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◇
「……うーん」
ベッドに寝転がり、唸る。涼しくなった夜風が、薄いカーテンを揺らす。夏仕様のサラサラしたベッドシーツに頬を擦り寄せ、息を吐き出す。
「モヤモヤする」
今日、秋斗とした行為でスッキリしたはずだ。けれど、何かが物足りなくて体が熱を帯びムズムズとする。
ベッドに僕を押し付け、臀部の肉で性器を扱いていた秋斗を思い出し、顔が染まった。後孔の縁に引っかかる亀頭や、ぬるりとした体液の感覚を思い出し、唇を噛み締める。
「……挿れたら、どんな感じなんだろう」
無意識に呟いた言葉が部屋の床に落ちた。近くに放置してあった携帯端末を手に取り、あるサイトへ飛んでみる。
そこはいわゆる「男同士」の生々しい行為を映像に収めた作品が多数掲載されている場所だ。サムネイルには屈強な男たちが絡み合ったものが映っていて、思わず顔を顰める。そこで改めて、秋斗の裸や性器に嫌悪感を抱かなかったことに驚いた。
「ちょっと、だけ」
音量を最小限に下げ、再生ボタンを押してみる。画面の中で男が抱き合っていた。(勿論、性的な意味である)大柄な男が、挿入される側であろう男を攻めている。愛撫もそこそこに、育ち切った性器を後孔へ挿入する。相手の男が激しく喘いでいた。
────えぐ……。
こんなものが、入るのか? と唇を曲げる反面、言いようのない興奮が僕を支配していた。男同士の行為に胸を高鳴らせているわけではない。ただ……。
────僕らがシたら、こんな感じなのかな。
大柄な男と相手側の男は、秋斗と僕に似た体格をしている。大柄な男が覆い被さるたびに、相手の体が見えなくなる。抵抗する相手の手を力で押さえつける光景が、目に焼きつく。自分たちに重ねてしまい、一気に汗が滲んだ。
動画の中では嫌だと抵抗していた相手の男も次第にとろんとした表情になり、受け入れ始めた。
「っ……」
思わず、自分の臀部に手を伸ばしてしまう。後孔に指を這わせ、撫でてみた。
────入るのか? こんなところに。
秋斗の熱い性器や体液がここを往復していたのだと思い出し、グッと唇を噛み締める。頬が染まり、息が上がった。
可愛いね、八雲くん。耳元でそんな幻聴が聞こえ、ビクンと体が跳ねた。前を触ってみると、緩やかに勃っていて苦笑いが漏れる。
「……僕、元に戻れるのかな……」
ここにいる期間だけ、関係を続けてくれと秋斗に言われた。僕もそのつもりだったし、夏が終われば学生としての生活が再開する。けれど、その後……この経験を忘れることができるだろうか。
────こんな動画見て、自分で触ったりして……。
秋斗にされた行為の、それ以上を望んでいる自分の穢らわしさに暗澹たる気持ちに支配される。
携帯端末の画面を消し、枕に顔を埋めた。
「……うーん」
ベッドに寝転がり、唸る。涼しくなった夜風が、薄いカーテンを揺らす。夏仕様のサラサラしたベッドシーツに頬を擦り寄せ、息を吐き出す。
「モヤモヤする」
今日、秋斗とした行為でスッキリしたはずだ。けれど、何かが物足りなくて体が熱を帯びムズムズとする。
ベッドに僕を押し付け、臀部の肉で性器を扱いていた秋斗を思い出し、顔が染まった。後孔の縁に引っかかる亀頭や、ぬるりとした体液の感覚を思い出し、唇を噛み締める。
「……挿れたら、どんな感じなんだろう」
無意識に呟いた言葉が部屋の床に落ちた。近くに放置してあった携帯端末を手に取り、あるサイトへ飛んでみる。
そこはいわゆる「男同士」の生々しい行為を映像に収めた作品が多数掲載されている場所だ。サムネイルには屈強な男たちが絡み合ったものが映っていて、思わず顔を顰める。そこで改めて、秋斗の裸や性器に嫌悪感を抱かなかったことに驚いた。
「ちょっと、だけ」
音量を最小限に下げ、再生ボタンを押してみる。画面の中で男が抱き合っていた。(勿論、性的な意味である)大柄な男が、挿入される側であろう男を攻めている。愛撫もそこそこに、育ち切った性器を後孔へ挿入する。相手の男が激しく喘いでいた。
────えぐ……。
こんなものが、入るのか? と唇を曲げる反面、言いようのない興奮が僕を支配していた。男同士の行為に胸を高鳴らせているわけではない。ただ……。
────僕らがシたら、こんな感じなのかな。
大柄な男と相手側の男は、秋斗と僕に似た体格をしている。大柄な男が覆い被さるたびに、相手の体が見えなくなる。抵抗する相手の手を力で押さえつける光景が、目に焼きつく。自分たちに重ねてしまい、一気に汗が滲んだ。
動画の中では嫌だと抵抗していた相手の男も次第にとろんとした表情になり、受け入れ始めた。
「っ……」
思わず、自分の臀部に手を伸ばしてしまう。後孔に指を這わせ、撫でてみた。
────入るのか? こんなところに。
秋斗の熱い性器や体液がここを往復していたのだと思い出し、グッと唇を噛み締める。頬が染まり、息が上がった。
可愛いね、八雲くん。耳元でそんな幻聴が聞こえ、ビクンと体が跳ねた。前を触ってみると、緩やかに勃っていて苦笑いが漏れる。
「……僕、元に戻れるのかな……」
ここにいる期間だけ、関係を続けてくれと秋斗に言われた。僕もそのつもりだったし、夏が終われば学生としての生活が再開する。けれど、その後……この経験を忘れることができるだろうか。
────こんな動画見て、自分で触ったりして……。
秋斗にされた行為の、それ以上を望んでいる自分の穢らわしさに暗澹たる気持ちに支配される。
携帯端末の画面を消し、枕に顔を埋めた。
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