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第二章 翔の仕事
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痴漢された日から数日が過ぎた。
2、3日は家から1人で出かける勇気がなくて部屋で勉強していた。
大学へは休学取り下げの連絡もしてまた新学期からいつも通り講義を受ける。
「廉くん、気分転換に一緒に俺の職場来てみない?」
「翔さんの?」
「モデルさんになってもらう前に俺のブランドとか仕事とか見て欲しいなって。」
「ん...。」
「廉ちゃん、行ってみなよ?翔さんの仕事姿みに行くくらいできるでしょ?いつまでもお家にこもってちゃダメだよ?」
「んー。」
「廉くーん?」
「なぁーにー」
「一緒に行こう?」
「百々今日バイトだしさ、ちょうどいいよ!」
「うーん。」
「どうした?なんか溶けてるけど。」
「暇だけど勉強しなきゃだし動きたくないし、眠い、だるい」
「夏バテかな?よし、おにいさんが生活リズム戻してあげよう!」
「廉ちゃん、行ってらっしゃい」
「行くって言ってないし、俺部屋着!」
「いいよ、部屋着で。」
腕を引っ張られたら、そのまま歩くしかないじゃん…
「歯磨きと顔洗ったらスッキリするよ」
「んー。」
歯磨きした後は冷たい水で顔を洗う。
「すっきり...」
「あんまりしてなさ気だな。」
「んー。」
「廉くんなんか20歳って感じないよね。」
「うーん。まあ20歳って言ってもね、実はまだ19歳...」
「知ってるよ。12月だもんね!あるある20歳になる歳ってなんか学年変わったら20歳とか言い出しちゃうよね!」
「あと4ヶ月で20歳だもん。」
「そうだね、盛大に祝おうね!」
そんなことを言いながら俺の髪の毛をセットしていく。
「まあとりあえず今日はこんなもんか。」
服は寝巻きのパーカーのままだったけど、なんか嫌で半袖のフード付きパーカーとジーパンに着替えた。
「よし、じゃあ車に乗って?15分くらいで着くから。」
「はい...」
「ん?緊張してる?」
「別に。」
「今日は見学だけだから、怖がらなくて大丈夫。」
「うん。」
「俺の横で見てたらいいだけ。」
「うん。」
「緊張してるな」
翔さんは笑っているがこちらはそれどころじゃない。
俺、服興味ないし、今着てる服もネットで買ったんだよ?
服は着れたら満足だし。
「着いたよ。」
車から降りて少し歩いてすぐに着いた。
「ここ?」
「そう。立地もいいでしょ?」
「人通りすごいとこ。」
「うん。さ、入るよ。」
「「おはようございます!」」
2人の店員さんが迎えてくれた。
「この子俺の弟で今度モデルをする廉。ちょっと人が苦手だから距離感気をつけて。特に、幹也。」
「名指しっすか~?」
なんてケラケラ笑う幹也さんという人。
「進道幹也です。」
「羽間未来です。」
いい人なのはわかるが翔さんの後ろに隠れてしまった。
「大丈夫。未来、見過ぎ。廉くんびっくりしてる。」
未来さんは女性で男性ではないのだが、なぜか緊張してしまう。
2、3日は家から1人で出かける勇気がなくて部屋で勉強していた。
大学へは休学取り下げの連絡もしてまた新学期からいつも通り講義を受ける。
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「モデルさんになってもらう前に俺のブランドとか仕事とか見て欲しいなって。」
「ん...。」
「廉ちゃん、行ってみなよ?翔さんの仕事姿みに行くくらいできるでしょ?いつまでもお家にこもってちゃダメだよ?」
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「廉くーん?」
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「一緒に行こう?」
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「うーん。」
「どうした?なんか溶けてるけど。」
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「行くって言ってないし、俺部屋着!」
「いいよ、部屋着で。」
腕を引っ張られたら、そのまま歩くしかないじゃん…
「歯磨きと顔洗ったらスッキリするよ」
「んー。」
歯磨きした後は冷たい水で顔を洗う。
「すっきり...」
「あんまりしてなさ気だな。」
「んー。」
「廉くんなんか20歳って感じないよね。」
「うーん。まあ20歳って言ってもね、実はまだ19歳...」
「知ってるよ。12月だもんね!あるある20歳になる歳ってなんか学年変わったら20歳とか言い出しちゃうよね!」
「あと4ヶ月で20歳だもん。」
「そうだね、盛大に祝おうね!」
そんなことを言いながら俺の髪の毛をセットしていく。
「まあとりあえず今日はこんなもんか。」
服は寝巻きのパーカーのままだったけど、なんか嫌で半袖のフード付きパーカーとジーパンに着替えた。
「よし、じゃあ車に乗って?15分くらいで着くから。」
「はい...」
「ん?緊張してる?」
「別に。」
「今日は見学だけだから、怖がらなくて大丈夫。」
「うん。」
「俺の横で見てたらいいだけ。」
「うん。」
「緊張してるな」
翔さんは笑っているがこちらはそれどころじゃない。
俺、服興味ないし、今着てる服もネットで買ったんだよ?
服は着れたら満足だし。
「着いたよ。」
車から降りて少し歩いてすぐに着いた。
「ここ?」
「そう。立地もいいでしょ?」
「人通りすごいとこ。」
「うん。さ、入るよ。」
「「おはようございます!」」
2人の店員さんが迎えてくれた。
「この子俺の弟で今度モデルをする廉。ちょっと人が苦手だから距離感気をつけて。特に、幹也。」
「名指しっすか~?」
なんてケラケラ笑う幹也さんという人。
「進道幹也です。」
「羽間未来です。」
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「大丈夫。未来、見過ぎ。廉くんびっくりしてる。」
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