みんなのたいちょう

中頭かなり

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 ゴドフリーの小屋の前。俺は口の中に溜まった唾液を、勢いよく飲み下す。小屋から漏れる男たちの短い喘ぎ。そして、ルタの掠れた声が聞こえ、体を硬直させた。
 どうして、俺はここに来てしまったのだろう。自分の行動が理解できず、手のひらに汗が滲む。踵を返そうと体を動かしたが、しかし相反して、震えた足が小屋の中に入っていた。
 ドアを開けた俺を、ルパートが一瞥する。何の用だ? と問われ、乾いた唇を舐めた。立ちこめる歪な臭いに、眉を顰める。
 バクバクと脈打つ心臓が嫌になるほど五月蝿い。

「隊長を……その……」
「なんだよ、歯切れが悪いな。ほら、こっちこいよ」

 輪の中にいたワッツが近寄り、腕を引く。お前、興味なさげにしてたくせに。彼に笑われ、全身の血が沸騰したかのように熱くなる。
 犯されているルタの元へ引き摺られるように導かれた。隊長に覆い被さり、雄くさい喘ぎを漏らしている男へ目が釘付けになる。

「アントン……?」
「く、っ、たい、ちょ……」

 アントンは俺の存在など視界に入っていなかった。ルタの臀部を鷲掴みにし、バックで彼を犯している。挿入された性器がピストンするたびに、虚ろな目をした隊長が小さく呻き声を上げた。
 アントンは、言葉で隊長を抱きたいと言っていても、有言実行するタイプではないと思っていた。
 けれど違う。彼はまるで獣のようにルタを犯していた。その事実に、体から力が抜ける。
 ────結局みんな、けだものじゃないか。

「なんだよ。鑑賞だけしにきたのか? せっかくだから抜いてもらえよ」

 ゴドフリーが下劣な笑みを浮かべた。せっかくだから、抜いてもらえよ。彼の言葉がリフレインする。ふと、ルタへ視線を投げた。床に額を擦り付け、口から涎を垂らし、涙を流しながら生気の無い瞳をしている。
 その表情は、とても恐ろしいものだった。同時に、立ち眩みがするほど美しかった。
 そっと頬へ手を伸ばす。冷え切った頬は、数日前まで穏やかに微笑んでいた人間のものとは思えず、まるでマネキンのようだった。けれど、こっちのルタの方が好きだなと痛感してしまう。
 そんなことを思う自分を、殴りたいほど軽蔑した。しかし、俺は彼を犯す周りの人間を蔑みながら、ルタを穢したいと願っている。
 ────一番の卑怯者は、俺かもしれない。
 自分のベルトへ手を伸ばす。カチャカチャと聞こえた金属音に、ゴドフリーが笑う気配がした。ズボンを脱ぎ、下着をずらす。悲惨な光景とは裏腹に、性器は硬さを帯びていた。先端からは液体が滲んでいて、今にも発散したいと蠢いている。
 カサついたルタの唇へそれを押し付けた。ねっとりとした液体を薄い皮膚へ塗りつける。その行為だけでもう達しそうなほど興奮した。そのまま、滑りのある口内へ挿入した。裏筋に彼の舌が当たり、全身が熱くなる。
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