みんなのたいちょう

中頭かなり

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愛の深度

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 昼間に脳裏で思い浮かべたルタが瞼の裏から離れない。ブランケットに包まった俺は、悶々としたものを孕ませながら寝返りを何度もうった。
 ルタも、あんな低俗な雑誌で興奮したりするのだろうか。ボロボロになった雑誌を手に取り、その中から好みの女を探し出す。やがてゆっくりと下腹部へ手を伸ばし────。
 そこまで想像し、急激に罪悪感が押し寄せた。ルタでこんな穢れた妄想をするのは、罪に思えたのだ。
 けれど、俺の下腹部は素直に反応していた。自分を慰めるルタを想像し、腹の奥がズンと重くなる。
 ────今の時間、ルタはすでに寝ているだろうか。
 夜の見張りや偵察が入っていなければ、彼は自分の小屋で眠りについているはずだ。その寝顔を見たい衝動に駆られ、抑えきれなくなった。ぐつぐつと煮えたぎる血を抑えるには、彼の元へ行かなければいけないという思考に脳が乗っ取られる。
 ────静かに行けば、きっとバレない。
 思い立ち、体を起こした。やめておけと止める俺と、早く行こうと急かす俺がいる。どちらが勝つかは明白だった。小屋を出て、集落内を歩む。音を立てず、呼吸も殺してルタの小屋まで急いだ。
 ────寝顔を見るだけだ。ちょっと見て、すぐ帰るだけ。
 俺は特別、彼に何かをしようと思っているわけじゃない。ただちょっと、ほんの少しだけ眠りに落ちた彼を見たいだけで。
 ルタの小屋前まで辿り着き、俺は深呼吸をした。中から起きている人間の気配が感じられない。扉を開けると、窓から差し込む月明かりがぼんやりと内部を照らしている。窓際に寄せられたマットレスの上。そこに寝転がったルタを見て、緊張が一気に高鳴る。瞼を閉じ、穏やかな寝音を立てている彼を起こさぬよう、忍足で入る。
 心臓が口から飛び出そうなほど高鳴っている。手のひらに滲んだ汗を、ズボンで拭う。
 軋む床の音に怯えながら、彼へ近づいた。スウスウと小さな寝息が聞こえ、呼吸が乱れる。捲れたシャツから覗く薄い腹に眩暈がした。乾いた唇を舐め、無意識に手を伸ばす。そっとヨレたシャツの端を掴み、持ち上げた。色の薄い胸の突起がチラリと見え、それが男のものだというのにとてつもなくいやらしく思えた。
 触ってみたい、摘んでみたい。舐めて彼の反応を確かめてみたいという欲求に襲われる。

「……っ」

 俺の性器は痛いほど勃起していた。はち切れんばかりに勃っているそれが窮屈で、履いていたスウェットを下ろす。ボロンと出てきた性器はビクビクと脈を打ち、今にも発散しようとしている。
 ────少しぐらい。
 チラリとルタへ視線を投げた。薄く開いた唇から覗く白い歯と口内に、目が釘付けになる。
 ────少しぐらいだったら、バレないだろう。
 ルタから漂う色香が、俺を酩酊させる。彼が悪い。俺を誘惑する彼が悪いのだ。自分にそう言い聞かせ、彼の口元へ性器をなすりつけた。唇に添うように、裏筋を擦り付ける。柔らかいそこに触れた途端、背中に脂汗が滲んだ。彼が起きないようにナメクジが這うような遅さで動かす。唇と歯列で亀頭から裏筋を擦ると、気絶するほど気持ちよかった。何より、勃起したグロテスクな性器が彼の体の一部に触れているのだ。それだけで爆ぜてしまいそうである。
 ────もっと、もっと触れたい。
 彼の内部へ、触れたい。そのことが頭を支配する。興奮で煮えた脳は、まともな判断を拒絶した。亀頭を口内へ滑り込ませる。ぬるりとした粘膜を感じた俺は、喘ぎそうになった声を喉の奥に閉じ込める。腰を引き、口内から唇へ移動させる。それを数回繰り返すと、もう余裕がなくなってきた。
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