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第二章 翔の仕事
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「疲れてない?」
「はい。これくらい。部屋回っただけだし。」
「でも、知らない奴らと会ったら疲れるでしょ?」
「これくらい平気ですよ。メロンソーダもおいしかったし。」
「メロンソーダ好きなの?」
恥ずかしくなってコクリと頷く。
なんでか惹かれるんだよ、あのミドリのシュワシュワに。
「お、なんかお客さん入ってるな~。」
お客さんを確認するとさっと接客に入った翔さん。
「このシャツなら、こういった感じのダメージジンズを合わせるとクールです。」
初めて翔さんが接客してるとこを見た。
店内が賑わってくる。
俺はバックヤードの隙間から観察。客層は20代~30代かな。若い方ばかりに見える。
oliveは価格としては1万前後。
二段階の価格設定だとさっき翔さんに聞いた。
高校生からでも頑張れば何とかなりそうな5000円台の商品もあれば、2万する高級なものもある。
素材やデザインがやはり違う。
荒玉さんが作るのが価格が低めな方で、水内さんがデザインしているのが高級な方らしい。
バックヤードの扉が開いておでこに当たった。
「あ、ごめんなさい。でも、そこにいたら邪魔ですよ。」
「ごめんなさい・・・」
「いえ。」
羽間さん怖いかも。
デザイナー室に駆け上がるが扉が開けられない。
もしかしたら「邪魔」って言われるかも・・・。
少しの間突っ立ってると、扉が開いた。
「どうしたの?おいで」
水谷さんが扉を開けてくれた。
初めて会った人にちょっとハッキリ言われてしまって苦しかったから、水谷さんの優しい声に目が潤んでくる。
「あれ?廉君、お帰りなさーい!」
「風太、ココア出してあげて~特別な奴」
「アイアイサー」
風太さんが牛乳を鍋で沸かし、ココアパウダーを入れ砂糖を入れて手の込んだココアを作ってくれた。
「もしかして、羽間かな?」
「ぇ・・・」
「あたりだね」
「ズバッと何か言われた?」
「あ、いや、俺が悪くて・・・。」
「んー。僕たちから忠告しておくね。羽間には気を付けて。」
「な、なんでですか・・・?」
「羽間さんは翔さんが好きなんすよ。」
「そう。」
「まぁ、俺たちは廉君の話を聞いた時点で絶対羽間がなんかするとは思ってたけど、まさか初日からとはね。」
「女の嫉妬は怖いっすね!」
「翔さんを好きだとどうして俺に嫌がらせをするんですか?」
「そりゃ、翔さんが廉君ラブだからでしょ!」
「でも、翔も羽間が翔を好いているの知ってるけどな。」
「え?」
「見る目が違いすぎて誰でもわかりますよ」
「そう、なんですか?」
「廉君とりあえず今日はここにいな?翔が対策考えると思うから。」
結局今日は翔さんが迎えに来るまでデザイン部の部屋でデザインを見せてもらったりして過ごした。
「はい。これくらい。部屋回っただけだし。」
「でも、知らない奴らと会ったら疲れるでしょ?」
「これくらい平気ですよ。メロンソーダもおいしかったし。」
「メロンソーダ好きなの?」
恥ずかしくなってコクリと頷く。
なんでか惹かれるんだよ、あのミドリのシュワシュワに。
「お、なんかお客さん入ってるな~。」
お客さんを確認するとさっと接客に入った翔さん。
「このシャツなら、こういった感じのダメージジンズを合わせるとクールです。」
初めて翔さんが接客してるとこを見た。
店内が賑わってくる。
俺はバックヤードの隙間から観察。客層は20代~30代かな。若い方ばかりに見える。
oliveは価格としては1万前後。
二段階の価格設定だとさっき翔さんに聞いた。
高校生からでも頑張れば何とかなりそうな5000円台の商品もあれば、2万する高級なものもある。
素材やデザインがやはり違う。
荒玉さんが作るのが価格が低めな方で、水内さんがデザインしているのが高級な方らしい。
バックヤードの扉が開いておでこに当たった。
「あ、ごめんなさい。でも、そこにいたら邪魔ですよ。」
「ごめんなさい・・・」
「いえ。」
羽間さん怖いかも。
デザイナー室に駆け上がるが扉が開けられない。
もしかしたら「邪魔」って言われるかも・・・。
少しの間突っ立ってると、扉が開いた。
「どうしたの?おいで」
水谷さんが扉を開けてくれた。
初めて会った人にちょっとハッキリ言われてしまって苦しかったから、水谷さんの優しい声に目が潤んでくる。
「あれ?廉君、お帰りなさーい!」
「風太、ココア出してあげて~特別な奴」
「アイアイサー」
風太さんが牛乳を鍋で沸かし、ココアパウダーを入れ砂糖を入れて手の込んだココアを作ってくれた。
「もしかして、羽間かな?」
「ぇ・・・」
「あたりだね」
「ズバッと何か言われた?」
「あ、いや、俺が悪くて・・・。」
「んー。僕たちから忠告しておくね。羽間には気を付けて。」
「な、なんでですか・・・?」
「羽間さんは翔さんが好きなんすよ。」
「そう。」
「まぁ、俺たちは廉君の話を聞いた時点で絶対羽間がなんかするとは思ってたけど、まさか初日からとはね。」
「女の嫉妬は怖いっすね!」
「翔さんを好きだとどうして俺に嫌がらせをするんですか?」
「そりゃ、翔さんが廉君ラブだからでしょ!」
「でも、翔も羽間が翔を好いているの知ってるけどな。」
「え?」
「見る目が違いすぎて誰でもわかりますよ」
「そう、なんですか?」
「廉君とりあえず今日はここにいな?翔が対策考えると思うから。」
結局今日は翔さんが迎えに来るまでデザイン部の部屋でデザインを見せてもらったりして過ごした。
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