30 / 49
愛の深度
5
しおりを挟む
「はっ、た、たいちょ、っ、たいちょ」
抑えきれなくなった声を漏らしながら、惨めに腰を振る。裏筋と亀頭を愛撫する唇は、俺を慰めるためだけにそこに存在しているかのように思えた。
「ぅ、っ、あ……」
勢いよく吐き出された精液を自分の手で押さえる。しかし、興奮しすぎたようだ。液体は手に収まらないほど溢れていた。
乱れた呼吸が静かな部屋に響く。吐き出した余韻に溺れながら、脳内が虚ろとする。
────やってしまった、やってしまった。
俺はついに、やってしまった。隊長を本格的に「そういう目」で見てしまった。けれど、後悔はなかった。むしろ、もっと乱暴なことをしたいと思っている自分がいる。彼の奥深くに入り込み、吐き出したいとさえ願っている。
「……」
ルタを見下ろす。自分が何をされたのか知らぬまま、夢の中に居る彼がどうしようもなく愚かで愛おしい。
そんな彼をもっと汚してやりたくて、鈴口に溜まった精液を彼の歯列へ塗りつけた。
「うぅん……」
ルタが小さく唸る。俺はバッと素早く体を離し、衣服を整えた。しかし、ルタは起きる気配がない。口元をもごもごと動かし、やがて寝返りをうった。
そこで俺は我にかえった。立ち上がり、踵を返す。転びそうになりながら小屋を後にする。
額に汗が滲み、首筋にまで垂れた。唇が戦慄き、歯がガタガタと震える。
自分の小屋に入り、膝から崩れ落ちた。震えた手で額を拭い、乱れた呼吸を整える。
────バレてないだろうか?
彼は起きていなかった。きっと明日、朝になっても先ほど起こった出来事に気がつかないだろう。なんてことない顔をしてみんなに指示を出すのだ。
そうだ、そうに決まっている。
「……明日も早いんだ、寝よう」
自分に言い聞かせ、ブランケットに包まった。無理やり目を瞑り、跳ねる心臓をなんとか落ち着かせる。未だにルタの唇の感触が頭から離れなかった。
◇
「お前、昨日ルタの小屋で何やってたんだよ」
俺の小屋に来たかと思えば、ニヤニヤしながらゴドフリーが尋ねてきた。俺は洗濯に出す衣類をまとめていた手を止め、体を強張らせた。固まった俺を見ながら、ゴドフリーが壁に寄りかかり肩を揺らし笑った。
なんと返して良いか分からず、頬を引き攣らせる。指先が震え始め、口の中に溜まった唾液を嚥下した。俺の動揺っぷりがよほど面白いのか、ゴドフリーが悪魔のように口角を上げる。
「言えないのか?」
彼は、何処からどこまで見ていたのだろうか。俺が小屋に入るところ? それとも中でおこなっていた行為? 出てくるところ? 口を開閉させた俺に痺れを切らせたのか、呆れたようにぼやく。
「口もきけなくなったのか? お前は」
「どこから見てた」
素直に言葉が漏れた。動揺する俺に気分をよくしたのか、ゴドフリーが愉快そうに目を細める。
抑えきれなくなった声を漏らしながら、惨めに腰を振る。裏筋と亀頭を愛撫する唇は、俺を慰めるためだけにそこに存在しているかのように思えた。
「ぅ、っ、あ……」
勢いよく吐き出された精液を自分の手で押さえる。しかし、興奮しすぎたようだ。液体は手に収まらないほど溢れていた。
乱れた呼吸が静かな部屋に響く。吐き出した余韻に溺れながら、脳内が虚ろとする。
────やってしまった、やってしまった。
俺はついに、やってしまった。隊長を本格的に「そういう目」で見てしまった。けれど、後悔はなかった。むしろ、もっと乱暴なことをしたいと思っている自分がいる。彼の奥深くに入り込み、吐き出したいとさえ願っている。
「……」
ルタを見下ろす。自分が何をされたのか知らぬまま、夢の中に居る彼がどうしようもなく愚かで愛おしい。
そんな彼をもっと汚してやりたくて、鈴口に溜まった精液を彼の歯列へ塗りつけた。
「うぅん……」
ルタが小さく唸る。俺はバッと素早く体を離し、衣服を整えた。しかし、ルタは起きる気配がない。口元をもごもごと動かし、やがて寝返りをうった。
そこで俺は我にかえった。立ち上がり、踵を返す。転びそうになりながら小屋を後にする。
額に汗が滲み、首筋にまで垂れた。唇が戦慄き、歯がガタガタと震える。
自分の小屋に入り、膝から崩れ落ちた。震えた手で額を拭い、乱れた呼吸を整える。
────バレてないだろうか?
彼は起きていなかった。きっと明日、朝になっても先ほど起こった出来事に気がつかないだろう。なんてことない顔をしてみんなに指示を出すのだ。
そうだ、そうに決まっている。
「……明日も早いんだ、寝よう」
自分に言い聞かせ、ブランケットに包まった。無理やり目を瞑り、跳ねる心臓をなんとか落ち着かせる。未だにルタの唇の感触が頭から離れなかった。
◇
「お前、昨日ルタの小屋で何やってたんだよ」
俺の小屋に来たかと思えば、ニヤニヤしながらゴドフリーが尋ねてきた。俺は洗濯に出す衣類をまとめていた手を止め、体を強張らせた。固まった俺を見ながら、ゴドフリーが壁に寄りかかり肩を揺らし笑った。
なんと返して良いか分からず、頬を引き攣らせる。指先が震え始め、口の中に溜まった唾液を嚥下した。俺の動揺っぷりがよほど面白いのか、ゴドフリーが悪魔のように口角を上げる。
「言えないのか?」
彼は、何処からどこまで見ていたのだろうか。俺が小屋に入るところ? それとも中でおこなっていた行為? 出てくるところ? 口を開閉させた俺に痺れを切らせたのか、呆れたようにぼやく。
「口もきけなくなったのか? お前は」
「どこから見てた」
素直に言葉が漏れた。動揺する俺に気分をよくしたのか、ゴドフリーが愉快そうに目を細める。
21
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説
『僕は肉便器です』
眠りん
BL
「僕は肉便器です。どうぞ僕を使って精液や聖水をおかけください」その言葉で肉便器へと変貌する青年、河中悠璃。
彼は週に一度の乱交パーティーを楽しんでいた。
そんな時、肉便器となる悦びを悠璃に与えた原因の男が現れて肉便器をやめるよう脅してきた。
便器でなければ射精が出来ない身体となってしまっている悠璃は、彼の要求を拒むが……。
※小スカあり
2020.5.26
表紙イラストを描いていただきました。
イラスト:右京 梓様
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
【※R-18】αXΩ 懐妊特別対策室
aika
BL
αXΩ 懐妊特別対策室
【※閲覧注意 マニアックな性的描写など多数出てくる予定です。男性しか存在しない世界。BL、複数プレイ、乱交、陵辱、治療行為など】独自設定多めです。
宇宙空間で起きた謎の大爆発の影響で、人類は滅亡の危機を迎えていた。
高度な文明を保持することに成功したコミュニティ「エピゾシティ」では、人類存続をかけて懐妊のための治療行為が日夜行われている。
大爆発の影響か人々は子孫を残すのが難しくなっていた。
人類滅亡の危機が訪れるまではひっそりと身を隠すように暮らしてきた特殊能力を持つラムダとミュー。
ラムダとは、アルファの生殖能力を高める能力を持ち、ミューはオメガの生殖能力を高める能力を持っている。
エピゾジティを運営する特別機関より、人類存続をかけて懐妊のための特別対策室が設置されることになった。
番であるαとΩを対象に、懐妊のための治療が開始される。
陵辱クラブ♣️
るーな
BL
R-18要素を多分に含みます。
陵辱短編ものでエロ要素満載です。
救いなんて一切ありません。
苦手な方はご注意下さい。
非合法な【陵辱クラブ♣️】にて、
月一で開かれるショー。
そこには、欲望を滾せた男たちの秘密のショーが繰り広げられる。
今宵も、哀れな生け贄が捧げられた。
【※R-18】αXΩ 〜男性妊娠 候補生〜
aika
BL
αXΩ 〜男性妊娠候補生〜
【※閲覧注意 マニアックな性的描写など多数出てくる予定です。男性しか存在しない世界。BL、複数プレイ、乱交、陵辱、出産、治療行為など】独自設定多めです。閲覧ご注意ください。
宇宙戦争により人類は滅亡の危機を迎えていた。
男性のみが残された世界で、人類存続をかけた「男性妊娠」のための研究が進んでいる。
妊娠させる能力値が高い者をα(カリスマ性があるエリートが多い)、妊娠可能な遺伝子を持つ男性をΩ(出産の能力が高い男性)と分類し、研究所において妊娠に向けた治療が行われていた。
とある研究所で妊娠出産を目指す、候補生たちの日々を描く物語。
4人のαには、気に入った候補生(Ω)を種付けする権利が与えられている。
α、Ωともに妊娠確率を高めるため、医師により様々な実験、治療が施されいた。
泥沼な人間関係や、それぞれの思惑が交差する、マニアックな物語になる予定です。。閲覧ご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる