き合ってくれるかな?じいちゃん暇なんだよ~」
と冗談を言いながら子供のリハビリを進めている。
「わかったぁ~あとちょっとだよ?」
「ありがとう!じゃぁ次やるよぉ~」
ほー・・・中々人の扱いがうまい方なようだな・・・。
「どう?廉くん怖くない?」
急に白衣を着た直人さんに後ろから声をかけられた。
「・・・・」
一応頷く。
「あの人、結構人気なんだよ。優しいからね。廉くんのリハビリは体力づくりだからああいう歩行訓練はないよ。ただウォーキングマシーンを使ったり少しストレッチしたりするよ。廉くんは若いから目標は1週間で体力を戻せたらいいね!」
「・・・・いっしゅうかん・・・。」
俺スパルタされるのかな。布団に入って寝たいな・・・。
「さ、行ってごらん。」
え!見学だけじゃないの!?
「まずは慣れるためにリハビリじゃなくお話ししておいで。」
いやいやいらないよ!そんな!!気まずいよ・・・。
直人さんに背中を押され、おじいちゃんの前まで来た。
小さな子はもう終わりのようで看護婦さんが車いすを持って迎えに来た。
「島原さん、この子うちの息子で昨日話したメニューでお願いします。」
「あぁ、院長の息子さん。はいはい、よろしくお願いします。島原です」
そう言って微笑んで挨拶された。
「名前は廉くんです。ちょっと今お話しが難しいんですが、話ができないわけじゃないので」
「大丈夫ですよ。さぁどうぞ。マットの上に座ってお話ししましょうか。」
「じゃぁ後はお願いします。」
「はい。」
「・・・・」
マットの上に座ると、少し離れたところに座ってまずメニューを教えてくれた。
「自己紹介を簡単にしますね!島原です。68歳。もうじいちゃんだよ!好きな食べ物はお肉だねぇ~。孫が二人もういてね?まぁかわいいんだ。」
雑談を交えて緊張を解こうとしてくれている。
「さぁ、じいちゃんのマネしてね~。」
いきなりストレッチが始まる。
30分もすればすっかりじいちゃん先生に懐いていた。
言葉はまだ交わしていないがじいちゃん先生は汲み取ってくれる。
「廉くん、少し水分取ろう。汗かいたからね。」
そう言って直人さんが渡していったのかいつものキャラクターキャップのついたストロー付きのペットボトルとタオルを渡してくれた。
そう言って母親が話かけてきた。
俺はパーカーにジャージの下を履いてリハビリに来た人ってすぐわかる格好だ。
「廉ちゃん、リハビリの前にどんなことするか見ておいで。」
「・・・・」
「担当はおじいちゃんだから廉ちゃん大丈夫と思うけど・・・」
「・・・・」
「廉ちゃん、体力つけるためにはプロの力借りるのが一番早いんだから!がんばりなさい」
母親に背中をポンポンされて、言われたフロアに行った。
担当のおじいちゃんはすぐに見つかった。
若い先生たちにまじっておじいちゃんが小さな子の歩行練習につきあっていた。
「おじいちゃん先生、つかれたー!!」
「つかれたかぁ~、じいちゃんにもうちょっと付き合ってくれるかな?じいちゃん暇なんだよ~」
と冗談を言いながら子供のリハビリを進めている。
「わかったぁ~あとちょっとだよ?」
「ありがとう!じゃぁ次やるよぉ~」
ほー・・・中々人の扱いがうまい方なようだな・・・。
「どう?廉くん怖くない?」
急に白衣を着た直人さんに後ろから声をかけられた。
「・・・・」
一応頷く。
「あの人、結構人気なんだよ。優しいからね。廉くんのリハビリは体力づくりだからああいう歩行訓練はないよ。ただウォーキングマシーンを使ったり少しストレッチしたりするよ。廉くんは若いから目標は1週間で体力を戻せたらいいね!」
「・・・・いっしゅうかん・・・。」
俺スパルタされるのかな。布団に入って寝たいな・・・。
「さ、行ってごらん。」
え!見学だけじゃないの!?
「まずは慣れるためにリハビリじゃなくお話ししておいで。」
いやいやいらないよ!そんな!!気まずいよ・・・。
直人さんに背中を押され、おじいちゃんの前まで来た。
小さな子はもう終わりのようで看護婦さんが車いすを持って迎えに来た。
「島原さん、この子うちの息子で昨日話したメニューでお願いします。」
「あぁ、院長の息子さん。はいはい、よろしくお願いします。島原です」
そう言って微笑んで挨拶された。
「名前は廉くんです。ちょっと今お話しが難しいんですが、話ができないわけじゃないので」
「大丈夫ですよ。さぁどうぞ。マットの上に座ってお話ししましょうか。」
「じゃぁ後はお願いします。」
「はい。」
「・・・・」
マットの上に座ると、少し離れたところに座ってまずメニューを教えてくれた。
「自己紹介を簡単にしますね!島原です。68歳。もうじいちゃんだよ!好きな食べ物はお肉だねぇ~。孫が二人もういてね?まぁかわいいんだ。」
雑談を交えて緊張を解こうとしてくれている。
「さぁ、じいちゃんのマネしてね~。」
いきなりストレッチが始まる。
30分もすればすっかりじいちゃん先生に懐いていた。
言葉はまだ交わしていないがじいちゃん先生は汲み取ってくれる。
「廉くん、少し水分取ろう。汗かいたからね。」
そう言って直人さんが渡していったのかいつものキャラクターキャップのついたストロー付きのペットボトルとタオルを渡してくれた。
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