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宇宙でランデヴー
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◇
────俺が思い付いた名案はこうだ。察するに、今、ルイはいわゆる「無知シチュ」と呼ばれる状況下である。故に、今のルイとならあーんなことや、こーんなことができるはずである。彼は今、俺のいうことを素直に受け入れてくれる無敵状態なのだ。だから、その状況下に漬け込み、彼と恋人プレイを楽しむことができる。きっと、人々は俺を蔑むだろう。無垢な少年をたぶらかす、悪い野郎だと────。
しかし、この好機を見逃すことが、俺にはできなかった。
「ケイトさん、もう。甘えん坊ですね」
彼の部屋、ベッドの上。俺はルイの膝に顔を埋め、彼の腰に抱きつく。頭に腕を回し、抱きかかえながら労るように撫でるルイの手のひらに、生きてて良かったと思った。
「ルイ、膝枕をしよう」。そう提案したのは先ほどのことだ。ひざまくら、と呟き、顎に手を当てて悩む彼に、すかさずやり方を教えた。「お前がベッドの上で正座をして、膝の上に俺が頭を置く」。ジェスチャーを交えながら体制を教えると、彼はひとつ知識を得たことに喜んだ。やがて、体制を整え、膝の上に俺を導く。その姿はまるで疲れた旅人を癒す女神のようだ。促されるまま俺は彼の膝の上におさまる。ふわりと漂った洗剤の匂いが股間を疼かせた。いかん、いかんと理性を保ち、頭を撫でるルイの手に鼻の下を伸ばす。
────最高だ……。
どうせ、この夢の終わりは予想がついている。隕石がぶつかりジ・エンドだ。その前の束の間に、彼とこうやってイチャイチャしてもバチは当たらない。
「ルイ」
「はい?」
「頭を撫でながら「いいこ」って呟いてくれ」
首を傾げたルイだが「分かりました」と頷く。やがて、頭を撫でながら「いいこ、いいこ」と歌うように呟いた。
────もしかしたら俺の死因は、心臓発作かもしれない。
そう思うほど、彼の甘い言葉と手のひらに酩酊する。「ママー!」と叫びたくなるほど、ルイは完璧に俺をあやした。
「……ルイ、今日は一緒に寝ないか?」
パッと顔を上げ、彼に問う。ルイはキョトンとした表情で俺を見つめていた。
「一緒に、ですか?」
「そうだ、一緒にだ。今まで誰かと一緒に寝たことは、あるか?」
「いえ、無いです……」
「じゃあ、初体験だな」
初体験という言葉を強めに言うと、彼が嬉しそうにした。しかし、やがて自分たちがいるベッドを確認し、首を傾げる。
「……このベッドで、寝るんですか? 狭く、無いですか?」
確かに、ベッドは二人で寝る分には狭い。シングルより、ほんの少し広めのそれは男二人じゃ窮屈である。
しかし、それは逆に好奇だ。
「ノンノン、ルイくん。狭いベッドで体を寄せ合って寝る。それが恋人同士のマナーなんだよ」
「あ、そうなんですね?」
「知りませんでした」。穏やかに微笑む彼を巧みに騙しているみたいで、気が引ける。しかし、何も知らない彼は全てを受け入れてくれた。まるで水を吸収するスポンジのようである。
「ほら、おいで」
ベッドに寝転がり、彼を誘う。ルイは一瞬戸惑ったように見えたが、ゆっくりとベッドへ乗り上げた。隣に体を寝かせたルイの横顔をまじまじと見つめる。まろい頬は滑らかで、思わず触れたくなった。
────俺が思い付いた名案はこうだ。察するに、今、ルイはいわゆる「無知シチュ」と呼ばれる状況下である。故に、今のルイとならあーんなことや、こーんなことができるはずである。彼は今、俺のいうことを素直に受け入れてくれる無敵状態なのだ。だから、その状況下に漬け込み、彼と恋人プレイを楽しむことができる。きっと、人々は俺を蔑むだろう。無垢な少年をたぶらかす、悪い野郎だと────。
しかし、この好機を見逃すことが、俺にはできなかった。
「ケイトさん、もう。甘えん坊ですね」
彼の部屋、ベッドの上。俺はルイの膝に顔を埋め、彼の腰に抱きつく。頭に腕を回し、抱きかかえながら労るように撫でるルイの手のひらに、生きてて良かったと思った。
「ルイ、膝枕をしよう」。そう提案したのは先ほどのことだ。ひざまくら、と呟き、顎に手を当てて悩む彼に、すかさずやり方を教えた。「お前がベッドの上で正座をして、膝の上に俺が頭を置く」。ジェスチャーを交えながら体制を教えると、彼はひとつ知識を得たことに喜んだ。やがて、体制を整え、膝の上に俺を導く。その姿はまるで疲れた旅人を癒す女神のようだ。促されるまま俺は彼の膝の上におさまる。ふわりと漂った洗剤の匂いが股間を疼かせた。いかん、いかんと理性を保ち、頭を撫でるルイの手に鼻の下を伸ばす。
────最高だ……。
どうせ、この夢の終わりは予想がついている。隕石がぶつかりジ・エンドだ。その前の束の間に、彼とこうやってイチャイチャしてもバチは当たらない。
「ルイ」
「はい?」
「頭を撫でながら「いいこ」って呟いてくれ」
首を傾げたルイだが「分かりました」と頷く。やがて、頭を撫でながら「いいこ、いいこ」と歌うように呟いた。
────もしかしたら俺の死因は、心臓発作かもしれない。
そう思うほど、彼の甘い言葉と手のひらに酩酊する。「ママー!」と叫びたくなるほど、ルイは完璧に俺をあやした。
「……ルイ、今日は一緒に寝ないか?」
パッと顔を上げ、彼に問う。ルイはキョトンとした表情で俺を見つめていた。
「一緒に、ですか?」
「そうだ、一緒にだ。今まで誰かと一緒に寝たことは、あるか?」
「いえ、無いです……」
「じゃあ、初体験だな」
初体験という言葉を強めに言うと、彼が嬉しそうにした。しかし、やがて自分たちがいるベッドを確認し、首を傾げる。
「……このベッドで、寝るんですか? 狭く、無いですか?」
確かに、ベッドは二人で寝る分には狭い。シングルより、ほんの少し広めのそれは男二人じゃ窮屈である。
しかし、それは逆に好奇だ。
「ノンノン、ルイくん。狭いベッドで体を寄せ合って寝る。それが恋人同士のマナーなんだよ」
「あ、そうなんですね?」
「知りませんでした」。穏やかに微笑む彼を巧みに騙しているみたいで、気が引ける。しかし、何も知らない彼は全てを受け入れてくれた。まるで水を吸収するスポンジのようである。
「ほら、おいで」
ベッドに寝転がり、彼を誘う。ルイは一瞬戸惑ったように見えたが、ゆっくりとベッドへ乗り上げた。隣に体を寝かせたルイの横顔をまじまじと見つめる。まろい頬は滑らかで、思わず触れたくなった。
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