幼虫の育て方

中頭かなり

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スニロの話

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 僕は手元にあるタブレットに目を通しながら、研究室へ向かう。時期的に、もうそろそろノルは幼虫から蛹になるはずだ。別れが近づいているのかと思うと少し寂しい。
 研究室へ入ると、そこに彼の姿はなかった。名前を呼びながらノルを探し回る。研究所の隅に造園された木々を覗き込み、辺りを見渡す。彼のお気に入りである大きな木へ近づき、顔を上げた。しかし、そこにはノルがいない。
 踵を返そうとした僕の背中にムニっとした感覚が伝わった。そのまま木に押し付けられる。顔だけを後ろに向けると、そこにはノルがいた。口元を蠢動させた彼に挨拶をする。

「こんにちは、ノル。元気だね」

 頬ずりをしてきたノルが口元に吸い付いた。抵抗することなく、大人しく口付けをする。ぬるりとした液体が口の端から漏れ、首へ垂れた。呼吸ができず、脳内がぼんやりとしてくる。臀部に硬いものが押し付けられ、思わず喉の奥から喘ぎが漏れた。後孔へ押し入ろうとする強引さを、後ろ手で止める。

「ノル、待って。すぐに脱ぐから」

 モノの先端から体液が下着に染み込むまで漏れており、頬を引き攣らせた。慌ててベルトへ手を掛け、下着ごと衣類を下ろす。同時に白衣も脱ぎ、その場へ放り投げた。
 不意に監視カメラへ視線が向いた。カイデンにワイシャツと靴下、そして革靴だけの姿を見られるのは居た堪れない。
 しかしこれも仕事だと自分に言い聞かせながら、硬い性器が押し入ろうとする衝撃に耐えた。
 体を木に押し付けられ、身動きができなくなる。頬に木のざらざらとした感触が伝わった。足元でぐしゃぐしゃになっている衣類で足を縺れさせながら、手を踏ん張り耐える。

「……あっ!」

 入り込んできた熱いそれを受け止めながら、浅く呼吸を繰り返す。足が震え、視界が霞んだ。目の前にある大樹を支えにしながら、我が物顔で体内へ侵入する異物に唇を噛み締めた。

「あ゛……っ、あぐっ、う゛……」

 内臓を押し上げられるような感覚に吐き気を覚える。しかしそれさえも快楽として捉えてしまう自分に情けなくなった。
 張った亀頭がゴリゴリと前立腺を抉り、背中に脂汗が滲む。鳥肌が立ち、震えた。

「あっ、あぁっ、あ゛ー……あっ、い、いく、いッ……!」

 全身に電撃が走り、指先に力が入る。脳が気持ちいいことしか考えられなくなり、真っ白になった。途端に射精感を抑えきれなくなり、目の前の木に吐き出してしまう。その場に倒れそうになった体をノルが支えた。
 後ろを振り返ると、彼と目が合う。つぶらな瞳が可愛くて口角を上げた。
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