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第三章
時が流れて、色々と変わって
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近況ボードでも書きましたが前二つの話と、今回更新分の話を合わせて一つの話にしました。
今後も、これくらい(一話二千字~三千字)で更新しようと思います。よろしくお願いしますm(__)m
※
四月に私が魔法学園の臨時講師になって、もう二年以上が経っていた。
今の季節は冬で、時間は夜の祈りを捧げた後なので部屋の灯りは消され、私は寝台に潜っている。そして明日は週に一度、魔法学園に通う日なので先程、いつものように枕を五回叩いた。
あと一か月もすれば、例年の新年を祝うパーティーが開催される。そしてその後、三年生になった殿下達やエマは、春に魔法学園を卒業することになっていた。
(本来の乙女ゲームでは、攻略完了出来たら卒業式の時に婚約破棄……と言うか、ヒロインであるエマとの真実の愛が宣言されるらしいけど)
以上、エマから教えて貰ったことである。とは言え、ゲームはそこで終了なのと、ゲーム内の現世の私がやったことはエマへの苦言と、淑女レベルを上げる為の対決だけだ。内容を聞いたら、試験の順位を競ったり、魔法の腕を競ったり、武術の腕を競ったりらしい。武術と言っても格闘技ではなく、細剣らしいが、教えて貰った時はヒロイン、そこまでやるのかとついツッコミを入れてしまった。
まあ、内容はともかくそんな真っ当な勝負だったので、婚約破棄はされてもネット小説のように追放や断罪、最悪死刑宣告はされないらしい。ただただ、攻略対象がエマへの愛を叫んで終わるそうだ。平和だなと思う。
だから、現世の私のその後は私もだが、乙女ゲームをやり込んでいたエマも知らない。ただ、彼女達には弟がいないので侯爵家を継いだか婿を迎えたのではと話していた。それ故、現世父が現世の私を連れ戻そうとした時には、ネット小説で読んだ『ゲームの強制力』かと思って絶望した。
(はっきりキッパリお断りしたけど、あの時は本当に驚いたわね)
(ええ。でも、今はそもそも私は皆と婚約していないもの)
(そうよね)
しみじみと昔を振り返っていると、現世の私の声が聞こえた。今でも、私と彼女とのルームシェア状態は続いている。
(それに、ゲームではエマとの愛を貫く代わりに次期教皇を返上するらしい暴風雨は、殿下の卒業に合わせて、正式に教皇になるし……脳筋と猪に、それぞれ婚約者が決まったから。私が婚約者になる可能性は、完全に無くなったものね)
(ええ)
そう、時の流れを感じるのはここだ。
暴風雨(アルス)はまあ、頑張っていたので正式に決まって良かったと思うが、何より子供の頃から知っている脳筋と猪に、現世の私以外の婚約者が出来たのである。
※
脳筋と婚約したのは、やはりと言うかアリアだった。挨拶を根気強く続け、認識されていたが、あることをきっかけに二人の距離は縮まったのだ。
(まさか、朝や放課後に剣の稽古をする脳筋にスポーツドリンクの差し入れをするとは……レシピを聞いたら、この乙女ゲーム世界でも作れるものだったけど)
(疲れに効くって、クッキー以外の好物になったものね)
(ええ。サポートキャラであり、転生者でもある彼女ならではの差し入れだったわ)
暴風雨や猪は手作りを敬遠する傾向があったが、脳筋は修道院の手作りクッキーが好きなように、全く抵抗が無かったのも幸いした。こうして、アリアは脳筋の為にとスポーツドリンクの差し入れを続け、脳筋(エドガー)は感謝の気持ちを伝えたり、それだけでは足りなくてお茶に誘ったり、母親などに相談してアリアにプレゼントを贈るようになって、三年になったら正式に婚約した。以上、いつものようにエマからの情報である。
(毎回思うけど、王太子妃の彼女はどこから噂話や情報を手に入れるのかしら?)
一瞬、ネット小説でお馴染みの王家の諜報活動員、隠密や影と呼ばれる存在を思い浮かべたか、流石に王立学園の恋バナを集めさせてはいないと思う。
まあ、ゲームのヒロインのような良くて天真爛漫、悪く言えば傍若無人な言動ではないが、エマは推しに対しては熱く語るが、一方でこちらの好き嫌いや悩みを基本的には否定せずに聞いてくれる。基本的に、と言うのは推しが絡んだ場合、その限りではないからだ。
話を戻すが、アリアについてはそんなエマ情報だけではなく、校内で見かけることもあったので驚かなかった。
ただ、だからこそ猪の婚約をエマから聞いた時は驚いた。相手が『まだ』王立学園の生徒ではなかったからである。そんな訳はないと否定しつつも、やはり諜報活動員利用説を疑ってしまった。
何でも猪は三年生になって生徒会役員を引退した後、来年入れ違いで魔法学園に入ることになった従妹の家庭教師を始めたと言う。そうして交流するうちに、猪の方から婚約を申し出たそうだ。
「四つ下なので今回、会うまでは子供としか思っていなかったのですが……控えめですが、こんな僕のことをすごいと褒めてくれて、それでいて欠点も受け入れてくれるんです」
保健室でエマ達から婚約者について聞かれた時、猪はそう答えた。それが以前、聞いた乙女ゲームでの『信頼担当』である猪の攻略法通りだったので、私は素直に良かったと思った。
……公言はしていないが私はラウルさんが好きで、他の相手を選ぶつもりはなかったから。
(恋愛対象じゃないけど、昔から知ってるから……二人が幸せになるのは、嬉しいわ)
そう心の中で締め括った私は、先日、修道院の寄り添い部屋に来てくれたエマがしてくれた、今後の話を思い出した。
※
勿論、帝王学は学んでいるが学生、そして未成年ということもあり、殿下が年に一度の宴以外の公式行事に参加するのは、卒業してからである。
そして、殿下は王太子からいずれ国王に。
その婚約者であるエマも、その妻である王妃に。
暴風雨は教皇として、猪と脳筋もそれぞれ父の後を継ぎ、宰相と騎士団総長として、殿下を支える予定だ。
(そして、私は)
殿下達の卒業に合わせて、臨時講師を退職することになっている。
間近で寄り添いを見ていたナタリーに任せる、訳ではない。いや、元々素直で、素直すぎて思ったことがすぐ口から出る性質ではあったが、とにかく素直で真面目なので寄り添い行為自体は習得している。
しかし彼女はそもそも保険医なので、生徒の急病や授業中の怪我への対応もある。更にスキルアップしたせいか同僚教師に見初められ、今は共働きをしているがいつ産休などで休みに入るか解らない。
更に今回、私が臨時講師について行った寄り添いは、思春期の生徒達に効果的だと解った。
だからこそ、私が臨時講師の職を独占するのもと思い、春からは寄り添いが出来る別の修道女に引き継がせる予定だ。あと、私も学んだがナタリーの補助が出来るよう、怪我の応急処置など習う予定である。
(聖女をやめることは出来ないだろうけど、今後は修道院だけの活動にするわ)
(カナさんがよく言う『ふぇーどあうと』の為よね?)
(ええ、そうよ。イザベル……まあ、寄り添いだけは続けないとね)
現世の私が言うのに、私は頷いた。広告塔のようなものなので、自分の意思で辞めることは出来ないが、寄り添いであれば顔出しをしないで活動出来る。それに。
(十八歳になったら、正式に修道女になるけれど……ラウルさんと一緒にいる為には、ずっと成果を出し続けないと)
(そうね……そうよね)
(ええ)
献身者である私が修道士であり、神兵であるラウルさんとはそもそも結婚は出来ない。
それなら修道女になれば解決、と思ったのだが院長のクロエから、未成年のうちは認められないと言われてしまった。そして臨時講師をしつつ、寄り添いを続けているうちに私は悟った。
(修道女になったとしても、ただの修道女では神兵であるラウルさんとは今のように一緒にはいられない)
(今のように一緒にいる為には、ずっと活動し続けなければ)
(頑張りましょうね、カナさん!)
(ええ、イザベル)
そう二人で誓い合って、私は眠りに落ちた。
……辺境の地で起こっていたことに私はこの時、まだ気づいていなかった。
今後も、これくらい(一話二千字~三千字)で更新しようと思います。よろしくお願いしますm(__)m
※
四月に私が魔法学園の臨時講師になって、もう二年以上が経っていた。
今の季節は冬で、時間は夜の祈りを捧げた後なので部屋の灯りは消され、私は寝台に潜っている。そして明日は週に一度、魔法学園に通う日なので先程、いつものように枕を五回叩いた。
あと一か月もすれば、例年の新年を祝うパーティーが開催される。そしてその後、三年生になった殿下達やエマは、春に魔法学園を卒業することになっていた。
(本来の乙女ゲームでは、攻略完了出来たら卒業式の時に婚約破棄……と言うか、ヒロインであるエマとの真実の愛が宣言されるらしいけど)
以上、エマから教えて貰ったことである。とは言え、ゲームはそこで終了なのと、ゲーム内の現世の私がやったことはエマへの苦言と、淑女レベルを上げる為の対決だけだ。内容を聞いたら、試験の順位を競ったり、魔法の腕を競ったり、武術の腕を競ったりらしい。武術と言っても格闘技ではなく、細剣らしいが、教えて貰った時はヒロイン、そこまでやるのかとついツッコミを入れてしまった。
まあ、内容はともかくそんな真っ当な勝負だったので、婚約破棄はされてもネット小説のように追放や断罪、最悪死刑宣告はされないらしい。ただただ、攻略対象がエマへの愛を叫んで終わるそうだ。平和だなと思う。
だから、現世の私のその後は私もだが、乙女ゲームをやり込んでいたエマも知らない。ただ、彼女達には弟がいないので侯爵家を継いだか婿を迎えたのではと話していた。それ故、現世父が現世の私を連れ戻そうとした時には、ネット小説で読んだ『ゲームの強制力』かと思って絶望した。
(はっきりキッパリお断りしたけど、あの時は本当に驚いたわね)
(ええ。でも、今はそもそも私は皆と婚約していないもの)
(そうよね)
しみじみと昔を振り返っていると、現世の私の声が聞こえた。今でも、私と彼女とのルームシェア状態は続いている。
(それに、ゲームではエマとの愛を貫く代わりに次期教皇を返上するらしい暴風雨は、殿下の卒業に合わせて、正式に教皇になるし……脳筋と猪に、それぞれ婚約者が決まったから。私が婚約者になる可能性は、完全に無くなったものね)
(ええ)
そう、時の流れを感じるのはここだ。
暴風雨(アルス)はまあ、頑張っていたので正式に決まって良かったと思うが、何より子供の頃から知っている脳筋と猪に、現世の私以外の婚約者が出来たのである。
※
脳筋と婚約したのは、やはりと言うかアリアだった。挨拶を根気強く続け、認識されていたが、あることをきっかけに二人の距離は縮まったのだ。
(まさか、朝や放課後に剣の稽古をする脳筋にスポーツドリンクの差し入れをするとは……レシピを聞いたら、この乙女ゲーム世界でも作れるものだったけど)
(疲れに効くって、クッキー以外の好物になったものね)
(ええ。サポートキャラであり、転生者でもある彼女ならではの差し入れだったわ)
暴風雨や猪は手作りを敬遠する傾向があったが、脳筋は修道院の手作りクッキーが好きなように、全く抵抗が無かったのも幸いした。こうして、アリアは脳筋の為にとスポーツドリンクの差し入れを続け、脳筋(エドガー)は感謝の気持ちを伝えたり、それだけでは足りなくてお茶に誘ったり、母親などに相談してアリアにプレゼントを贈るようになって、三年になったら正式に婚約した。以上、いつものようにエマからの情報である。
(毎回思うけど、王太子妃の彼女はどこから噂話や情報を手に入れるのかしら?)
一瞬、ネット小説でお馴染みの王家の諜報活動員、隠密や影と呼ばれる存在を思い浮かべたか、流石に王立学園の恋バナを集めさせてはいないと思う。
まあ、ゲームのヒロインのような良くて天真爛漫、悪く言えば傍若無人な言動ではないが、エマは推しに対しては熱く語るが、一方でこちらの好き嫌いや悩みを基本的には否定せずに聞いてくれる。基本的に、と言うのは推しが絡んだ場合、その限りではないからだ。
話を戻すが、アリアについてはそんなエマ情報だけではなく、校内で見かけることもあったので驚かなかった。
ただ、だからこそ猪の婚約をエマから聞いた時は驚いた。相手が『まだ』王立学園の生徒ではなかったからである。そんな訳はないと否定しつつも、やはり諜報活動員利用説を疑ってしまった。
何でも猪は三年生になって生徒会役員を引退した後、来年入れ違いで魔法学園に入ることになった従妹の家庭教師を始めたと言う。そうして交流するうちに、猪の方から婚約を申し出たそうだ。
「四つ下なので今回、会うまでは子供としか思っていなかったのですが……控えめですが、こんな僕のことをすごいと褒めてくれて、それでいて欠点も受け入れてくれるんです」
保健室でエマ達から婚約者について聞かれた時、猪はそう答えた。それが以前、聞いた乙女ゲームでの『信頼担当』である猪の攻略法通りだったので、私は素直に良かったと思った。
……公言はしていないが私はラウルさんが好きで、他の相手を選ぶつもりはなかったから。
(恋愛対象じゃないけど、昔から知ってるから……二人が幸せになるのは、嬉しいわ)
そう心の中で締め括った私は、先日、修道院の寄り添い部屋に来てくれたエマがしてくれた、今後の話を思い出した。
※
勿論、帝王学は学んでいるが学生、そして未成年ということもあり、殿下が年に一度の宴以外の公式行事に参加するのは、卒業してからである。
そして、殿下は王太子からいずれ国王に。
その婚約者であるエマも、その妻である王妃に。
暴風雨は教皇として、猪と脳筋もそれぞれ父の後を継ぎ、宰相と騎士団総長として、殿下を支える予定だ。
(そして、私は)
殿下達の卒業に合わせて、臨時講師を退職することになっている。
間近で寄り添いを見ていたナタリーに任せる、訳ではない。いや、元々素直で、素直すぎて思ったことがすぐ口から出る性質ではあったが、とにかく素直で真面目なので寄り添い行為自体は習得している。
しかし彼女はそもそも保険医なので、生徒の急病や授業中の怪我への対応もある。更にスキルアップしたせいか同僚教師に見初められ、今は共働きをしているがいつ産休などで休みに入るか解らない。
更に今回、私が臨時講師について行った寄り添いは、思春期の生徒達に効果的だと解った。
だからこそ、私が臨時講師の職を独占するのもと思い、春からは寄り添いが出来る別の修道女に引き継がせる予定だ。あと、私も学んだがナタリーの補助が出来るよう、怪我の応急処置など習う予定である。
(聖女をやめることは出来ないだろうけど、今後は修道院だけの活動にするわ)
(カナさんがよく言う『ふぇーどあうと』の為よね?)
(ええ、そうよ。イザベル……まあ、寄り添いだけは続けないとね)
現世の私が言うのに、私は頷いた。広告塔のようなものなので、自分の意思で辞めることは出来ないが、寄り添いであれば顔出しをしないで活動出来る。それに。
(十八歳になったら、正式に修道女になるけれど……ラウルさんと一緒にいる為には、ずっと成果を出し続けないと)
(そうね……そうよね)
(ええ)
献身者である私が修道士であり、神兵であるラウルさんとはそもそも結婚は出来ない。
それなら修道女になれば解決、と思ったのだが院長のクロエから、未成年のうちは認められないと言われてしまった。そして臨時講師をしつつ、寄り添いを続けているうちに私は悟った。
(修道女になったとしても、ただの修道女では神兵であるラウルさんとは今のように一緒にはいられない)
(今のように一緒にいる為には、ずっと活動し続けなければ)
(頑張りましょうね、カナさん!)
(ええ、イザベル)
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