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第14話 決意
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「東城様、戻りました」
響の言葉に顔を上げると、琴音も姿を現した。
「響から話は聞いた。私にできる事があるの?」
「ああ、恐らく闇蜘蛛の察知と案内をしてもらう事になるだろう。
琴音の事は必ず守るから力を貸して欲しい」
自信をもって琴音にそう言い切ると、しばらく琴音は考え込むように目を瞑った。
「分かった。私は誠についていく」
「響としては琴音の護衛をしたいだろうが、
打撃が通用しない相手なので、ここは我慢して廊下で待っていて欲しい」
響の気持ちは分からなくもないが、2人を守りながら怪異と戦うのは危険すぎる。
「……分かりました。琴音様の事をよろしくお願いします」
「了解。それじゃ懐中電灯1つと地下室の見取り図があれば、持ってきて欲しい」
「見取り図はあるのでお持ちします。懐中電灯は2つではなく1つですか?」
「1つでいい。俺は蜘蛛に備えてないといけないし、
地下室の電気は闇蜘蛛に落とされていると思うから、明かりは琴音に任せる」
「かしこまりました。少々お待ちください」
響はそう言うと、駆け足でリビングを後にして行った。
「悪いな、琴音」
「ううん、沙耶の事を助けてもらえるのは凄く嬉しい」
琴音は相変わらず表情に変化はないが、
どこか気持ちが和らいでいるように思えた。
「響からの圧力が無くなった事」と、
「響の妹が助かる可能性が出てきた事」が大きな要因かもしれない。
「1つ聞きたいのだが、響が連れてきた人の中に眼鏡をかけた
大学生風の男はいなかったか?」
「眼鏡をかけた人はいなかった」
そうか。
あいつが巻き込まれている可能性も排除できないと思っていたが、
どうやら無事みたいだ。
響の言葉に顔を上げると、琴音も姿を現した。
「響から話は聞いた。私にできる事があるの?」
「ああ、恐らく闇蜘蛛の察知と案内をしてもらう事になるだろう。
琴音の事は必ず守るから力を貸して欲しい」
自信をもって琴音にそう言い切ると、しばらく琴音は考え込むように目を瞑った。
「分かった。私は誠についていく」
「響としては琴音の護衛をしたいだろうが、
打撃が通用しない相手なので、ここは我慢して廊下で待っていて欲しい」
響の気持ちは分からなくもないが、2人を守りながら怪異と戦うのは危険すぎる。
「……分かりました。琴音様の事をよろしくお願いします」
「了解。それじゃ懐中電灯1つと地下室の見取り図があれば、持ってきて欲しい」
「見取り図はあるのでお持ちします。懐中電灯は2つではなく1つですか?」
「1つでいい。俺は蜘蛛に備えてないといけないし、
地下室の電気は闇蜘蛛に落とされていると思うから、明かりは琴音に任せる」
「かしこまりました。少々お待ちください」
響はそう言うと、駆け足でリビングを後にして行った。
「悪いな、琴音」
「ううん、沙耶の事を助けてもらえるのは凄く嬉しい」
琴音は相変わらず表情に変化はないが、
どこか気持ちが和らいでいるように思えた。
「響からの圧力が無くなった事」と、
「響の妹が助かる可能性が出てきた事」が大きな要因かもしれない。
「1つ聞きたいのだが、響が連れてきた人の中に眼鏡をかけた
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あいつが巻き込まれている可能性も排除できないと思っていたが、
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