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*第五話 ピートのしあわせ

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 アーティーは再びピートの唇をむさぼった。その口付けは、今まで交わしたどの口付けよりも甘くて。アーティーの心をとろけさせた。

「ん……あ、はぁ……っ」

 アーティーは、ピートのシャツをはだけさせ、胸もとに顔を寄せる。ピートの胸の突起はすでにぴんと立ち上がっていた。それに舌をわせると、ピートは甘い吐息をらす。

「あっ……あ……あ、んっ……」

 ぴちゃぴちゃと舌先で転がしてやる。唾液が伝い落ち、てらてらと光る様がいやらしかった。ピートはこうこつとした表情を浮かべて、胸を突き出す。

「あ、んぅ……アーティーくん……もっと……強く、して……」

 言われるままに、吸い上げてやるとピートはきようせいを上げた。その声が、もっと聞きたくて。アーティーはピートの胸ばかりを責め立てる。

「あ、あっ……ん、はぁ、あ……」

 ピートはもどかしげに腰を揺らした。アーティーはピートのベルトを外し、下着の中に手を入れる。

「……っ!」

 ピートが息を飲む。すでにそこは先走りでれそぼっていて、アーティーが軽くしごくとにちゃりといやらしい水音がした。

「あっ、あ、んっ……はぁ……!」
「気持ち良い、ですか……?」

 ピートの耳元でささやいてやると、ピートはこくこくと首を縦に振った。

「っ! あっあ、あん……気持ち、良いっ……ふぁ、ああぁっ……」

 ピートは素直にアーティーの問いに答えた。それを聞くだけで、アーティーの下肢にも熱がまってゆく。ピートは快感を逃がそうと、腰をくねらせる。その動きがいやらしくて。アーティーの熱はどんどんと高まってゆく。

「あっ、あっ……あ、ん、んっ……はぁ……っ」

 ピートの呼吸もだんだん荒いものに変わってきた。限界が近いのかもしれない。アーティーは扱く速度を速める。

「あっあっ、ダメ、もう、イっ……」

 ひときわ高い声で鳴くと、ピートはびくんと大きく身体を震わせた。アーティーの手の中に熱い液体が吐き出される。

「あ……あ」

 絶頂に達した途端、ピートの目から涙がこぼれた。

「……っ! あ、あの、俺、何か……その……?!」

 ピートの涙を見て、アーティーは動揺してあたふたとろたえる。それを見たピートは、涙をこぼしながら笑い声を上げた。

「……ふ、ふふっ……失敗なんてしてないよ……」
「だ、だって……!」
「ああ。これはね、うれしくて……嬉しくて泣いているんだ」

 そう言って、ピートはアーティーにほほみかけた。その笑顔に、アーティーの胸が高鳴る。

「あ、あの、ピート……さん?」
「ん?」
「俺、その……」
「?……ふふ。ほら」

 ピートが膝を持ち上げて、アーティーの股間に擦り付けるようにでてくる。アーティーは真っ赤になって言葉を詰まらせた。

「あ、う……その、良いですか……?」
「うん。僕も、君が欲しい」

 ピートは自らズボンと下着を脱ぎ去った。そして、アーティーの服にも手をかける。

「あ、じ、自分で……」
「良いから。やらせて欲しい」

 そう言うと、ピートはアーティーの服をすっかりってしまった。お互いの肌をさらし合うと、それだけで興奮が高まってくる。
 ピートは、アーティーの首に腕をからめた。

「ん……」

 どちらからともなく口付けを交わす。そして、アーティーはピートの秘所に指を突き立てた。そこはすでにぬるぬると濡れていて、ピートは事前に準備してきていたのだとわかった。

「本当に、期待してきたんですね」
「あ……う、うん……こんなあさましい奴、嫌、かな……?」
「……とても、素敵、です……!」

 つぼみをこじ開けて、温かな体内をまさぐっていくと、ピートは鼻にかかった声を上げ始めた。

「っ! あ、あっ……あ」
「だ、大丈夫ですか……?」
「うん……へ、いき……だから……もっと……」

 ピートがねだるままに、アーティーは指を増やして内部を解してゆく。その指がぽってりとしたしこりをかすめると、ピートの身体が大きく跳ねた。

「あ! あ、あっ……そこ、良いっ……」

 ピートはアーティーにしがみついて、快感に耐えている。その様がいやらしくて、アーティーの熱はどんどんと高まってゆく。

「も、もう、良いからっ……お願い」

 ピートがねだるように腰を揺らす。とても、三日前に初めて男を受け入れたばかりだとは思えない。その仕草があまりにもいじましくて、アーティーの理性が焼き切れた。

「あっ……ん、はぁ……」

 アーティーはピートの足を抱え上げ、自分のものをピートの秘所に押し付けた。

「あっ……あ、あ……」

 ゆっくりと、アーティーは腰を推し進める。ピートは苦しげに眉根を寄せた。

「あ、あ……っ」
「くっ……う、はぁ……っ」

 アーティーは腰を進めてゆき、やがて全てを収めきった。

「あ、あ……全部、入りましたよ……」
「うん……分かるよ……」

 アーティーが優しく口付けると、ピートはしあわせそうに微笑んだ。アーティーはピートの呼吸が落ち着くのを待って、ゆっくりと腰を動かし始めた。

「あ、あっ……ん、んっ……」
「はぁ、はぁ……っ」

 アーティーが動く度、ピートは甘い声を上げる。

「あ、あっ……だ、め……そこっ……」
「ここですか……?」

 アーティーはピートの泣き所をこするように、腰を動かした。

「ひぁっ……! あ、あ……良いっ……気持ち、良いよぉ……」

 ピートが涙をこぼして、快感を訴える。その様に、アーティーの熱も高まってゆく。
 アーティーが腰を動かすと、ぐちゅぐちゅとわいな水音が結合部から響いた。
 ピートはアーティーの首に腕を回して、ぎゅっと抱きついた。その仕草が、アーティーには『もっと』とせがまれているような気がして。アーティーは夢中で腰を動かした。

「あっ! あ、あ、んっ……あ、はぁ……っ」
「はぁ……っ」
「アーティーくん……もっ……と……」

 ピートのねだる声が、アーティーの熱をさらに加速させる。

「ピートさんっ……俺、もう……」

 限界が近付いて、アーティーがせつまった声を上げると。ピートはアーティーに口付けた。

「ん、んっ……あ、良いよ……中に、出して……」
「っ!」

 その一言で、アーティーは一気に上り詰める。

「あっ! あ、あああぁっ……!」
「くっ……あ、あ……っ」

 二人はほとんど同時に果てた。

「あ、はぁ……」

 ピートはぐったりとして、荒い呼吸をかえす。
 アーティーはそんなピートの髪を優しくいた。

「ん……気持ち良いよ……」
「俺もです」

 アーティーが微笑むと、ピートも嬉しそうに微笑んだ。

「……ねぇ、アーティーくん」
「はい?」
「……僕、今、すごくしあわせだよ」

 ピートはそう言って、アーティーに微笑みかけた。その笑顔に。アーティーは胸がきゅうんと締め付けられる。

「あっ、あのっ! 俺も……しあわせです……!」

 アーティーはピートの胸に顔を寄せて、ほおずりした。ピートはまたくすりと笑みをこぼす。

「ふふっ、くすぐったい……」
「ごめんなさい」

 アーティーが顔を上げると、今度は唇にキスが贈られた。何度もついばむようなキスをして、二人は微笑み合う。

「ねぇ、アーティーくん」
「はい」
「ぼ……私たち、またこうしてここで、会えるかな?」

 ピートは恥ずかしそうに頬を染めて、アーティーの手を握りながらたずねる。

「もちろんです。ピートさんが望むなら、俺はいつでもここに来ます」
「良かった……」

 ピートは安心したように笑うと、アーティーの胸に顔をうずめた。

「……もっと、いっぱい、いろんな事、教えてくれるかい? その……」
「はい。貴方あなたが気持ち良くなるような事、たくさん教えます、ね!」
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