幼虫の育て方

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ナセリの話

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   「お、んぉ゛、ほ、ぉ゛……!」

 頭が正常な判断を鈍らせる。快楽で麻痺し、何も考えられない。口からは下品な喘ぎ声しか漏れず、その音に恥ずかしさを覚えることさえ出来なかった。
 セルジュは、そんな僕を見て満足げだった。時折、垂れた唾液を舐め取り、鼻水や涙を脚先で拭っている。

「い゛、いぐ、いぐッ、い゛……ッ」

 体が一層、跳ねる。背中を反らせた僕を、セルジュが支えた。
 ────あ、れ?
 射精したと思われたが、しかし。涙で霞んだ目で、性器を見つめる。そこには射精しきれず苦しそうにビクつく性器と、最奥にまで入り込み、抜く様子を見せないセルジュの脚があった。

「あ、あー……だ、だした、だしたい、ッ、せ、せるじゅ……」

 僕の声に反応することなく、彼がもっと奥へ入り込もうと脚を動かした。それ以上は、ダメだ。壊れてしまう。入ってはいけない箇所へ、入ってしまう。
 そんな恐怖が支配し、足がガクガクと震える。

「お゛、ほッ……」

 脚が、何かに当たる。先ほどまでとは違う快感が全身を巡った。

「いや、い、や゛、ゆるじで、……ゆるじ、でッ、せ、るじゅ、ゆるじでぇ゛!」

 トントンと奥を叩かれて、尾骶骨が痺れる。喉を逸らし喘ぎながら、頭の片隅であることを思い出していた。尿道から、前立腺を弄れるという、そんな話を。
 ────もしかして、今、弄られている部分は……。
 頭の中で理解する前に、体は素直に反応していた。

「ん、ぉ……ほッ、お゛、お゛……ッ」

 僕の乱れ具合を楽しむように、彼が強弱や速度を変え、前立腺を押す。気を抜いてしまえば倒れそうな体は汗でぐっちょりと濡れており、小刻みに震えていた。

「あ゛、たま、おかし、ぐッ、なる、がら゛……」

 尿道と前立腺を同時に刺激され、まともな思考ができない。彼の体液も相まって、茹だるような眩暈が襲った。

「あ゛ー……、ッ、あ゛ー……」

 口からは言葉にならない喘ぎが漏れる。唾液をダラダラと垂らしながらだらしなく舌を出している僕の首を、セルジュが締める。しかし、そんな彼の行動に反応できないほど、僕は酩酊していた。頸動脈を押さえられ、回らない脳みそがさらに回らなくなる。酸素が行き届かないそこは、ビリビリと痺れ、苦しみを快楽へ変換させた。

「ッー……、っん、ぉ゛、また、い゛、ぐッ────……!」

 ガクンと体が跳ねる。背中を反らせながら、腰を突き出し、足がピンと張る。射精するため、鈴口がパクパクと開閉するが、それはセルジュの脚によって妨げられている。

「せ、せるじゅ、ほんと、本当に、ゆるじで、ぐだざい゛、ばか、ばかに、ばかになっちゃう、がら゛ッ」

 声を震わせ叫び続ける僕は、あることに気がついていた。
 ────お尻が、疼いている。
 今まで担当してきた虫達は、問答無用で僕の内部に入り込もうとしていた。嫌がっても、痛がっても、中で射精をする。奥に放たれた甘い体液を感受しながら、腹をビクビクと痙攣させる日々。
 けれど、彼は一切、そこへ触れない。まるで故意に避けているかのようである。
 ────尿道からじゃなくて、お尻から前立腺を触ってほしいだなんて、僕は……。
 自分の浅はかさに嫌気が差す。きっと、セルジュに嬲られて脳がバグを起こしているに違いない。

「あ゛ぎゅッ、!」

 集中しろと言わんばかりに前立腺を押され、涙目でセルジュを見た。「許してください」と繰り返す僕を無視し、彼は何度も尿道と前立腺を攻め続ける。
 結局、僕が解放されたのは四度目の射精と二回の潮吹きと一回の失禁をし終えた後だった。
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