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第1章

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「トリトンだ。この国の次期王。思いだしたか?」
「・・・。あの、もう一人の神子候補の方に行った方がいいんじゃ・・・」
カリファーが『バカ!ここから出れるチャンスなのに!』とネコパンチを毛布の中でしてきた。
「俺はああいうキャピキャピした奴は嫌いでな。お前のような静かな子供の方が気が楽だ。」
そう言って毛布をめくろうとしてきた。
「あ・・・。」
「ん?ネコ・・・?」
「あ・・・この猫は僕の・・・家族。」
「そうか。家族か。この猫もともに部屋へ行こう。こんなところにいたら体を壊す。」
『いい奴ね。』
トリトンが軽々僕を抱っこしてカリファーを僕に抱えさせた。
「猫が落ちないようにしっかり抱いてなさい。」
「はい・・・。」
地下を出ると太陽がギンギンに照っていた。
「ん・・・まぶしい・・・。」
「大丈夫か?早く部屋に行こう。」
『ね?外は地獄でしょ?ライをあんな場所に閉じ込めたから山神と水神がブチギレよ・・・。救いようもないアホども』
「こら、カリファーお口が悪い・・・。」
ひそひそ声で注意をするがカリファーは反省ゼロだ。
トリトンに連れてこられた部屋はなんだか最初とは違う。
「心配だから俺の部屋にある個室でどうだ?」
「・・・・。なぜ心配ですか?別に僕なんてどうでも
「どうでもよくない。君はまだ神子の可能性があるし、そうじゃなくてもいじめられた子はまたあそこに戻したらまたいじめられるじゃないか。この国の次期王としてそういうのは許せないんだ。」
『なんだか熱い男ね。』
「さ、ここで自由に過ごせばいい。本もおもちゃもあるし。お昼寝してたっていい。君の自由に過ごしなさい。」
「・・・・。」
僕の見た目で小さい子と思ってるのだろうか。
僕はもうおもちゃじゃ遊ばない。
本は読むけど。
お昼寝か・・・。トイがいたらな。
僕は畑でお仕事をしたり、森でトイやパン、ライスと話したり遊んだりするのが好き。
「帰りたい・・・。」
「それはできないんだよ、まだ。」
「神子じゃなくても・・・?」
「それは・・・うーん。」
「・・・・。」
『はっきりしない男ね!』
カリファーは帰れることを期待していたようで不貞腐れている。
『無理にここを出ても連れ戻されるでしょうしちょっと様子を見ましょう?ライ。って・・・え?ライ?泣かないで・・・あなたが泣くと・・・』
外は晴れているというか、暑すぎるくらい晴れているのに雷がなり始めた。
「最近天気がおかしいんだ・・・。やはり二人のどちらかが本物の神子なんだろうな。」
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