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私は夢を見ない
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◇
向かいに母が座っていた。頬杖をつき、こちらを見つめる彼女は、あの日と変わらない穏やかな笑みを浮かべていた。
ふと、辺りを見渡す。そこは一寸の狂いもないほど綺麗に構成された我が家のリビングだ。私は唾液を嚥下し、もう一度、母へ視線を投げる。
テーブルには紅茶が入ったティーカップと、真白いショートケーキが置かれていた。母は湯気が立った紅茶を啜り、息を吐き出した。
「由紀」
母の口から自分の名が出た瞬間、全身の毛穴から汗が吹き出した。バクバクと心臓が鼓動を早め、手に汗が滲む。これは夢なのだと分かっていても、動悸がおさまらなかった。
「食べて。あなたが好きなショートケーキよ」
母が手で促す。私は視線を下ろし、真白いそれを見つめた。雪景色の中にひっそりと置かれた赤い苺が目に焼き付く。近くにあったフォークを震える手で掴んだ。柔らかい生地へ突き刺し、裂く。一口サイズにしたそれを、おそるおそる口へ運んだ。口内へ入れた瞬間、甘みが舌に広がった。そのリアルさに思わず目を見開く。
「美味しい?」
そう問われ、私は頷いた。母はよかった、と目元に皺を寄せる。
そんな母を見ていると、あの日、私の暴言に悲しそうに眉を歪めていた母を思い出す。
────そうだ、母はこんなに綺麗に笑う人だったのだ。
そう思い出し、私はボロボロと涙をこぼした。止まらない嗚咽がリビングに響く。母は何も言わなかった。
「ごめんなさい、ごめんなさい。お母さん。ごめんなさい」
まるで叱られた子供のように泣きじゃくる。落ちる涙が、ショートケーキに染みた。持っていたフォークを落とし、両手で目元を何度も擦る。
「ごめんなさい。私があんなこと言わなければ。お母さんは死なずに済んだのに。私が全部悪いんだ。私がお母さんを殺した。ごめんなさい、ごめんなさい」
机に突っ伏す。テーブルの上に置かれたティーカップが倒れ、中身がフローリングへ垂れた。止まらない涙がテーブルを汚す。
私はあの日以降、何度も思った。戻りたいと。戻って母を引き止めたいと。私が悪かったと謝り、自転車のハンドルへかける手を引き、暖かいリビングへ戻りソファに座りながら、バラエティ番組でも見て笑い合いたい。
でも、もう二度とそんな日々は戻らない。引き金を引いたのは私なのだ。
冷たい道路の上で痛みに耐えながら息絶えていく母が最後に何を思ったのだろうか。私には想像もできない。目の端に映ったであろう、ぐちゃぐちゃのショートケーキを見ながら息を引き取る母を想像し、胸が痛んだ。
「ごめんなさい。許さないで。私を一生許さないで」
私は許されるべき人間ではない。一生、その罪を胸に生きていかなければいけない大罪人なのだ。
不意に、背中に体温が伝わる。顔を上げると、そこには母がいた。穏やかに微笑み、私の背中を摩っている。
「由紀、泣かないで」
そのまま、抱き寄せられる。その温もりに、胸が張り裂けそうになった。思わず、手を回す。幻だと知っている。けど、縋りたかった。
生前に、もっと彼女を抱きしめていればよかった。恥ずかしいからと顔を背けずに、きちんと向き合えば良かった。愛していると伝えればよかった。
今さら、今さら。失ってから、そんな大切なことに気がつくなんて。私は本当に愚か者だ。
「お母さん、お母さん。大好きだよ。ずっと」
彼女に伝えられなかった言葉だ。産んでくれてありがとう。育ててくれてありがとう。そばにいてくれてありがとう。大好きだよ。どうしてこんな簡単な言葉を言えなかったのだろう。手を伸ばせば届く範囲に母は居て、口を開けば伝えることができたはずなのに。
背中へ回した手に力を込める。母も力を込めて抱きしめた。由紀。耳元で彼女が囁く。
「お母さんもね」
母を見上げる。ひどく静かに笑う彼女と、目が合った。
「ずっと大好きだよ」
窓から差し込む朝日が、目を焼いた。光の方へ視線を遣る。眩むほどのそれは、ここが現実だと私へ知らしめているようだった。
手には先ほどまで抱きしめていた母の温もりさえ感じられない。
やっぱり、所詮は夢じゃないか。私は腕で目元を隠し、深々と息を吐いた。
「でもまぁ、思ったほど悪くはなかった、かな」
私は目元に滲んだ涙を拭い、そう呟く。
外で鳥が囀っていた。
◇
一階へ降りると父がエプロンを身に纏い、弁当を作っていた。卵を焼いたような匂いが部屋に漂っていて、私は眠気が残った脳内のまま、ダイニングチェアへ腰を下ろした。
キッチンに立ち、こちらへ背中を向けている父に視線を遣る。
鼻歌でも歌い出しそうなその背中を見つめ、小さく笑った。
「ねぇ」
声をかけると、彼が振り向いた。ん? と首を傾げながら私を見つめる。寝癖すごいな、と肩を揺らし笑う父が作り終えた卵焼きをまな板へ置いた。包丁を手に取り、切り込みを入れる動作を目で追う。
「お父さん」
「なに?」
「お母さんの夢をね、見たんだ」
父の動きが止まった。やがてオイルが足りないロボットのようにぎこちなく再開する。
「……ONP錠でね。見るつもりは……なかったんだ。あんなの、所詮夢だし。でも昨日、見ちゃった」
彼は黙ったままだ。やがて小さく、そうか、と呟く。
「……でも、夢は夢だった。あれは私の妄想の産物だし、本物じゃない。だからね、私、もう夢は見ないことにしたよ」
父とこうやって母の件を話したのはいつぶりだろう。いや、きっと初めてだ。私たちはずっと蓋をしたまま生きてきた。
「……お父さん。今度の休みに昔、三人で行ったテーマパークに行かない?」
父が私を見た。泣きそうな顔をして、頷く。じゃあ予定空けといてね、と微笑む。
私たちは、腹を割って話せるだろうか────あの日、私と母の間に何が起こったか。母が他界したと告げられて、父はどんな心境だったのか。
きっと、いつか話せる日が来る。私たちは、そういう家族に変わっていけるはずだ。
そして、いつか聞いてみたい。
父と母がどうやって出会い、恋に落ちて私が生まれたのかを。
「あちっ」
父が小さな悲鳴をあげる。どうしたの? と声をあげ、私もキッチンへ立った。弁当箱へ盛り付ける父を手伝った。
ふと、テラス戸へ視線を投げる。差し込む朝日が、部屋を照らしていた。眠りについていた人々が夢から覚め、動き出す時間がもうそこまで迫っている。
みんな、どんな夢を見ていたのだろうか。そして、目覚めた時に何を思っているのだろうか。
世界中で繰り返されるそんな毎日の一コマを思い浮かべ、私は目を瞑った。
【完】
向かいに母が座っていた。頬杖をつき、こちらを見つめる彼女は、あの日と変わらない穏やかな笑みを浮かべていた。
ふと、辺りを見渡す。そこは一寸の狂いもないほど綺麗に構成された我が家のリビングだ。私は唾液を嚥下し、もう一度、母へ視線を投げる。
テーブルには紅茶が入ったティーカップと、真白いショートケーキが置かれていた。母は湯気が立った紅茶を啜り、息を吐き出した。
「由紀」
母の口から自分の名が出た瞬間、全身の毛穴から汗が吹き出した。バクバクと心臓が鼓動を早め、手に汗が滲む。これは夢なのだと分かっていても、動悸がおさまらなかった。
「食べて。あなたが好きなショートケーキよ」
母が手で促す。私は視線を下ろし、真白いそれを見つめた。雪景色の中にひっそりと置かれた赤い苺が目に焼き付く。近くにあったフォークを震える手で掴んだ。柔らかい生地へ突き刺し、裂く。一口サイズにしたそれを、おそるおそる口へ運んだ。口内へ入れた瞬間、甘みが舌に広がった。そのリアルさに思わず目を見開く。
「美味しい?」
そう問われ、私は頷いた。母はよかった、と目元に皺を寄せる。
そんな母を見ていると、あの日、私の暴言に悲しそうに眉を歪めていた母を思い出す。
────そうだ、母はこんなに綺麗に笑う人だったのだ。
そう思い出し、私はボロボロと涙をこぼした。止まらない嗚咽がリビングに響く。母は何も言わなかった。
「ごめんなさい、ごめんなさい。お母さん。ごめんなさい」
まるで叱られた子供のように泣きじゃくる。落ちる涙が、ショートケーキに染みた。持っていたフォークを落とし、両手で目元を何度も擦る。
「ごめんなさい。私があんなこと言わなければ。お母さんは死なずに済んだのに。私が全部悪いんだ。私がお母さんを殺した。ごめんなさい、ごめんなさい」
机に突っ伏す。テーブルの上に置かれたティーカップが倒れ、中身がフローリングへ垂れた。止まらない涙がテーブルを汚す。
私はあの日以降、何度も思った。戻りたいと。戻って母を引き止めたいと。私が悪かったと謝り、自転車のハンドルへかける手を引き、暖かいリビングへ戻りソファに座りながら、バラエティ番組でも見て笑い合いたい。
でも、もう二度とそんな日々は戻らない。引き金を引いたのは私なのだ。
冷たい道路の上で痛みに耐えながら息絶えていく母が最後に何を思ったのだろうか。私には想像もできない。目の端に映ったであろう、ぐちゃぐちゃのショートケーキを見ながら息を引き取る母を想像し、胸が痛んだ。
「ごめんなさい。許さないで。私を一生許さないで」
私は許されるべき人間ではない。一生、その罪を胸に生きていかなければいけない大罪人なのだ。
不意に、背中に体温が伝わる。顔を上げると、そこには母がいた。穏やかに微笑み、私の背中を摩っている。
「由紀、泣かないで」
そのまま、抱き寄せられる。その温もりに、胸が張り裂けそうになった。思わず、手を回す。幻だと知っている。けど、縋りたかった。
生前に、もっと彼女を抱きしめていればよかった。恥ずかしいからと顔を背けずに、きちんと向き合えば良かった。愛していると伝えればよかった。
今さら、今さら。失ってから、そんな大切なことに気がつくなんて。私は本当に愚か者だ。
「お母さん、お母さん。大好きだよ。ずっと」
彼女に伝えられなかった言葉だ。産んでくれてありがとう。育ててくれてありがとう。そばにいてくれてありがとう。大好きだよ。どうしてこんな簡単な言葉を言えなかったのだろう。手を伸ばせば届く範囲に母は居て、口を開けば伝えることができたはずなのに。
背中へ回した手に力を込める。母も力を込めて抱きしめた。由紀。耳元で彼女が囁く。
「お母さんもね」
母を見上げる。ひどく静かに笑う彼女と、目が合った。
「ずっと大好きだよ」
窓から差し込む朝日が、目を焼いた。光の方へ視線を遣る。眩むほどのそれは、ここが現実だと私へ知らしめているようだった。
手には先ほどまで抱きしめていた母の温もりさえ感じられない。
やっぱり、所詮は夢じゃないか。私は腕で目元を隠し、深々と息を吐いた。
「でもまぁ、思ったほど悪くはなかった、かな」
私は目元に滲んだ涙を拭い、そう呟く。
外で鳥が囀っていた。
◇
一階へ降りると父がエプロンを身に纏い、弁当を作っていた。卵を焼いたような匂いが部屋に漂っていて、私は眠気が残った脳内のまま、ダイニングチェアへ腰を下ろした。
キッチンに立ち、こちらへ背中を向けている父に視線を遣る。
鼻歌でも歌い出しそうなその背中を見つめ、小さく笑った。
「ねぇ」
声をかけると、彼が振り向いた。ん? と首を傾げながら私を見つめる。寝癖すごいな、と肩を揺らし笑う父が作り終えた卵焼きをまな板へ置いた。包丁を手に取り、切り込みを入れる動作を目で追う。
「お父さん」
「なに?」
「お母さんの夢をね、見たんだ」
父の動きが止まった。やがてオイルが足りないロボットのようにぎこちなく再開する。
「……ONP錠でね。見るつもりは……なかったんだ。あんなの、所詮夢だし。でも昨日、見ちゃった」
彼は黙ったままだ。やがて小さく、そうか、と呟く。
「……でも、夢は夢だった。あれは私の妄想の産物だし、本物じゃない。だからね、私、もう夢は見ないことにしたよ」
父とこうやって母の件を話したのはいつぶりだろう。いや、きっと初めてだ。私たちはずっと蓋をしたまま生きてきた。
「……お父さん。今度の休みに昔、三人で行ったテーマパークに行かない?」
父が私を見た。泣きそうな顔をして、頷く。じゃあ予定空けといてね、と微笑む。
私たちは、腹を割って話せるだろうか────あの日、私と母の間に何が起こったか。母が他界したと告げられて、父はどんな心境だったのか。
きっと、いつか話せる日が来る。私たちは、そういう家族に変わっていけるはずだ。
そして、いつか聞いてみたい。
父と母がどうやって出会い、恋に落ちて私が生まれたのかを。
「あちっ」
父が小さな悲鳴をあげる。どうしたの? と声をあげ、私もキッチンへ立った。弁当箱へ盛り付ける父を手伝った。
ふと、テラス戸へ視線を投げる。差し込む朝日が、部屋を照らしていた。眠りについていた人々が夢から覚め、動き出す時間がもうそこまで迫っている。
みんな、どんな夢を見ていたのだろうか。そして、目覚めた時に何を思っているのだろうか。
世界中で繰り返されるそんな毎日の一コマを思い浮かべ、私は目を瞑った。
【完】
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